概要
説明
Civil Infrastructure Platform™ Project(CIP™プロジェクト)とは?
「The Linux Foundation が主導し、世界の主要な社会インフラ システム メーカーが推進する Civil Infrastructure Platform (CIP) プロジェクトは、現代の社会インフラの要件を満たすLinux ベースの組込みシステムを構築するために必要なベース レイヤ (base layer) を提供することを目指しています。ベース レイヤとは、産業用グレードのコア オープ ン ソース ソフトウェア コンポーネント、ツール、およびメソッドです。」(CIP ホワイトペーパー 日本語版 より 引用)
CIPプロジェクトの詳細については、CIPプロジェクトのウェブサイト もご参照ください。
CIPプロジェクトの特徴
1. 10年超の超長期サポートカーネルを提供
従来、Long-Term Support (LTS) カーネルのサポート期間は約2年でしたが、 CIPプロジェクトの提供する Super Long Term Support (SLTS) は10年を超える長期サポートを予定しています。
これにより、ユーザはLinuxカーネルのメンテナンスに費やすコストを削減でき、かつ信頼性の高い、産業グレードのLinuxカーネルを製品に導入することができます。
CIPコミュニティは現在v4.4、v4.19およびv5.10のLTSカーネルをベースとした3つのSuper Long-Term Support (SLTS) Linuxカーネルをサポートしています。各カーネルに対し、10年を超えてセキュリティやバグの修正メンテナンスが継続される予定です。
2. リアルタイム性実現に向けた活動
「リアルタイム性: 産業分野には自動化や制御タスクが多く、確定的なレスポンス タイムが求められます。CIP は個別のソリューションを開発するのではなく、従来のアプローチで拡張版リアルタイム Linux を実現するための協業の確約やスポンサーシップの提供を行います。」(CIP ホワイトペーパー 日本語版 より 引用)
3. カーネル自動テスト環境を提供
「セーフティクリティカルなシステムを安全にするため、社会インフラ産業は高い安定性・信頼性とセキュリティに関する基準を持ちます。この実情に対して、"CIP testing"と題したプロジェクトを運営しています。現在はCIPカーネルのテストに注力していますが、将来的にはCIPプラットフォーム全体のテストに拡張する予定です。」
(CIP Wiki を翻訳の上引用)
CIPプロジェクトは、GitLab CI/CDやLAVAを活用した自動テスト環境を提供しています。詳細はCIP Wikiをご確認ください。
LAVAは、自動的にOSを物理または仮想マシンにデプロイしてテストする、継続的インテグレーションの実行環境です。https://lavasoftware.org/
GitLabは、バージョンコントロール、問題追跡、コードレビュー、CI/CDなどのたくさんの機能を統合した開発プラットフォームです。https://gitlab.com/
ルネサスは2017年2月よりプラチナメンバーとしてCIPプロジェクトに参画してきました。
ルネサスはRZシリーズ向けVerified Linux Packageの開発を通じてCIPの活動に貢献しています。多くのパッチがUpstreamカーネルに投稿され、さらにCIPカーネルへとバックポートされています。また、ルネサスが提供している自動テスト環境がCIPのリファレンスプラットフォームのテストに使用されています。ルネサスのイギリス拠点に設置されたテスト環境では、Linux Foundation傘下のKernel CIプロジェクトとコラボしたカーネルテストも行われています。
本WebサイトのLinuxパッケージのページから、CIPが提供するSLTSカーネルである CIP 4.4、4.19および5.10 を含む"Verified Linux Package"を入手し、リファレンスボードおよび各パートナー製ボード上で使用頂けます。