ルネサス エレクトロニクス株式会社(代表取締役社長兼CEO:柴田 英利、以下ルネサス)は、このたび、高精細HMI(Human Machine Interface)と高速起動の両立を実現するマイクロプロセッサ(MPU)「RZ/A3UL」を発売、量産を開始しました。新製品によりユーザは、リアルタイム性に優れるRTOS(リアルタイムオペレーティングシステム)の利点を生かしながら、最大動作周波数1GHzの64ビットArm® Cortex®-A55コア搭載による高性能化が可能になります。RTOSは高速起動が可能なため、産業機器や家電、OA機器の液晶ディスプレイや操作パネル、音響機器やPOS端末などにおいて、電源投入後1秒未満での高速起動を容易に実現します。
RZ/A3ULは、シンプルでコンパクトな基板設計が可能なOctal-SPIメモリインタフェース(I/F)(注1)を搭載しました。加えて、高速DRAMを接続できるよう、DDR3L/DDR4メモリI/Fを搭載した製品もラインアップしました。RZ/A3ULのDDR3L/DDR4メモリI/FはOctal-SPIメモリI/Fの約10倍のデータ転送性能を持つため、HD(1280x720)クラスのディスプレイ表示に加えて、カメラ入力や各種センサを活用するなど、インタラクティブで、より高度なHMIを実現することが可能です。
RZ/A3UL は、業界をリードする2大RTOS である、FreeRTOSとAzure RTOSをサポートします。特にルネサスはRZファミリにおけるAzure RTOSのライセンスプロバイダとなっているため、ユーザは高機能なAzure RTOSをGitHubからダウンロードするだけで容易に利用可能です。またルネサスは、FreeRTOSとHALドライバを含むフレキシブルソフトウェアパッケージをリファレンスとして提供します。さらに、両RTOS用の豊富なミドルウェアを活用することにより、さらなる開発期間の短縮と低コスト化が可能です。
ルネサスのエンタープライズ・インフラ・ソリューション事業部、事業部長の加藤茂樹は次のように述べています。「RTOSを利用されているお客様からは、リアルタイム性が高く高速起動が可能という特長はそのままに、さらに解像度や性能を上げたいという要望を非常に多くいただきます。RZ/A3ULにより、製品の性能を上げながら、マイコン並みの使い勝手の良さを実感していただけると確信しています。」
マイクロソフトのAzure IoT, Light EdgeのVice President兼General ManagerであるMoe Tanabian氏は次のように述べています。「RZ/A3ULのような高性能MPUとAzure RTOSのリアルタイム性を組み合わせることで、お客様の機器の性能向上に直接貢献することができます。」
さらにRZ/A3ULは、LinuxベースのHMIを実現するCortex-A55コア搭載のRZ/G2UL、およびRISC-Vコアを搭載したRZ/Fiveとの間で周辺機能やパッケージに互換性があります。同じ基板設計を利用し、チップを置き換えるだけで異なる製品としての展開も可能となります。これにより、RTOSを搭載した製品からLinuxベースの製品への移行が容易になるなど、複数モデルへの展開を効率的に行うことができます。
RZ/A3ULのウィニング・コンビネーション
RZ/A3ULを使用したウィニング・コンビネーションとして、SMARC 2.1準拠モジュール「RTOSベースのRZ/A3UL HMI SMARC SOM」ソリューションを提供します。本モジュールには、パワーマネジメントIC「DA9062」、プログラマブルクロックジェネレータ「5P35023」、フラッシュメモリ「AT25QL128A」、システムリセットなど各種周辺機能を実装したGreenPAK「SLG46538」などを搭載しており、RZ/A3ULの評価だけでなく、リファレンスデザインとして活用することにより、開発期間の短縮につながります。ルネサスは、この他にも、ユーザの設計を加速させ、より早く市場に投入できるよう、ルネサス製品のポートフォリオを組み合わせた300種類以上のウィニング・コンビネーションを提供しています。詳しくは、こちらからご覧ください。https://www.renesas.com/win
RZ/A3ULの詳細はこちらをご覧ください。
https://www.renesas.com/rza3ul
以 上
(注1)Octal-SPIメモリインタフェースとして、RZ/A3ULはMacronixシリアルマルチI/O(MXSMIO®)Octaペリフェラルインタフェース(OPI)をサポートします。
*Armは、EUとその他諸国におけるArm Limitedの商標または登録商標です。本リリース中の製品名やサービス名は全てそれぞれの所有者に属する商標または登録商標です。
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