ルネサスのAIユニットソリューション、GEヘルスケア・ジャパン日野工場にて生産性向上の実証実験に成功

【実験の概要】

　GEヘルスケア・ジャパン日野工場において、2017年8月から2018年6月まで、製造機械にAIユニットを取り付け、異常検知による不具合の早期発見や、不良品の低減効果に対する実証実験を行いました。具体的には、ルネサスのAIユニットの試作機に学習済みモデルを組み込み、製造機械に取り付けました。製造機械から出力される波形データを、極めて細かく計測することにより、従来は見えなかった加工の状態を把握できるようになりました。エンドポイントの製造機械側で正常・異常を判断し、異常検知の結果のみを送信するため、通信データ量を増やす必要もありませんでした。異常な波形を検知した際は、リアルタイムにアラームを出し、製造を一時停止します。これにより、不良品の発生を最大約65％削減し、大幅な生産性向上が可能であることを確認しました。

【今後】

　今回の実証実験で、異常を検知したら即座に製造を停止させることで不良品の発生を削減できる見込みを得たため、今後はAIユニットを量産用の製造機械に適用していく予定です。また、同工場では従来、GEデジタルがグローバルに提供する産業向けIoTプラットフォーム「Predix」を導入しており、今回、Predixに判定結果をアップロードして、機械の状態をクラウド側でもリアルタイムに共有できることを確認しました。今後、ルネサスのe-AIソリューションとPredixとの連携をさらに強化し、製造機械の長時間トレンドを分析するなど、さらなる生産性の向上に向けて協業していきます。

　GEヘルスケア・ジャパン日野工場の工場長、藤本康三郎氏は、次のように述べています。「工場で製造する医療機器は高価なものも多く、不良品の低減は常に大きな改善テーマのひとつです。その中でも、今回実験を行った製品では、これまで現場作業者の勘や経験などに頼って不良トラブルを検知していたのですが、ルネサスのAIユニットソリューションを適用した実験では、人に頼らない工程が実現でき、不良削減の効果の可能性が立証されたことに大変満足しており、今後も継続して取り組んでいきたいと考えています。たゆまぬ生産性の向上を通して、品質・納期・価格等の観点から、お客様へより良い価値を提供できるように努めてまいります。」

　ルネサスのIAソリューション事業部　事業部長の傳田 明は次のように述べています。「当社の那珂工場においては、既にAIユニットソリューションを半導体のエッチング工程に適用し、化学的な変化における異常検知や予知保全に成果を上げています。今回GEヘルスケア・ジャパン・日野工場と協業して、メカニカルに動く装置での実証実験を実施し、不良発生を検知できたことや、GEの産業向けIoTプラットフォームPredixとの連携が確認できたことは、大きな成果です。今後も各種e-AIソリューションを世界中の工場に広め、お客様の生産性向上に貢献してまいります。」

　ルネサスは、今後、既設の製造機械に後付けするタイプだけでなく、製造機械にあらかじめ組み込むタイプのe-AIソリューションも提案してまいります。ルネサスは、今後さらに、エンドポイントのインテリジェント化を加速するためにe-AIソリューションの拡充を図り、世界の工場のスマート化に貢献していきます。

以　上

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