2010年5月18日

 ルネサス エレクトロニクス株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:赤尾 泰)はこのたび、海外安全規格に要求される8ミリメートル(mm)の長沿面距離を実現しつつ小型・薄型パッケージに封入したフォトカプラ「PS2381-1」を製品化し、このほど量産を開始いたしました。

 新製品は、4ピンLSOP(Long Small Outline Package)と呼ばれるパッケージに封入されており、パッケージ表面に沿った発光側端子と受光側端子との間の最短距離である沿面距離8mm、パッケージ内部で絶縁されている発光素子と受光素子との間の最短距離である絶縁物厚0.4mmを実現し、かつパッケージの厚みを2.3mmと、従来の4ピンDIP(Dual Inline Package)と比べて40%削減していることが最大の特長となっております。また、動作周囲温度を115度まで拡大していること、従来パッケージである4ピンDIPで保証している絶縁耐圧5000ボルト(Vr.m.s)を保証できるといった特長も有しております。

 新製品のサンプル価格は50円/個、2010年夏以降は月産2百万個の量産を計画しております。

 フォトカプラは、入力側に電気信号を光へ変換する発光ダイオード(発光素子)と、出力側に光を電気信号へ変換する受光素子をひとつのパッケージに封入しており、信号の伝達を光で行うため入力側と出力側が電気的には完全に絶縁される仕組みをもつ半導体です。入力側と出力側の電気的絶縁やノイズカットなど電子機器間の回路を保護することを目的として、ゲーム機の電源や携帯電話の充電器、OA/FA機器や家電製品などの各種電源に搭載されています。

 なかでもゲーム機の電源や携帯電話の充電器などのバッテリーチャージャーには近年、小型・薄型化が求められていることから、ユーザーからはフォトカプラをはじめとする各種電子部品についても小型・薄型化への要望が高まっております。

 しかしながら、パッケージを小型・薄型にすると、海外安全規格で要求される沿面距離や絶縁距離といった電気的安全性を確保できないという課題がありました。

 新製品は、受光素子が発光素子から受ける光の強度である電流伝達率を維持するために受光素子のサイズを最適化するとともに、発光-受光素子間の距離を離した構造を採用することにより、これらの課題を克服しました。また、リードフレームと呼ばれる、パッケージと基板を接続する端子の材料と形状を最適化することで動作周囲温度を115度まで拡張し、既存のフォトカプラ製品に採用中の高信頼性を実現した二重モールド構造を適用することで5000Vr.m.sまでの絶縁耐圧の保証を実現しました。これらにより、新製品はユーザーのシステムの安全設計と小型・薄型化および容易なシステム設計に貢献します。

 新製品の主な特長は、次のとおりとなっております。

(1)従来品からパッケージの厚みを40%削減し、薄型化を実現

電流伝達率維持のため受光素子のサイズを最適化するとともに、発光-受光素子間の距離を離した構造の採用により、沿面距離8mmおよび絶縁物厚0.4mm を実現しつつ、パッケージの厚みを2.3mmと、従来の4ピンDIPと比べて40%削減している。これによりユーザーは、海外の各種安全規格に対応した、 より小型・薄型なシステムの設計が可能になる。

(2)4ピンLSOPでは、業界で初めて動作周囲温度を115度まで拡大

リードフレーム材料を見直し、パッケージの熱抵抗を下げて放熱性を向上させているため、小型・薄型パッケージの4ピンLSOPにも関わらず動作周囲温度を115度まで拡大している。これによりユーザーは、放熱設計が困難な小型・薄型システムの実現が容易になる。

(3)4ピンLSOPでは、業界トップクラスの絶縁耐圧5000Vr.m.sを実現

既存のフォトカプラ製品に採用中の高信頼性を実現した二重モールド構造を適用し、フォトカプラの電流伝達率を維持しつ つ、発光素子と受光素子の絶縁距離を確保することで業界トップクラスの絶縁耐圧 5000Vr.m.sを実現している。これによりユーザーは、従来の4ピンDIP品と同様のシステム設計が容易になる。

 当社は、新製品がゲーム機の電源や携帯電話の充電器などのバッテリーチャージャー用途を初め、各種FA/OA機器の小型・薄型化に貢献するものと位置づけ、国内はもちろん、海外に向けて積極的な販売活動を展開してまいります。新製品の主な仕様は別紙をご参照ください。

以 上

新製品の主な仕様は別紙をご参照下さい。


ニュースリリースに掲載されている情報(製品価格、仕様等を含む)は、発表日現在の情報です。 その後予告なしに変更されることがございますので、あらかじめご承知ください。

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