~ハードとソフトのターンキーソリューションが、量産までの開発期間の短縮を実現~
2019年5月29日

 ルネサス エレクトロニクス株式会社(代表取締役社長兼CEO:呉 文精、以下ルネサス)は、このたび、コクピット向けアプリケーションを効率的に短期間で設計できるよう、「統合コクピットECU向けR-Carリファレンスソリューション」の提供を本日より開始します。本ソリューションは、ルネサスが開発したモジュールレベルのハードウェアと、ルネサスならびにパートナ各社が提供するソフトウェアパッケージを組み合わせたものです。さまざまなアプリケーションの要件を満たすために、OEMやTier 1が自由にカスタマイズすることができるターンキーソリューションです。ルネサスの高性能な車載用SoC(System on Chip)「R-Car M3」を使用し、ハードウェアとソフトウェアの機能をあらかじめリファレンスとして設定してあり、すぐに開発に着手できます。このリファレンスをベースに、それぞれのニーズに合わせて、システムの再構成や、アップグレード、拡張を行うなど、カスタマイズすることができます。

 ルネサスは本ソリューションを、6月5~6日に米国ミシガン州ノバイで開催されるTU-Automotive Detroit 2019のルネサスのブースC190に、出展する予定です。

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図1:コクピット・リファレンスソリューションを使用して作成したコクピット表示の例

 ハードウェアは車載用SoC「R-Car M3」をベースとした、完全なターンキーソリューションです。特に課題となる高速インタフェース設計に対処できるよう、車載用LPDDR4(Low Power DDR4メモリ)を使用したリファレンスデザインに加え、設計およびテストマニュアルなどのドキュメントも提供します。これにより、ユーザは独自の機能セットに合わせて基板をカスタマイズする際も開発負荷が軽減され、短期間で開発可能です。

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図2:コクピット・リファレンスソリューションのハードウェアであるECU(電子制御ユニット)

 ソフトウェアパッケージは、ルネサスのソフトウェアとパートナ各社のソフトウェアを組み合わせた包括的なリファレンスソリューションであり、完全な透明性を確保しています。BSP(Board Support Package)およびドライバ、仮想化ソフトウェア、オープンソースソフトウェアのAutomotive-Grade Linux、各種ミドルウェア、およびアプリケーション層で構成されています。ソフトウェアは、ソースコードとして提供されるため、既存のシステムや知見がなくても、ユーザはアプリケーション設計をすぐに開始できます。これにより、ユーザはアプリケーション設計のニーズを満たす最適な形で、ソフトウェアの修正、変更や配付が可能です。

 ルネサスの車載システム開発統括部のシニアダイレクターであるDaniel Siscoは、次のように述べています。「統合コクピットは、開発が難しいセグメントです。なぜなら、複数のOS、リッチなユーザインタフェース、Bluetooth接続やナビゲーションなど、多種多様な機能を統合するためには、高度なシステムレベルの洞察が必要になるからです。このリファレンスソリューションは、チップまわりだけでなく、システムレベル設計におけるルネサスの深い知見を活用することにより、開発の負担を軽減します。これによりお客様は、費用効率の高い方法で、早期に量産に向けた開発を行うことができます。」

 ルネサスは今後も、自動車産業のトレンドとともに進化する新しいソフトウェア機能を採用し、常に最新のソリューションを開発し、ラインアップを充実させていきます。

コクピット・リファレンスソリューションの詳細については、こちらをご覧ください。
https://www.renesas.com/solutions/automotive/car-information-system.html

ルネサスのR-Car M3 SoCの詳細については、こちらをご覧ください。
https://www.renesas.com/jp/ja/solutions/automotive/soc/r-car-m3.html

以 上

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