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USBホスト/ファンクション機能搭載ローエンドマイコンの発売について

~PC周辺機器、携帯機器等向けに6mm×6mmの小型・薄型パッケージを実現~

December 1, 2010

 ルネサス エレクトロニクス株式会社(代表取締役社長:赤尾 泰、以下ルネサス)は、このたび、PC周辺機器、携帯機器、健康機器などの民生機器や産業機器向けに、当社では初めてローエンドマイコンにUSBホスト/ファンクションコントローラを搭載したフラッシュメモリ内蔵マイコン(以下、フラッシュマイコン)「R8C/34K」および「R8C/3MK」グループなど、合計4グループ8品種(12型名)を製品化しました。本日より順次サンプル出荷を開始します。

「R8C/34K」および「R8C/3MK」グループは、次の2点を大きな特長としています。
(1)低消費電力で実績のある「R8C/3xシリーズ」にUSB 2.0に準拠したフルスピード(12Mbps)のUSBホスト/ファンクション機能を初搭載。

(2)「R8C/34K」グループは7mm×7mmサイズ、「R8C/3MK」グループは6mm×6mmサイズの小型パッケージ実現により、システムの小型化が可能。なお、USBファンクション機能搭載の「R8C/34U」および「R8C/3MU」グループも同様のパッケージをラインアップしています。

 新製品のサンプル価格は、例えば128Kバイト・フラッシュメモリ、10KバイトRAM内蔵の48ピンLQFPパッケージの「R5F2134CKNFP」が1個あたり560円となっています。量産は2011年3月より順次開始し、2012年3月以降は4グループ合計で月産100万個を計画しております。

 USBはPCとPC周辺機器との間だけでなく、手軽で汎用的なインタフェースとして、AV機器など様々な分野で広く利用されております。そして近年では、ゲーム機器、DSCやビデオレコーダにUSB通信を制御するホスト機能を搭載し、付属機器との間で使用するなど、小型機器間で直接USB通信を行う用途が急激に拡大しています。しかし、既存のUSBホストコントローラを搭載したマイコンは、ほとんどがミッドレンジ以上であり、性能やパッケージサイズの点からローエンドマイコンでのUSBホストコントローラ搭載品への要求が高まっています。
 上記のようなニーズに対応するため、今回、ミッドレンジ、ハイエンドマイコンでのUSBホスト/ファンクションコントローラ搭載の実績を活かし、ローエンドマイコンでUSBホスト/ファンクションコントローラを搭載したフラッシュマイコンを製品化しました。
 新製品の主な特長は以下のとおりです。

(1)R8Cファミリに高機能USBホスト/ファンクション コントローラを搭載

 新製品は、R8Cファミリで初めてUSBホスト/ファンクションコントローラを搭載しています。加えて本USBホスト/ファンクション コントローラは、ホスト動作時の転送スケジューリングの自動転送機能など、CPUの負荷を減らすと共に効率の良い転送を可能とする機能を搭載しています。

 具体的には次の通りです。

 USBコントローラは、USB 2.0フルスピード(12Mbps)仕様に準拠しています。また、高性能でフレキシブルな5本の通信パイプにより構成され、それぞれのパイプに独立したFIFOメモリ(合計448バイト)を内蔵しており、システムの用途に応じてダブルバッファ/シングルバッファおよび通信方向をソフトウェアで設定できます。このため、タッチパネルのようなPC周辺機器、通信機能を有するFA機器や健康機器など、様々なUSBアプリケーションに対応できます。

 このUSBコントローラを、ホストとして使用する場合、USBフレーム内の空き時間を利用して、自動的に転送を繰り返し、効率の良いUSB通信を実現します。また、転送スケジューリングをハードウェアで行なうため、CPU負荷を軽減することができ、R8Cファミリでもホスト機能を実現することができました。

 また、ファンクションとして使用する場合、USB通信に必要な状態管理及び、コントロール転送のステージ管理をハードウェアが行なうため、よりシンプルなソフトウェアでUSBホストとの通信が実現でき、ソフトウェア設計の工期短縮に貢献します。USB電源用のレギュレータを内蔵するため、USBケーブルから供給される5V電源のみを使用した単一電源システムを、少ない部品で構成できます。

 「R8C/34K」グループは、ホスト機能とファンクション機能をレジスタ設定で切り替えることができ、更にUSB OTG(On-The-Go)にも対応可能です。

(2)小型機器に適した小型パッケージをラインアップ

 「R8C/34K」及び「R8C/34U」グループは7mm×7mm の48ピンLQFP、「R8C/3MK」及び「R8C/3MU」グループは6mm×6mmの40ピンTQFNと、2種類の小型パッケージをラインアップしています。このため、小型システムに適したパッケージを選択でき、基板サイズの縮小やシステムの小型化に貢献します。

(3)様々な低消費電力モードに対応

 既存の「R8C/3xシリーズ」と同様に、消費電力を大幅に低減することが可能な、ウェイトモードおよびストップモードを有します。また、標準動作モードにおいても、USBコントローラに必要な48MHzクロックを生成する内蔵PLLを停止できるので、USB未使用時の消費電力を低減することが可能です。

 このほか、「R8C/3xシリーズ」の特長を継承し、バックグラウンドオペレーション機能を搭載した当社独自のデータフラッシュ(1Kバイト×4ブロック)を内蔵しており、通常外付けしているEEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)などに格納しているデータを保存可能です。

 また、USB応用システムで必要となる、USB基本ファームウェアおよび、デバイスクラス(COMクラス、HIDクラス及び、マスストレージクラスなど)ファームウェアの提供により、システム開発工期の削減に貢献します。そして、USBインタフェースを経由した内蔵フラッシュメモリの書き換えを実現する、プログラムダウンロードツールも提供する予定です。

 なお、ルネサスは本年12月1日から3日に横浜市パシフィコ横浜で開催される「組込み総合技術展(ET2010)」に新製品を出展いたします。

 新製品の主な仕様は別紙をご参照下さい。

以 上

*本リリース中の製品名やサービス名は全てそれぞれの所有者に属する商標または登録商標です。


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