ルネサス エレクトロニクス株式会社(本社:東京都江東区、代表取締役社長兼CEO:柴田 英利、以下、 ルネサス)は、Wi-FiソリューションプロバイダーであるCeleno Communications (Founder, President & CEO : Gilad Rozen、以下、Celeno社)と、ルネサスがCeleno社を総額約315百万米ドル(1米ドル114円換算で約 359 億円)で現金による買収(以下、本件買収)を行う合併契約を本日締結しました。本件買収は、両社の取締役会にて全会一致で可決されており、合併契約に定める一般的な前提条件が充足されることを条件として、2021年末までに本件買収を完了する見込みです。また、買収対価は、合併契約に定める特定のマイルストーンに沿って段階的に支払われる予定です。本件買収により、ルネサスは、業界優位性の高いCeleno社のWi-Fi技術および関連ソフトウェアを獲得し、コネクティビティのポートフォリオを大幅に拡充することとなります。
Celeno社は、イスラエルに本社機能を置くアナログ半導体企業で、ホームネットワーク、スマートビルディング、通信、産業分野向けに、先端Wi-Fiチップセット/ソフトウェアなど幅広い無線通信技術を提供しています。特に、Wi-Fi 6/6E向けのチップセットは業界最小を誇り、セキュリティを担保しながら、高速のWi-Fi通信を低遅延かつ低電力で可能としています。また、Celeno社のWi-Fi Doppler Imaging technologyは、Wi-Fiに高解像度画像技術を組み合わせた、家庭での高齢者の見守りやホームセキュリティ、自動車の安全運転、ネットワーク化した工場の稼働などに最適な革新的な技術です。Wi-Fi通信下で、複数のカメラやセンサを家庭内や商業ビル内に配備することなく、人物や物体の動きや位置などを捉えて追跡・分析を行うことができます。一方、ルネサスは世界トップの組み込みプロセッサプロバイダーとして、低電力のMCU/MPU/SoCや無線IC、センサ、パワーマネジメント技術など幅広い製品ラインアップを有しています。同ラインアップに対し、Celeno社の実績あるWi-Fiチップセット/ソフトウェア技術は補完性が高く、網羅的なエンドツーエンドのソリューションを構築します。これにより、ルネサスは、IoT、インフラ、産業、自動車分野のアプリケーション向けとして需要が高まる低電力のコネクティビティ技術を提供してまいります。
本件買収により、ソリューション提供力の拡充に加え、Celeno社のイスラエルの設計拠点が加わり、イスラエル、ウクライナ、インド、中国、台湾などを拠点とするR&D人材もルネサスに迎え入れることができ、ルネサスの設計開発/エンジニアリング力を強化できます。グローバルのR&D人材増強により、世界中のお客様に対し、より充実したサービスをシームレスに提供可能となります。
本件買収にあたり、ルネサスの代表取締役社長兼CEOの柴田 英利は、次のように述べています。
「本件買収は、エレクトロニクス製品/システムの性能を上げ、効率化を図っていくというルネサスの従前からのコミットメントを明確に示すものです。昨今のDialog社の買収を経て、コネクティビティのポートフォリオを広げましたが、本件買収によりルネサスは最新のWi-Fi技術も同ポートフォリオに加えました。同技術は、クライアント側、アクセスポイント側双方にエンドツーエンドのコネクティビティソリューションをもたらします。コネクテッド化が進む今日の世界において、コネクティビティへのニーズ増により拡大する成長機会を享受する上で、ルネサスは最適なポジションを確保できます。」
Celeno社のPresident and CEOのGilad Rozenは、次のように述べています。
「本件買収は、Celeno社のお客様および従業員の双方にとって、非常に魅力的な話であると考えています。Celeno社のコネクティビティのこれまでの知見・強みと、ルネサスの業界をリードする組み込みソリューションのポートフォリオを組み合わせることで、私たちが狙う新たな成長分野を共に切り拓いていけます。さらに、ルネサスの幅広い顧客基盤にCeleno社の製品を拡販することで、新たな市場への参入が可能となります。」
<留意事項>
この文書は、「Celeno社を買収し、コネクティビティのポートフォリオを拡充」について一般に公表するための記者発表文であり、日本国内外を問わず、投資勧誘又はそれに類する行為を目的として作成されたものではありません。また、この文書は、米国における証券の募集又は販売を構成するものではありません。米国内においては、1933年米国証券法に基づいて証券の登録を行うか又は登録義務からの適用除外を受ける場合を除き、証券の募集又は販売を行うことはできません。
<将来予測に関する注意事項>
本資料に記載されているルネサス エレクトロニクスグループの計画、戦略および業績見通しは、現時点で入手可能な情報に基づきルネサス エレクトロニクスグループが判断しており、潜在的なリスクや不確実性が含まれております。そのため、実際の業績等は、様々な要因により、これら見通し等とは大きく異なる結果となりうることをあらかじめご承知願います。実際の業績等に影響を与えうる重要な要因としては、(1)ルネサス エレクトロニクスグループの事業領域を取り巻く日本、北米、アジア、欧州等の経済情勢、(2)市場におけるルネサス エレクトロニクスのグループ製品、サービスに対する需要動向や競争激化による価格下落圧力、(3)激しい競争にさらされた市場においてルネサス エレクトロニクスグループが引き続き顧客に受け入れられる製品、サービスを供給し続けていくことができる能力、(4)為替レート(特に米ドルと円との為替レート)の変動等がありますが、これら以外にも様々な要因がありえます。また、世界経済の悪化、世界の金融情勢の悪化、国内外の株式市場の低迷等により、実際の業績等が当初の見通しと異なる結果となる可能性もあります。
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