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業界最小クラスの3mm角を実現したタッチキー搭載フラッシュマイコンを発売

~スマートフォンや携帯電話、電子書籍、デジタルカメラ等のシステム小型化に貢献~

February 2, 2011

 ルネサス エレクトロニクス株式会社(代表取締役社長:赤尾 泰、以下ルネサス)は、このたび、スマートフォンや携帯電話、電子書籍、デジタルカメラ、ポータブルゲームなど携帯機器向けに、業界最小クラスのパッケージサイズを実現したタッチキー(注1)搭載フラッシュメモリ内蔵マイコン(以下フラッシュマイコン)「R8C/3NTグループ」を製品化し、本日よりサンプル出荷を開始します。

 新製品は静電容量タッチ検出回路とフラッシュマイコンを1チップ化しており、当社従来の1チップ品「R8C/3JTグループ」と比べ、(1)ウエハ状態でパッケージ化するWPP(Wafer Process Package) の採用等によりパッケージサイズを約64%削減し、3mm×3mmを実現しています。また、(2)通信機能の強化や、パッケージの有効ピン数と内蔵メモリ容量の拡大により、複数センサへの接続等を可能とするなど、携帯機器の小型化、高機能化に貢献します。

 新製品のサンプル価格は、内蔵メモリの容量により異なりますが、300~400円/個となっております。量産は2011年9月から開始し、1年後には月産100万個を計画しています。

 近年、携帯電話などの携帯機器は、デザイン性や防水性・防塵性を向上できることからタッチキーを搭載し、多彩なアプリケーションを実現した製品が登場しています。そして将来的には、タッチキーを採用し、より高度なアプリケーションを実現した機器の増加が予想されます。これらのタッチキーを制御するマイコンは、通常システムのメイン制御用マイコンとは別に搭載され、外部のタッチセンサICとの2チップ構成で用いられています。しかし、省スペース化、低コスト化の点から、タッチ検出回路を内蔵したフラッシュマイコンが求められています。

 当社では既に白物家電、AV機器、OA機器や携帯機器向けに静電容量タッチ検出回路内蔵フラッシュマイコンを広く提供しておりますが、今回、さらに携帯機器向けに仕様を厳選し、WPPパッケージの採用により小型化を実現した「R8C/3NTグループ」を製品化しました。

 新製品の特長は、以下のとおりです。

(1)3mm×3mmの超小型サイズを実現

 WPP(Wafer Process Package)パッケージの採用により、タッチキー搭載フラッシュマイコンでは業界最小クラスとなる3mm×3mm(パッケージ厚:0.64mm)を実現しました。 これにより、システムの小型化が可能になります。

(2)通信機能等を強化

 外部のセンサやICとのデータやり取りをスムーズに行うため、I2Cバスインタフェースやチップセレクト付同期式シリアルインタフェース (SSU: Synchronous Serial communication Unit)モジュールを4チャネル搭載しています。また、パッケージの有効ピン数を従来の36ピンから48ピンに増加、内蔵フラッシュメモリも従来の4倍以上となる最大128Kバイトを搭載するなど、内蔵メモリも増強しており、複数のセンサとの接続に対応したアプリケーションの制御が可能になります。

 なお、当社従来の携帯機器向け制御用マイコン(タッチ検出回路無し)「R8C/3GC」に対する新製品のメリットは次の通りです。

①外部のタッチセンサICと「R8C/3GC」との2チップ構成に対し、新製品は当社比で約64%実装面積を削減可能です。

②静電容量方式のタッチ検出回路を5チャネル搭載し、タッチキー、ホイール操作、スライダー操作を実現可能です。これにより、システムのデザイン性の向上、防水性・防塵性の向上が可能になります。

③タッチ検出のCPU処理時間を劇的に低減しており、ソフトウェアでタッチ検出を実現した場合と比較し、システムの消費電力を当社比で約1/10に低減できます。

 また、従来同様にデータトランスファコントローラ、バックグラウンドオペレーション付きデータフラッシュ(注2)、およびパワーオンリセット、電圧検出機能、高速オンチップオシレータを搭載しており、マイコン周辺部品の削減が可能になり、更なるシステムの小型化が可能になります。

 新製品は、ROMサイズ48KB~128KBのメモリラインアップにより、4品種を揃えています。

 さらに、開発環境としてWorkbench4と呼ばれるGUI(Graphical User Interface)表示オペレーションツールにより、電極設計、感度調整、閾値設定、信号モニタリングといったシステム設計に必要な作業が簡単に実行でき、設計工数、開発費削減に貢献できます。設定値はデータフラッシュに書き込まれるため、モデル毎の微調整も可能になり、検出精度の高いタッチセンサソリューションをユーザ自身の手で簡単に機器に組み込むことが可能です。

 ルネサスでは今後、低消費電力化、低コスト化した製品の開発を進め、市場ニーズにタイムリーに対応していきます。

 新製品の主な仕様は別紙をご参照下さい。

以 上

(注1)タッチキー:従来のボタンスイッチと異なり、指定部分に手で軽く触れるだけでON/OFFのスイッチ等が行える静電容量式タッチキー。フラットな基板で実現できるため、機器のデザイン性や防水性・防塵性が向上できる。

(注2)データフラッシュ:当社独自のもので、ソフトウェア格納用として使用されるフラッシュメモリとは別に、主にデータ格納用として使用するフラッシュメモリ。

*本リリース中の製品名やサービス名は全てそれぞれの所有者に属する商標または登録商標です。


ニュースリリースに掲載されている情報(製品価格、仕様等を含む)は、発表日現在の情報です。 その後予告なしに変更されることがございますので、あらかじめご承知ください。

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