メインコンテンツに移動

IoT機器に向けRAファミリを拡充、Arm Cortex-M33コア搭載RA6M5マイコングループを発売

~高度なセキュリティ機能に加えて豊富な通信インタフェースと大容量メモリを搭載~

2021年3月31日

 ルネサス エレクトロニクス株式会社(CEO: 柴田 英利、以下ルネサス)は、このたび、Arm®コア搭載32ビットマイコンRAファミリのRA6シリーズを拡充し、RA6M5マイコングループ20品種を発売、量産を開始しました。RA6M5はArm Cortex®-M33コアを搭載し、最大動作周波数は200MHzです。RAファミリの量産中ラインナップにおいて最上位に位置づけられるグループであり、高度なセキュリティ機能に加えて豊富な通信インタフェースと大容量メモリを搭載しました。RA6シリーズのメインストリームとして、ユーザの革新的なIoT機器開発を加速します。

 RA6M5は、インタフェースとしてCAN FD、DMA(Direct Memory Access)付きイーサネットコントローラ、USBフルスピード/ハイスピード、そして多様なシリアルインタフェースを複数備えています。これによりユーザはRA6M5を使用することにより、柔軟にデータ転送システムの設計をすることができます。

 RA6M5はまた、幅広いアプリケーションをサポートするために、最大2MB(メガバイト)のフラッシュメモリと512KB(キロバイト)のSRAM(うち64KBはECC付)を搭載しています。さらに、Octaメモリインタフェースを備えているため、メモリの拡張も容易です。RA6M5は、メモリブロックスワップ機能とセキュリティ機能により、安全なファームウェアの更新が可能です。元のファームウェアが動作中に、バックグラウンドで新しいファームウェアをフラッシュに書き込み、32KBのブロック単位で任意に新しいファームウェアに入れ替えることができます。

 RA6M5は、PSA Certified Level 2およびSESIP1認証を取得したルネサスのRA6M4と同様のセキュリティ機能とソフトウェアサポートを提供します。Arm TrustZone®テクノロジに加えて、ルネサス独自の暗号エンジンSecure Crypto Engineにより、複数の対称・非対称暗号アクセラレータ、高度な鍵の管理、セキュリティライフサイクル管理、改ざん検知、およびサイドチャネル攻撃への強い耐性など、優れたセキュリティ機能を実現します。これによりユーザは、外付けのセキュアエレメントを不要とするなどBOMコストを削減しながら、あらゆるIoT設計においてセキュアな機能を実現できます。

 ルネサスのIoT・インフラ事業本部のSenior Vice PresidentであるRoger Wendelkenは次のように述べています。「RA6M5グループには最大限のインタフェースを搭載したことにより、お客様は様々なIoTアプリケーションに対応した多様な方法で柔軟にデータ共有をすることができます。さらに、豊富なメモリと業界をリードするセキュリティ機能を備えており、IoT機器設計の要となるデバイスだと言えるでしょう。」

RA6M5グループの主な特長

  • アクティブモードで107µA/MHzの低消費電力(フラッシュメモリからのCoreMarkアルゴリズムの実行時)、スタンバイからの30µ秒の高速ウェイクアップタイム
  • 最大動作周波数200 MHz のArm Cortex-M33コアを搭載、TrustZoneテクノロジに対応
  • ルネサス独自の暗号エンジンSecure Crypto Engine搭載
  • 100ピン、144ピン、176ピンのLQFPパッケージ、ならびに176ピンBGAを用意
  • 1MB、1.5MB、2MBのフラッシュメモリと、512KのSRAM(うち64KBはECC付き)を内蔵
  • 静電容量式タッチキー搭載
  • バックグランドオペレーション(BGO)とメモリブロックスワップ機能に対応
  • CAN FD対応品とCANのみ対応品を用意
  • DMA(Direct Memory Access)付きイーサネットコントローラ
  • USB 2.0 フルスピート/ハイスピード
  • A/Dコンターバータ×2
  • Quad SPI およびOctaメモリインタフェース
  • SDHI、SCI、SSIE、SPI、HDMI-CEC、IICの多様なシリアルインタフェス

 RA6M5を使用した機器の開発には、他のRAファミリと同様、ルネサスが提供するFlexible Software Package(FSP)を用いることができます。FSPには高性能かつ省メモリのドライバや、ミドルウェア、リアルタイムOSが含まれています。直感的なユーザインタフェースを用いた開発により、ユーザは機器の開発期間の短縮や古いマイコンからのコード移植も容易に実現できます。そしてもちろん、Armの広範なエコシステムパートナのソリューションも使用することが可能です。

 今回、DTSインサイト社のエミュレータadviceXrossがRA6M5に対応し、その進化した操作性と多くの機能により、ユーザに優れたデバッグ体験を提供します。またアルファプロジェクト社は、評価にも使用でき小中規模の量産にも組み込み可能なRA6M5搭載の小型ボードAP-RA6M-1Aを提供します。今後も多くのパートナがRA6M5の開発ツールや魅力的なソリューションを提供する予定です。

 また、ルネサスは、ユーザの開発を加速させるため、RA6M5とアナログ、パワー製品を最適に組み合わせたソリューション「ウィニングコンビネーション」を、今後、順次リリースします。例えば、RA6シリーズのRA6M1とパワー製品やフォトカプラを組み合わせて音声による機器制御を可能にする「音声認識 & スマート制御」ソリューションなど、すでに200以上のソリューションを提案しています。

RA6M5の詳細については、こちらをご覧ください。
www.renesas.com/ra6m5

以 上

*Arm、Arm Cortexおよび Arm TrustZoneは、EUとその他諸国におけるArm Limitedの商標または登録商標です。CoreMarkはEmbedded Microprocessor Benchmark Consortiumの登録商標です。本リリース中の製品名やサービス名は全てそれぞれの所有者に属する商標または登録商標です。


ニュースリリースに掲載されている情報(製品価格、仕様等を含む)は、発表日現在の情報です。 その後予告なしに変更されることがございますので、あらかじめご承知ください。

この記事をシェアする