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R-Car用のハイパーバイザ開発を容易にする「R-Car仮想化サポートパッケージ」を提供開始

~統合コクピットやコネクテッドカーの開発加速に向けハイパーバイザの開発を支援~

2018年6月28日

 ルネサス エレクトロニクス株式会社(代表取締役社長兼CEO:呉 文精、以下ルネサス)は、このたび、車載用SoC(System on Chip)「R-Car」向けのハイパーバイザ開発を容易にする、「R-Car仮想化サポートパッケージ」を2018年7月から提供開始します。これは、統合コクピットやコネクテッドカーで必須となる、組み込み向けハイパーバイザを開発するソフトウェアベンダに向けて、R-Car用ハイパーバイザの開発ガイドドキュメントと、リファレンスとなるサンプルソフトウェアを無償で提供するものです。ハイパーバイザとは、LinuxやAndroidTM 、RTOS(Real Time Operating Sytem)などの複数のゲストOSを完全に独立させて1チップ上で動作できるようにする仮想化OSです。ルネサスは、2017年4月にR-Car用のハイパーバイザを発表しておりますが、今回の仮想化サポートパッケージは、R-Car用のハイパーバイザが、より多くのベンダから早期に提供されることを期待して開発しました。

 R-Car用のハイパーバイザがより多くリリースされれば、OEMやTier1各社は、ハイパーバイザの選択肢が広がり、その上で起動させるゲストOSとの組み合わせや、メータクラスタやクラウドサービスなどのシステムに応じて、最適なハイパーバイザを採用することが可能になります。これにより、統合コクピットシステムやコネクテッドカー開発のフレキシビリティが高まり、開発を加速させます。

 第三世代のR-Carはハイパーバイザが搭載されることを前提に設計されており、Arm® CPUコアや、グラフィックスコア、Video/Audio用IPなどには仮想化機能が搭載されています。従来、この機能を活かすためには、ソフトウェアベンダは、R-CarのハードウェアマニュアルおよびR-Carの仮想化機能を理解し、ハイパーバイザを実装する方法の検討から始める必要がありました。今回の仮想化サポートパッケージの開発ガイドに従えば、こうした機能を容易に活用できるだけでなく、R-Carの性能も十分引き出すことが可能です。また、リファレンスとなるサンプルソフトウェアも提供することにより、早期開発を支援します。

 Green Hills Software社、Asia-Pacific OperationsのVice PresidentであるMatthew Slager氏は、次のように述べています。「私たちはソフトウェア仮想化ソリューションを、さまざまなOEMの量産車に提供した実績があります。ルネサスとの協業によりR-Carに搭載したMultivisorのセキュアな仮想化とINTEGRITYリアルタイムOSは、OEMやTier1にすでに高く評価されています。今後もルネサスと共に、将来の先進の自動車に対して極めて厳しいOEMの要求に応えるため、LinuxやAdroidにも対応し、フレキシブルなプラットフォームを構築していきたいと思います。」

INTEGRITY® Multivisor™ for R-Car H3のデモ動画はこちらからご覧いただけます。

 OpenSynergy社のCEOであるStefaan Sonck Thiebaut氏は、次のように述べています。「OpenSynergyのCOQOS Hypervisor SDKは、ルネサスのR-Carの優れたハードウェア仮想化機能を最大限活かした、高効率なType1のハイパーバイザで、ディスプレイ共有といった重要な機能を実現します。COQOS Hypervisor SDKは、ASIL-Bの安全性が要求されるコクピット制御など、あらゆるユースケースに対応し、2019年までに量産に適用されるでしょう。」

 ルネサスは今後、ハイパーバイザーベンダを含むパートナ各社とエコシステムを拡大し、パイパーバイザとゲストOSを組み合わせた「仮想化パッケージ」の拡充を図る予定です。これにより、車載における仮想化の実用化をリードし、安心・安全なクルマ社会の実現に貢献してまいります。

以 上

*Green Hills SoftwareおよびINTEGRITY、INTEGRITY Multivisorは、米国、およびその他の国におけるGreen Hills Software, Inc.の商標または登録商標です。

*Android は Google Inc. の商標です。

*ArmはArm Limitedの登録商標または商標です。

*本リリース中の製品名やサービス名は全てそれぞれの所有者に属する商標または登録商標です。


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