ルネサス エレクトロニクス株式会社(代表取締役社長兼CEO: 柴田 英利、以下ルネサス)は、このたび、産業ネットワーク機器に向けて、産業オープンネットワーク規格ASi-5(Actuator Sensor Interfaceバージョン5)を完全実装できる、業界初のASSP(Application Specific Standard Product)「ASI4U-V5」を開発しました。ASi-5規格は、最速1.2ミリ秒サイクルの通信頻度、一つのマスタ機器に対し96個までスレーブ機器を接続可能、200mまでケーブルを伸長可能、さらに、OFDM (Orthogonal Frequency Division Multiplexing)技術による帯域幅の拡大、自己故障診断機能の強化による高い堅牢性を実現しておりASi-3よりも優れたパフォーマンスと使いやすさを提供します。ASI4U-V5は既にASiコンソーシアムで動作、接続検証済みのため、センサやアクチュエータをはじめとした産業機器を、コスト効率良くフィールドバスに接続でき、容易にシステム構築が可能です。
「ASI4U-V5」はサンプル出荷を開始しており、量産は2020年3月に開始する予定です。 ルネサスは、2019年11月26日から28日までドイツのニュルンベルクで開催されるSPSフェアのブース110(Hall 10.1)にて、デモンストレーションを出展します。
ASI4U-V5用に、ルネサスは検証済みのファームウェアも提供します。これにより、ASi-5の実装に伴う複雑さを低減し、ユーザにとっての設計リスクを最小限に抑えることができます。ASI4U-V5はASi-3対応デバイスとの完全な下位互換性もあります。またライン型、スター型、ツリー型などすべてのネットワークトポロジーに対応しているため、ユーザは、IO-LinkやHARTなど他の産業用プロトコルと容易に統合することも可能です。
ルネサスのインダストリアルオートメーション事業部、シニアダイレクターであるNiels Trappは次のように述べています。「工場や製造設備にデジタル変革の波が押し寄せている現在、ASi-5インタフェースは、接続されている何百万もの産業用エンドポイントデバイスのデジタル化を後押しします。ルネサスはASi-5コンソーシアムのメンバ企業と緊密に協力し、初のASi-5対応半導体を発売できることを大変喜ばしく思います。このソリューションは、より大容量のデータをより高速に送信することができ、ますます産業用IoTに欠かせないものとなりつつあるスマートセンサを効率良くシステムへ組み込むことを可能にします。」
ルネサスASI4U-V5 ASSPの主な特長
- 最大96台のデバイスを統合可能。ASi-3のサイクルタイムが5ミリ秒であるのに対して、ジッタを10ナノ秒未満に抑えてサイクルタイムは1.2ミリ秒まで短縮
- 1トランスポートチャネルあたり最長200mのケーブルと16データビットをサポート
- インダストリー4.0アプリケーション向けの診断とイベントハンドリング
- ASi-3デバイスとの下位互換性
- 電磁妨害要因に対する優れた堅牢性
- 動作、接続検証を完了したファームウェアにより、チップのさらなるプログラミングは不要
ルネサスは、産業用ネットワーク製品に注力しています。ネットワークプロセッサのRZ/NおよびR-IN32Mシリーズ、TPS-1、またASi-3に対応したIDTのASI4UやSAP5デバイスに、今回、新製品ASI4U-V5がラインアップに加わったことにより、ルネサスの産業用ネットワークポートフォリオがさらに拡大しました。
ASI4U-V5 ASSPの詳細については、こちらをご覧ください。
https://www.renesas.com/products/interface/industrial-network-transceivers/asi4u-v5.html
以 上
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