ルネサス エレクトロニクス株式会社(代表取締役社長兼CEO:柴田 英利、以下ルネサス)は、このたび、屋外空気質(Outdoor Air Quality : OAQ)センサプラットフォーム「ZMOD4510」を拡充し、超低消費電力なオゾン検知特化型ファームウェアをリリースしました。防水・防塵性能の規格であるIP67規格に対応する防水パッケージ品もラインナップに加え、量産を開始しました。新ファームウェアは、AIを活用したアルゴリズムの採用により、オゾンガスのみを選択的に測定することができます。ZMOD4510と新ファームウェアを組み合わせると、200µW以下の超低消費電力で動作するため、バッテリ駆動の機器での使用にも適しています。これらにより、スマートウォッチやスマートフォン、ガス探知機など、小型のモバイル機器で手軽に空気質の測定が可能となります。
高濃度のオゾンガスは、空気環境を悪くし、健康リスクをもたらす重大な原因となっており、アメリカ合衆国環境保護庁(EPA)のAir Quality Index (AQI)をはじめ、各国や地域でさまざまな空気質指標に用いられています。今回、低消費電力化を図り、防水パッケージ品を追加したことにより、身の回りのモバイル機器へ手軽に搭載が可能となり、空気質測定機能の普及を加速します。
ルネサスのルネサスのIoT・インフラ事業本部のセンシングソリューション担当のSenior DirectorであるUwe Guentherは次のように述べています。「屋外の空気質レベルは、街の通りごと、あるいは同じ通りの反対側でさえ劇的に変わる可能性があるため、測定する場所が重要です。ZMOD4510は、高精度なセンシング機能、超小型サイズ、および長いバッテリ寿命を実現しているため、スマートウォッチやスマートフォンに、身の回りの空気質を測定して表示させる機能を付加できます。」
ZMOD4510は、室内空気質センサプラットフォームZMOD4410と同様に、ハードウェアの更新無しにファームウェアの更新で機能の更新・アップデートが可能なため、スマートセンシングシステムの設計の柔軟性を向上させます。フィールドでのファームウェアのアップデートが可能なため、オゾンに特化したガス検出など、アプリケーションに特化した新しい機能を実現することができます。
ZMOD4510は、20ppb(= 0.02 ppm)という低濃度のオゾンレベルから測定可能です。これにより、セキュリティカメラやパーキングメータなどの産業用アプリケーションにも適しています。また、IP67規格に準拠した新しい防水パッケージは、3mm x 3mm x 0.9mmの小さなLGAパッケージで、疎水性と疎油性を兼ね備えているため、回路基板にコンフォーマルコーティング(注1)を施すだけで防水モジュールを作ることができます。
ルネサスの空気質センサ製品は、様々なアプリケーションに付加することにより、システムを差異化し、付加価値を向上させることができます。例えば、スマート照明のための新しいウィニングコンビネーションである「空気質センサ付きビルディングオートメーション照明」は、照明に空気質センサを付加するという提案です。今後、ZMOD4510センサは、ウェアラブル機器に空気質センサを付加するという新たな付加価値をもたらします。ルネサスのウィニングコンビネーションは、ルネサスの相互に動作するデバイスで構成されており、ユーザの設計を加速し、市場への投入を早めることができます。ルネサスは、200種類以上のウィニングコンビネーションを提案しています。詳しくはこちらをご覧ください。renesas.com/win
ZMOD4510は、アメリカ合衆国環境保護庁(EPA)のオゾン測定用大気質指標に合わせてキャリブレーションされています。不具合の原因となるガス物質のシロキサンに対しても高い耐性を有しているため、過酷な用途での使用に高い信頼性を発揮します。
ZMOD4510は、屋外の空気質センサとしての用途のみならず、屋内での使用も可能です。例えば、室内をオゾンで除菌するオゾン発生器と組み合わせて使用することで、空間除菌後のオゾン排気レベルが測定できるなど、コロナ禍における新しいアプリケーションへも応用可能です。
低消費電力かつ防水パッケージのZMOD4510センサの詳細はこちらからご覧ください。
www.renesas.com/zmod4510
以 上
(注1)薄いポリマー層を塗布すること
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