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ルネサスとCohda Wirelessは、半導体とソフトウェア技術を結集し、自動運転に向けたV2X向けソリューションの分野で協業

~Cohda Wirelessが、ルネサスのV2X用SoCに自社製ソフトウェアを搭載したデモをITS World Congress 2016(10/10-14)に出展~

2016年10月7日

 ルネサス エレクトロニクス株式会社(代表取締役社長兼CEO:呉 文精、以下ルネサス)と、V2XならびにConnected Autonomous Vehicle (CAV)のリーディング企業であるCohda Wireless Pty Ltd(本社:オーストラリア、アデレード、CEO:Paul Gray、以下Cohda Wireless)は、本日、車載用V2V(車車間通信)/V2I(路車間通信)の分野において協業を開始することを発表します。この協業により、ルネサスのV2X用SoC「R-Car」にCohda WirelessのV2XとCAVソフトウェアソリューションを実装し、欧米向けの通信規格に準拠した「V2Xリファレンスシステム」を容易に構築できるようになります。

 Cohda Wirelessは、オーストラリアのメルボルンで2016年10月10日-14日に開催されるITS世界会議2016(ブース313)に、ルネサスの無線通信用SoC「R-Car W2R」とV2X用ホストプロセッサ「R-Car W2H」を搭載したスタータキットと、Cohda Wirelessの通信ソフトウェアからなる「V2Xリファレンスシステム」のデモンストレーションを行います。このルネサスとCohda Wirelessの「V2Xリファレンスシステム」は、2017年4月に提供を開始する予定です。

 ルネサス エレクトロニクス株式会社 セーフティソリューション事業部 副事業部長のJean-Francois Chouteau は次のように述べています。「ルネサスは、ADAS(先進運転支援システム)システムやV2Xシステムを早期に市場投入できるよう、使い易いソリューションを提供することにより、自動車業界に優れた安全性と快適性をもたらすよう尽力しています。Cohda Wirelessのソフトウェアは、V2Xソリューションの核となる要素であり、安全な運転と、我々が目指すV2Xシステムの普及と自動運転の実現を加速させるでしょう。」

 Cohda Wireless のCEO、Paul Grayは次のように述べています。「Cohda Wirelessは、CAVとV2X分野のソフトウェアソリューションのマーケットリーダとして、ルネサスのR-Car W2RとR-Car W2HのSoCをサポートできることをうれしく思います。ルネサスのV2X向けSoCとCohda Wirelessのソフトウェアソリューションを組み合わせることにより、自動運転に向けた今後のニーズに対応していきます。」

 日本において昨今V2Xの普及が進んでいるように、安全性の向上や交通を円滑化するために米国運輸省(USDOT)はV2X導入義務化の検討をしていたり、複数の地域でV2X技術を導入しようとしています。技術的には、無線LANベースのIEEE 802.11pは10年以上に渡る通信プロトコルの研究開発により、協調型高度道路交通システム(C-ITS)に対して信頼性の高い、安全な通信を提供できることが実証されています。そこで、この通信プロトコルを使用して、道路の利用者や交通管制装置など道路上にある重要かつ速報性が必要な情報が、安全性の向上と交通の円滑化のために広く共有されることが期待されています。米国運輸省(USDOT)によると、V2X技術は、故障による事故以外の80%以上を最小限に抑えると推計されています。

 V2Xシステムの開発と普及を加速するため、ルネサスはSoCの「R-Car」にCohda Wirelessなどのパートナのソフトウェアを容易に搭載できるエコシステム化を推進しており、ユーザへリファレンスシステムの提案を行っております。新しいV2Xリファレンスシステムは、欧州電気通信標準化機構(ETSI)、高度道路交通システム(ITS)、自動車技術者協会(SAE)と電気電子技術者協会(IEEE)の規格に準拠しています。

 このV2Xリファレンスシステムを構成するルネサスのV2Xスタータキットは、5.9 GHz帯の車載無線通信用SoC「R-Car W2R」と、通信やメッセージを暗号化してサイバー攻撃から守るハードウェアセキュリティモジュール(HSM)を搭載したホストプロセッサ「R-Car W2H」を搭載しています。車載無線通信用SoC「R-Car W2R」は、ルネサス独自のRFシステム設計技術により業界最高性能クラスの低雑音特性を実現することができます。例えば、実現が困難だったETSIの送信帯域外雑音規格-65dBm以下に対応可能です。また、V2X用ホストプロセッサ「R-Car W2H」は、先進的な半導体サプライヤとして長年培ってきた経験と専門知識から自動車の環境、品質と信頼性の要件に準拠するよう設計されています。「R-Car W2R」と「R-Car W2H」は、欧米の通信規格であるIEEE 802.11pとETSIに準拠しています。V2Xスタータキットは、V2Xのインフラを広く普及させるためUSDOTが推進するConnected Vehicle Pilotsに確立された「SAE Minimum Performance Requirements」を十分に満たしています。

 Cohda Wirelesのソフトウェアソリューションは、IEEE1609とETSI ITS-TCに準拠したプロトコルでNetwork、Facilities、Applications、Management、Security Layerで構成されています。

 V2Xの開発メーカは、今後、ルネサスとCohda Wirelessの完成度の高いハードウェアとソフトウェアを導入できるようになり、V2Xリファレンスシステムとして両社で検証されているため信頼性の高い動作が期待できます。

以 上

*本リリース中の製品名やサービス名は全てそれぞれの所有者に属する商標または登録商標です。

Cohda Wireless について

Cohda Wirelessは、V2XとConnected Autonomous Vehicle (CAV)市場における世界トップクラスのオーストラリアの企業で、世界最高のパフォーマンスで知られるシステムを製造しています。Cohdaのハードウェアとソフトウェア製品は、今日、V2Xの実証実験の65%以上で使われています。お客様は、多くの自動車メーカ、Tier1サプライヤ、車載半導体メーカ、道路管理局や、新規参入メーカなどが含まれています。 Cohdaの製品はアメリカ、ヨーロッパ、オーストラリア、日本、アフリカ、中東、中国、シンガポール、台湾、韓国などの場所で広く使用されています。


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