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AI処理を向上させる最新Arm Cortex-A55コア搭載の汎用64ビットMPU、「RZ/G2L」、「RZ/G2LC」、「RZ/G2UL」を発売

~エントリークラスMPUを追加し、RZ/G2は7種の幅広いラインアップに拡充~

2021年1月19日

 ルネサス エレクトロニクス株式会社(CEO:柴田 英利、以下ルネサス)は、このたび、汎用64ビットMPU(Micro Processor Unit)「RZ/G2」のラインアップを拡充し、最新のArm® Cortex®-A55コアを搭載したエントリークラスMPU、3種「RZ/G2L」、「RZ/G2LC」、「RZ/G2UL」を発売します。これにより「RZ/G2」は、既存のミドルレンジからハイエンド向けMPU「RZ/G2E」、「RZ/G2N」、「RZ/G2M」、「RZ/G2H」を含む7種のラインアップとなります。新製品は、従来のCortex-A53に比べて約20%処理性能が向上し、AIに必要な処理を約6倍高速に処理できるCortex-A55の搭載に加えて、カメラ入力、3Dグラフィックスエンジン、ビデオコーデックなどを搭載しています。これにより、HMI機器におけるマルチメディア処理やGUI描画、AI画像処理などの高度な機能を、コスト効率よく実現します。さらに、Cortex-M33も搭載しているため、センサデータの収集などのリアルタイム処理も外付けのマイコンが不要となり、システム全体のコストを低減します。新製品は、本日よりサンプル出荷を開始し、2021年8月以降、順次、量産を開始します。

 Armのオートモーティブ/IoT事業部門シニア・バイスプレジデント兼ジェネラルマネージャーであるディプティ・ヴァチャーニ(Dipti Vachani)氏は、次のように述べています。「AIが私たちの日常生活に変革をもたらす中、数十億個にものぼるエンドポイントのIoT機器からリアルアイムの洞察を得るためには、より優れたオンデバイスでのコンピューティング能力が必要とされます。Armテクノロジーを採用したルネサスの最新64ビットMPUにより、よりインテリジェントで高性能なIoT機器が実現し、エンドポイントAIの進展に貢献できることを期待しています。」

 ルネサスのIoT・インフラ事業本部 SoCビジネス担当の執行役員である新田 啓人は次のように述べています。「グラフィカルなHMIやAI処理のために64ビットMPUの活用が広まり、高性能なMPUをより手軽に使用したいというニーズが高まっています。ルネサスが今回、エントリークラスのRZ/G2を提供することにより、システム全体のコストを低減しながら、高性能MPUによるLinux OSの採用も加速し、HMI機器の高性能化、高機能化に革新がもたらされると確信しています。」
 

 新製品は、RZ/Gシリーズのコンセプトを継承し、エントリークラスながら内蔵メモリと外付けDDRメモリの誤り検出・訂正(ECC:Error Checking and Correction)機能を搭載しました。また、10年以上のメンテナンスが保証されている産業グレードLinuxであるCivil Infrastructure Platform Linuxをベースとした動作検証済みのVerified Linux Package(VLP)を提供するため、将来のLinuxのメンテナンスコストを大幅に低減します。さらに、セキュリティ機能もサポートしているため、ユーザは高い信頼性と長期使用が求められる産業用途にも、安心してRZ/G2Lグループを採用し、いち早く市場へ製品を投入すること可能です。

 将来的に、より高度なAI機能が必要になる場合を想定して、RZ/G2Lの機能と性能にルネサス独自のAIアクセラレータであるDRP-AIを搭載した製品も計画しています。ピンの互換性はもちろん、ソフトウェアの再利用性を高め、ユーザ製品のラインアップ展開における開発負荷の軽減を図る予定です。

RZ/G2Lグループの主な特長

  • 64ビットCPUコアCortex-A55とCoretex-M33を搭載
    • RZ/G2L、RZ/G2LC: Cortex-A55(1.2GHz)デュアルまたはシングルと、Coretex-M33
    • RZ/G2UL: Cortex-A55(1.0GHz)シングルと、Coretex-M33(オプション)
  • 3Dグラフィックス機能(Arm Mali™-G31 GPU)を搭載 (RZ/G2L、RZ/G2LC)
  • ビデオコーデック(H.264)を搭載 (RZ/G2L)
  • CANインタフェースは、より高速なCAN-FDをサポート (RZ/G2L、RZ/G2LC、RZ/G2UL)
  • ギガビットイーサネットを搭載 (RZ/G2L、RZ/G2ULは2ch、RZ/G2LCは1ch搭載)
  • メモリの誤り検出・訂正(ECC)機能を搭載 (RZ/G2L、RZ/G2LC、RZ/G2UL)
  • DDR4/DDR3Lの外部メモリインタフェースに対応 (RZ/G2L、RZ/G2LC、RZ/G2UL)
  • 13mm角(RZ/G2LC、RZ/G2UL)、15mm角(RZ/G2L)、21mm角(RZ/G2L)のBGAパッケージ

 また、ルネサスは、早期開発を支援するため、ルネサスの包括的なソリューションである「ウイニングコンビネーション」としてユーザのユースケースにフレキシブルに対応可能な電源回路のリファレンスデザインを提供します。さらに、RZ/G2Lグループに最適化したPMIC(Power Management IC)を開発しており、2021年後半から提供を開始する予定です。

 RZ/G2Lグループの早期評価が可能となる評価ボードについても、本日より予約の受付を開始します。評価ボードのリファレンスデザイン(回路図、ボードレイアウトデータ)については、本日より提供可能です。

RZ/G2Lグループの各製品の詳細はこちらをご覧ください。
RZ/G2L: https://www.renesas.com/rzg2l
RZ/G2LC: https://www.renesas.com/rzg2lc
RZ/G2UL: https://www.renesas.com/rzg2ul

以 上

*Arm、Cortex、MaliはArm Limitedの登録商標または商標です。本リリース中の製品名やサービス名は全てそれぞれの所有者に属する商標または登録商標です。


ニュースリリースに掲載されている情報(製品価格、仕様等を含む)は、発表日現在の情報です。 その後予告なしに変更されることがございますので、あらかじめご承知ください。

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