ルネサス エレクトロニクス株式会社（代表取締役会長兼CEO：作田 久男、以下ルネサス）は、高感度で高ノイズ耐性、耐水性に優れた静電容量式タッチキーIP（注1）を搭載した32ビットマイコン「RX113」グループ（注2）用タッチキー開発キットを、5月下旬より販売開始いたします。
タッチキー用マイコン「RX113」は、高感度と高ノイズ耐性を両立しており、NC工作機の制御盤等、産業分野における手袋を装着した状態でのタッチキー認識を可能にしています。また、手と水を区別して検知することができるので、濡れた手で触ることの多いIH調理器や食洗機等の調理家電、給湯器リモコン、お風呂用TV等の水回り製品でも正しく動作させることが可能です。
今回発売する開発キットは、タッチキー用マイコン「RX113」の性能を最大限引き出すだけでなく、静電容量式タッチキー開発における課題であった、タッチ 感度と相反する、ノイズ耐性の最適化を自動調整して解決します。加えて、同梱される４種類のタッチキー評価ボードにより、パネル素材、耐水性、近接検知 （キーに直接触れない）、位置検出の各環境を簡単に実現することが可能です。
本開発キットは、
(1) 4種類のタッチキー評価ボードとサンプルソフトウエア
(2) 自動調整ツール「Workbench6」（注3）
で構成され、
- オールインパッケージのため、即時に開発を開始可能
- 評価ボードと自動調整ツールにより、タッチキーシステムの開発が容易に実現可能
- 調整結果をソースファイルとして出力可能
等の特長があります。
本開発キットに含まれる評価ボードと自動調整ツールの概要は以下の通りです。
(1) タッチキー評価ボード
① タッチキーの基本動作である、キー、スライダ、ホイール評価ボード
アクリルやガラス素材、木材やプラスティック、布等でカバーされる用途
② 近接センシング（キーに直接触れない用途）評価ボード（注4）
衛生上の課題があるもの、厚手のゴム手袋やミトン等を使用しての用途
③ 耐水性評価ボード
ウエアラブルなヘルスケア製品やIHクッキングヒータ等、汗や水が付着した状態使用される用途。防塵防水加工が予定されるもの。
④ パッド評価ボード
PCのマウスパッドのように位置や方向を認識する用途（注4）
(2) 自動調整ツール「Workbench6」
- 使いやすいGUI（Graphic User Interface）の操作だけでタッチ感度やノイズ耐性を自動調整可能。
- タッチキー調整の結果はルネサス製「CS+」、または「e2 studio（注5）」の統合開発環境にプロジェクトのソースファイルで出力。
- 高感度で特に近接検出に優れた自己容量方式と、耐水性やマトリクスキー対応で多数のキーが実現可能な相互容量方式に対応。さらに、それらが混在したパターンにも対応しており、従来のタッチキーに近接センサを付加したシステム等にも応用可能（注6）。
なおルネサスは、2015年5月13日～15日に東京ビッグサイト で開催されるJapan IT Week内のIoT/M2M展および組込みシステム開発技術展に出展し、「RX113」グループを使用したタッチキー向けソリューションを用いたデモンス トレーションをはじめ、「一歩先の世界へ」をテーマにIoT向けソリューションを紹介する予定です。
新製品の内容は別紙（113KB）をご参照ください。
RX113の製品情報は、https://www.renesas.com/ja/solutions/key-technology/human-interface/touch-sensor-system2/technology.htmlをご覧ください。
以 上
（注1）2014年7月に発表した静電容量式タッチキーIPのニュースリリースはこちらです。
http://japan.renesas.com/press/news/2014/news20140715.jsp
（注2）32ビットマイコン「RX113」グループの詳細はこちらです。
http://japan.renesas.com/products/mpumcu/rx/rx100/rx113/index.jsp
（注3）ルネサスは2009年にタッチキーマイコン「R8C/3xT」グループの量産を開始し、同時に開発ツール「Workbench」を提供してきました。ユーザのニーズにお答えし機能アップを続け、現在は「Workbench5」を提供しております。
（注4）基板のみ同梱。後日web上で対応ソフトウエアを配布予定です。
（注5）グローバルに普及しているオープンソースの統合開発環境「Eclipse」と、C/C++言語開発を可能とするCDTプラグインをベースとし、ルネサス製マイコン「RXファミリ（RX600、RX200、RX100）」に対応した統合開発環境です。
（注6）自己容量方式と相互容量方式の混在に対応した「Workbench6」は後日web上で配布予定です。
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