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LED照明向けにシステムコスト低減、高効率、高力率を実現するLEDドライバICの発売について

~独自の降圧制御方式により業界トップクラスの効率92%を実現~

December 1, 2010

 ルネサス エレクトロニクス株式会社(代表取締役社長:赤尾 泰、以下ルネサス)はこのたび、LED照明向けにシステムコスト低減、高効率、高力率(注1)を実現可能なLEDドライバIC「R2A20134」を製品化し、本日よりサンプル出荷を開始します。

 LED照明向けでは当社初のLEDドライバICであり、サンプル価格は1個あたり80円、2011年3月から月産300万個の量産を行う計画です。

 LED照明分野は白熱電球置換えを中心に今後市場規模を大きく伸ばしていくと予測されています。その一方で、LEDは直流電流駆動のため商用の交流電源を直流に変換する必要があり、交流直流変換回路の追加に伴うコストの低減、変換効率、および交流を直流に変換する際の電力効率を示す力率の向上が望まれています。上記課題を解決するため、当社ではこのたび、LEDドライバの出力電圧を低圧化できる独自の降圧制御技術を採用することにより、高効率、高力率、システムコストの抑制を実現したものです。

 新製品「R2A20134」の主な特長は次の通りです。

(1)システムコスト低減に貢献

 独自の降圧制御を採用することにより、本LEDドライバICの出力電圧を下げられるため、LED駆動用MOSFETの耐圧を通常700V耐圧に対して500V~300Vと低耐圧のものを選定可能となり、システムコスト低減に貢献します。

(2)高効率化、高力率化を実現

 独自の降圧制御及び、臨界モード(注2)方式を採用することにより、LED駆動用MOSFETのターンオン時のゼロ電流スイッチング、およびドレイン-ソース間電圧が低い状態でスイッチングが可能となります。このため、スイッチング損失の低減により業界最高クラスの効率92%(注3)を実現可能です。また、臨界モードスイッチングは、少ない外付け部品で力率改善(PFC)制御も可能となり、業界トップクラスの力率値0.9以上を実現しました。

(3)各種システム方式に柔軟に対応可能

 LED制御システムには様々な方式がありますが、新製品では構成を変えることにより柔軟に対応可能です。(バックブースト制御、平均電流制御、ピーク電流制御、入力電力一定制御等)

 この他、「R2A20134」では一定電流制御のためのフィードバック端子をトライアック位相に合わせた電圧で制御することにより、トライアック調光制御にも対応が可能です。また駆動用MOSFETも各要求電力、性能に合わせて提供できます。

 ルネサスでは、今後もエコ社会実現に貢献する製品やソリューションを提供していきます。

 なお、ルネサスは本年12月1日から3日に横浜市パシフィコ横浜で開催される「組込み総合技術展(ET2010)」に新製品を出展いたします。

新製品の主な仕様は別紙をご参照下さい。

以 上

(注1)力率(Power Factor):交流電力の効率に関し定義された値で、有効な電力の比率のこと。

(注2)臨界モード:昇圧コイル電流がゼロであることを検出してから、外付けのMOSFETをスイッチングするモード。

(注3)当社測定条件(8W,Vac=100V)での数値。

*本リリース中の製品名やサービス名は全てそれぞれの所有者に属する商標または登録商標です。


ニュースリリースに掲載されている情報(製品価格、仕様等を含む)は、発表日現在の情報です。 その後予告なしに変更されることがございますので、あらかじめご承知ください。

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