産業用バッテリ駆動アプリケーションの双方向同期型バックブースト・コントローラを発表

　ルネサス エレクトロニクス株式会社（代表取締役社長兼CEO:呉　文精、以下ルネサス）は、このたび、革新的な双方向4スイッチ同期型バックブースト・コントローラのファミリを新たに発表しました。「ISL81601」と「ISL81401」は、昇圧／降圧モードのどちらにおいても両端でピーク電流を検出し、サイクルごとに両方向への電流制限を実現できる業界唯一の双方向コントローラです。本コントローラはピーク効率最大99％でポイント・オブ・ロード（POL）および電圧レール変換を行います。ISL81601の入力電圧は4.5Vから60Vまで幅広く、0.8Vから60Vの出力を生成することで、12V、24V、36V、48Vのほとんどの産業用バッテリに対応します。また、入力電圧4.5V から40V、出力電圧が0.8Vから40VのISL81401と、単方向バージョンの「ISL81401A」もラインアップしています。新たなコントローラは、DCバックアップ電源やバッテリ駆動の医療機器、産業機器、通信機器に最適です。

　ISL81601とISL81401は双方向のピーク電流検出機能を搭載したことで、負荷に電力を供給するためのバッテリの充電と放電のための複雑な外部回路が不要となりました。両モデルに使用されている独自のアルゴリズムにより、昇圧モードと降圧モード、そして昇降圧モードのスムーズなモード遷移が可能になり、またVoutでの低周波数リップルを軽減することで、ラインや負荷の過渡電圧時の障害を最小限に抑えます。またこのアルゴリズムではあらゆる条件下で確実にリップル電圧を推定できます。さらに多層の過電流保護と精度管理アルゴリズムの追加により、Voutで最低0.1Vまでの精度で定電流を供給し、信頼性の高いオペレーションを可能にします。設計時には、制限なく複数のコントローラを並列に接続することでシステム電源を簡単に拡張することが可能です。ISL81601とISL8401は、電力損失を最小限にし、より高い効率を実現するため2スイッチで動作します。

　ルネサスエレクトロニクスのインダストリアルＡ＆Ｐ事業部、事業部長のPhilip Chesleyは次のように述べています。「新型双方向バックブースト・コントローラでは余分な検出回路が不要で、バッテリを健全に保つ堅牢な機能および卓越した電力活用をお客様に提供します。ルネサス独自の変調スキームとアルゴリズムを活用することで、より高度に統合されたISL81601、ISL81401、およびISL81401Aでは、バッテリ駆動機器に要求される高い信頼性パフォーマンスを達成することができます。」