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IoT時代のデータセンタ向けに100Gbpsの大容量高速光通信を実現する半導体レーザ・ダイオード「NX6375AAシリーズ」を量産開始

~高温度85℃動作に対応し、大容量化するデータセンタの高速通信と高温環境下での安定稼動に貢献~

2016年10月25日

 ルネサスエレクトロニクス株式会社(代表取締役社長兼CEO:呉 文精、以下ルネサス)は、このたび、データセンタ内に設置されるサーバとルータ間の通信に用いられる100Gbps(ギガビーピーエス)光トランシーバ用光源に、25Gbps×4波長対応直接変調型DFB LD(分布帰還型レーザ・ダイオード (注1))を開発しました。当社は新製品を「NX6375AAシリーズ」の名称で、量産出荷を開始いたします。

 新製品は、高速通信と高温環境下での安定動作の両立が課題となる100Gbpsの高速ネットワーク向け光トランシーバに対し、(1)業界で初めて-5℃~85℃の動作温度において1波長あたりの容量が最大28Gbpsとなる安定動作特性を量産レベルで実現し (注2)、4波長使用することにより100Gbpsの光通信が可能、(2) MTTF(Mean Time To Failure:平均故障時間)10万時間の高信頼性(注3)、という特長を有しています。

 新製品を採用することでユーザは、高温環境下でも高速通信が可能で信頼性の高い光トランシーバや光モジュールを開発し、データセンタのサーバやルータへの搭載が可能となります。

 新製品はチップ形態での出荷となり、サンプル価格は1波長あたり5,000円(税別)で、量産は2017年4月に4波長合計で月産10万個を計画しております。

 近年話題となっているIoT時代のクラウド・コンピューティングの進展により、インターネットと接続し、大容量のデータを預かるデータセンタの規模・処理容量は、年率59%(ルネサス調べ)の急増が見込まれています。その環境下でデータセンタ内のサーバとルータ間の通信に用いられる光トランシーバにおいては、伝送速度の高速化が要求されており、現在主力の40Gbpsから切り替わっていく100Gbpsのシステムが、年率75%(ルネサス調べ)の伸張率で立ち上がると見られています。しかしながら通信速度に比例して高まるシステムの発熱は、システムの稼働状況を不安定にする恐れがあるため、このネットワークの高速化においては、高速通信と高温環境下での安定動作の両立が、光トランシーバにとっての大きな課題となります。

 当社は光通信の速度が10Gbpsであった2004年より同分野に向けて半導体レーザ・ダイオードを市場投入してまいりました。新製品は今後の通信システムの主力となる100Gbpsのシステムに対応し、上記の課題を解決し、ユーザの光トランシーバの高速化と高温安定動作の実現に貢献いたします。

 新製品の特長の詳細は以下のとおりです。

(1)業界で初めて動作温度Tc=-5℃~85℃で、1波長あたり最大28Gbpsまでの安定した動作を量産レベルで実現

 新製品は、4波長使用での100Gbpsシステムはもちろん、112Gbpsシステムにも対応可能。

 また、LD素子に当社独自の埋め込み構造および材料にAlGaInAs(アルミニウムガリウムインジウムヒ素)を採用し、DFB構造を最適化することで広い動作温度Tc=-5℃~85℃下で最大28Gbpsの高速伝送を実現している。

 新製品の波長は、CWDM(注4)方式の波長間隔対応の1271nm、1291nm、1311nm、1331nmの4種類となっている。

(2)MTTF 10万時間の高信頼性(注3)

 データセンタ環境下で安心して使用できるよう、ウェハの結晶成長において狭幅選択成長技術を用い、発光層の結晶欠陥を抑制しAl(アルミニウム)酸化防止層を形成(当社独自技術)。製造中にAlの酸化を抑制できるため、LD素子のMTTFは業界トップレベルの10万時間(注3)を特長としている。

画像

 当社は今後、積極的に100Gbps高速光通信用の製品ラインアップを拡充する計画です。レーザ・ダイオードの開発において、無線基地局用途などに必要とされる動作温度範囲に対応するため低温側の動作温度拡大を検討してまいります。さらに、高速光信号の受光デバイスやマイコンなどの当社他製品と組み合わせにより、より付加価値の高いソリューション提案を行ってまいります。

新製品の主な仕様は 別紙(68KB)をご参照ください。

NX6375AAシリーズの製品情報は、https://www.renesas.com/ja/products/optoelectronics/fiberoptic-devices/lasers-ofc.htmlをご覧ください。

以 上

(注1)DFB LD:Distribution Feedback Laser Diodeの略。LD素子内部に回折格子構造を持ちシングルモード発振を特長とするレーザ・ダイオード。高速通信用途に適している。

(注2)2016年10月25日時点、ルネサス調べ。

(注3)信頼性の数値は保証値ではありません。

(注4)CWDM:Coarse Wavelength Division Multiplexing 波長多重方式。1本の光ファイバに波長の異なる光信号(多チャネル)を重ねて伝送する方式。本件では、25Gpps×4波長=100Gpbs。

*本リリース中の製品名やサービス名は全てそれぞれの所有者に属する商標または登録商標です。


ニュースリリースに掲載されている情報(製品価格、仕様等を含む)は、発表日現在の情報です。 その後予告なしに変更されることがございますので、あらかじめご承知ください。

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