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バッテリのメンテナンスを不要にする超低消費電力マイコン「REファミリ」のラインアップを拡充、Bluetooth 5に対応した「RE01B」を発売

~ソフトウェアのアップデートやデータの送受信もエナジーハーベスト(環境発電)で実現可能~

2021年3月25日

 ルネサス エレクトロニクス株式会社(CEO:柴田 英利、以下ルネサス)は、このたび、SOTBTM(Silicon On Thin Buried Oxide)プロセス技術を採用した超低消費電力な32ビットマイコン「REファミリ」のラインアップを拡充し、Bluetooth®5.0を搭載した「RE01B」を発売しました。REファミリはIoTアプリケーションの中でも、エナジーハーベストシステムや小型電池で駆動するインテリジェントな機器に適しています。今回、Bluetooth通信に対応したRE01BがREファミリに加わったことにより、データ管理やファームウェアのアップデートも容易に実現可能になりました。パルスオキシメータやパッチ型の生体センサなどの小型ヘルスケア機器、音声認識リモコン、後付け型のスマートメータなど、電池寿命が課題となる機器の電池交換を不要にしたり、電池の長寿命化を実現します。また、老人や子供の見守り機器や、物流の状態監視など、低消費電力での常時駆動とBluetoothによる定期的なデータ収集や更新を必要とする用途で特に有用です。

 RE01B はArm® Cortex®-M0+コア搭載し、最大64MHzの高速で動作します。また、動作時、スタンバイ時共に超低消費電力を実現するルネサス独自のSOTB技術を用いることで、動作時35µA/MHz、スタンバイ時600nAと、Bluetooth搭載マイコンとして世界トップクラスの超低消費電流です。さらに、ルネサスの超低Iq DC/DCコンバータISL9123を外部の降圧レギュレータとして併用することにより、動作時の電流は15µA/MHzと、さらなる低消費電力化を実現することが可能です。

 ルネサスのエンタープライズ・インフラ・ソリューション事業部、事業部長の加藤 茂樹は次のように述べています。「IoT機器のさらなる普及を推進するための課題として、電池交換や充電の負荷を軽減する必要があります。REファミリは、こうしたニーズに応えることができる唯一のソリューションとして、IoT機器メーカから高い評価を得ています。Bluetoothに対応する新製品の提供により、より多くの応用分野でバッテリのメンテナンスが不要になることを大変嬉しく思います。」

RE01Bの主な特長は次の通りです。

  • Arm Cortex-M0+コアを搭載、最大動作周波数64MHz
  • Bluetooth5.0のロングレンジ(最大400m)、高データスループット(2Mbps:メガビット/秒)に対応
  • 動作電流は35µA/MHz (内蔵LDO使用時)または15µA/MHz (外部DC/DC使用時)、スタンバイ電流は600nA(コア500nA、Bluetooth 100nA)の超低消費電力
  • Bluetoothの受信時は3.0mA(1Mbps時)、送信時は4.3mA(0dBm,1Mbps時)という優れたピーク電流を実現
  • 1.5MBフラッシュメモリ、256KBのSRAMの大容量メモリとBluetoothを搭載しているため、OTA(Over the Air)でのファームウェアのアップデートにも適しています。
  • 動作電圧は1.62V~3.6Vで、1.62Vから最大64MHzの高速動作が可能
  • 8mm角の64ピンQFNパッケージ
  • エナジーハーベスト制御回路搭載(コンデンサ充電高速起動、2次電池充電保護機能)のため、環境発電素子や蓄電素子をダイレクトに接続するだけでバッテリを搭載せずにBluetooth通信が可能
  • 約4µAの超低消費電力14ビットA/Dコンバータ搭載
  • 約0.6mAでのフラッシュメモリの書き換えが可能
  • トラステッドセキュアIP搭載の強固なセキュリティ機能
  • Bluetooth 5.0のプロトコルスタックに加えて、Heart Rate Profile(HRP)、Environment Sensing Profile(ESP)、Automation I/O Profile(AIOP)など、各種標準プロファイルに準拠したAPIを提供

開発環境

 評価キットは、エナジーハーベストシステムを含む全周辺機能を評価可能な「EB-RE01B」をテセラテクノロジー社から本日より提供開始します。開発ツールは、カスタムプロファイルのプログラムの生成と、それをユーザのアプリケーションプログラムに組み込むことを可能にする「QE for BLE」や、初期の無線特性評価とBluetooth機能確認がGUI操作で可能な「Bluetooth Test Tool Suite」を提供します。

 また、ルネサスは今後、ユーザの開発を加速させるため、RE01Bとアナログ、パワー製品を最適に組み合わせたソリューション「ウィニングコンビネーション」を順次リリースする予定です。例えば、REファミリを使用したRE01内蔵ウェアラブルデバイスのリファレンスデザインや、人や動物、物流トラッカーを実現する全球測位衛星システム(GNSS)トラッキングソリューションなど、ルネサスはすでに200以上のウィニングコンビネーションを提案しています。

RE01Bについての詳細は、こちらをご覧ください。
https://www.renesas.com/re01b

*BluetoothはBluetooth SIG, Inc.の登録商標です。Arm、CortexはArm Limitedの登録商標または商標です。SOTBは、ルネサスエレクトロニクス株式会社の米国およびその他の国における登録商標です。本リリース中の製品名やサービス名は全てそれぞれの所有者に属する商標または登録商標です。


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