Skip to main content

第4次産業革命に向けて工場の生産性を向上させるルネサスの「自律するM2M」

~“見えなかったものが見えてきた” R-INエンジンと人工知能が、エッジデバイスで第4次産業革命の課題を解決~

November 26, 2015

 ルネサス エレクトロニクス株式会社(代表取締役会長兼CEO:遠藤隆雄、以下ルネサス)は、工場の生産性を飛躍的に高める「自律するM2M」の実現に貢献する各種ソリューションを開発しております。

 このたび、その第一弾として従来のR-INプラットフォームに国内の人工知能ベンチャーである「クロスコンパス・インテリジェンス社」より人工知能技術を導入したソリューションの開発を完了し、当社グループのルネサス セミコンダクタ マニュファクチュアリング株式会社 那珂工場(茨城県ひたちなか市)の製造ラインで試験的に運用しました。その結果、製造装置や産業機器等、産業用ネットワーク末端にある通信用デバイス(以下エッジデバイス)でのリアルタイム異常検知が可能となる技術的な見通しが立ちました。

 第4次産業革命の到来においては、産業ネットワーク末端のエッジデバイスにおけるセンサデータの爆発的な増大が予想されますが、ルネサスの産業イーサネット対応LSIでは、リアルタイム処理性能に優れたR-INエンジンによりデータ処理の速度を劇的に改善することができます。

 今回提案するソリューションは、この優れたリアルタイム処理性能が生み出すCPU処理余力に人工知能技術を実装したものです。末端のエッジデバイスで異常を判断できるようになるため、本ソリューションの採用によりユーザは、異常検知・予兆保全・歩留まり向上・しきい値設定を容易かつ高精度に実現可能となり、生産性向上を図ることができます。

 またルネサスは、人工知能ソリューションの他に、工場のビッグデータのセキュリティを担保するAnti-counterfeiting(偽造防止)技術も現在開発しており、これらのソリューションを2016年度下期より順次提供を開始する計画です。

 現在、工場内ネットワーク、または工場にある装置内ネットワークの産業イーサネット化が加速しており、工場内、装置内の情報やデータの転送速度は大幅に高速化しつつあります。また工場内と外部の世界が繋がり、例えば遠隔地からの生産管理も可能となるため、工場や装置の情報を外部のクラウドに送り、分析・解析するという新しい試みも昨今積極的に行われるようになってきました。また、エッジデバイスの高速化やセンサの精度向上にともない、エッジデバイスで多くの高精度データの採取が可能となり、これまで見ることができなかった現象を捉えることが可能となりました。

 一方、ものづくりの現場では、採取可能な情報/データと統計的手法により生産性向上、品質向上(改善)に取り組んできましたが、中間工程での異常検知や予兆保全については改善の余地があり、結果的に最終工程での選別検査に依存せざるを得ない状況が残っていると言えます。

 加えて、採取された大量のデータを送受信するためにエッジデバイスの消費電力が上昇する、工場内/装置内ネットワーク(フィールドネットワーク)が渋滞するという新たな課題が発生しています。同時に、工場内の装置や、採取した貴重なデータを外部からの攻撃から保護するために、セキュリティ対策も課題となっています。

 ルネサスの提供するR-INエンジンは低電力で高速通信、高速処理が可能なため、大量のデータを上位のネットワークに低電力かつ高速で転送することができます。そのCPUの処理余力に今回、人工知能技術を実装することでこれらのデータを高度な解析モデルで処理し、上位が必要な情報のみを送信することができるようになります。これにより、これまで見ることができなかった異常をエッジデバイスで検知し、リアルタイムに生産に反映することが可能となります。また、上位の分析・解析との連携で装置間状態を詳細にモデリングすることでフレキシブルな生産が可能になるため、エッジデバイスの解析結果を上位で時系列に解析し高度な予兆保全も可能になります。

 このようにルネサスが提供するR-INエンジン搭載の産業イーサネット対応デバイスに人工知能技術を実装することで、エッジデバイスにおいて高精度で大量のデータからプロセス異常、機械摩耗/劣化/故障を安全に監視でき、さらに人には見えない・聞こえない時間軸の世界で判断することが可能になります。すなわち、エッジデバイスに人工知能を搭載し、この末端で異常を判断できるようになるため、生産管理上早期に処置を行うことでき、結果大幅な製造歩留まりおよび生産性の向上を実現できるようになります。

 なおルネサスは、オートメーションと計測の先端技術が一堂に会する展示会「システム コントロール フェア 2015(会期:本年12月2日から4日、会場:東京ビッグサイト)」に出展し、那珂工場にて検証した異常検知の成功事例および実際の人工知能技術による異常検知を簡単に確認できるデモンストレーションをご紹介いたします。またAnti-Counterfeitingを可能にするデモンストレーションも併せて展示します。

 さらに同会場内の出展者セミナでは「”見えなかったものが見えてきた”工場の生産性を向上させるルネサスの自律するM2M」というテーマで、蓄積された工場のビッグデータや熟練者の知見を学習することで製造状態をリアルタイムに分析・監視できる当社の第4次産業革命に進めるソリューションをご紹介する予定です。

以 上

*本リリース中の製品名やサービス名は全てそれぞれの所有者に属する商標または登録商標です。


ニュースリリースに掲載されている情報(製品価格、仕様等を含む)は、発表日現在の情報です。 その後予告なしに変更されることがございますので、あらかじめご承知ください。

Share this news on