品質方針
ルネサスは、安全・安心なモノづくりを最優先とし、お客様満足度の最大化を図るとともに、当社の製品とサービスに対するさらなる信頼の獲得に向け、「品質方針」を定めています。本方針に則り、お客様のニーズに迅速に応え、最適かつ高品質・高信頼性の半導体製品・ソリューションを提供するため、あらゆる仕事の質を高める努力を続けています。
品質方針
半導体が大きな影響をもたらす社会において、 高品質・高信頼性の半導体製品とサービスにより お客様の満足と社会の発展を目指します。
私たちは一貫した品質マネジメントシステムに従い、営業・ 開発・製造など全てのプロセスにおいて次のとおり行動します。
- 倫理・法規制を遵守します
- 安全・安心な製品を提供します
- 製品とサービスの品質向上を図ります
- 品質マネジメントシステムの継続的改善を図ります
製品安全方針
ルネサスは、品質方針の実現に向けて、各種法規制・環境規制や基準を遵守した製品安全の維持、製品の本質安全の推進活動を展開し、安全・安心なモノづくりを進めるべく、以下の製品安全基本方針に基づいて活動しています。
製品安全基本方針
- 製品安全に関する社内外法規・規制、技術基準、業界基準などを遵守し、製品が具備すべき安全性レベルを設定する。
- 製品の本質安全を目指した安全設計により、安全性を確保する。
- 製品の安全性検証を行い、安全性を確認する。
- 万一事故が発生した場合、またはその恐れがある場合には、誠意をもって顧客への対応を行なう。
半導体製品の安全性確保には、お客様の最終製品(セット)に搭載された状態で、安全に使用できること、高温・発火に対する耐性が高いこと、セットに搭載された段階で環境への負荷が少ないことが必要不可欠となります。当社の樹脂封止型半導体製品は、UL94規格(注)により燃焼性の確認された樹脂を使用することで、高温・発火に対する耐性を高めています。また、製品アセスメント審査において、安全および環境保全の両方の側面から評価を行い、廃棄段階における環境負荷の軽減も図っています。加えて、当社グループの半導体製品を安全にご使用いただくために、製品仕様面の配慮および製品ドキュメントなどでの正確な技術情報の提供、また環境規制対応情報の提供など、多面にわたる活動を進めています。
(注)UL94規格:アメリカの認証機関が制定する製品安全規格で、装置及び器具部品のプラスチック材料燃焼性試験での材料の燃えにくさの度合いを表す規格。
推進体制
ルネサスは本社品質保証部門を中心に、全拠点の品質機能部門と連携し、お客様からのクレームに対し、迅速に対応すると共に、不具合原因を早急に究明し再発・未然防止を図っています。
品質ガバナンスを徹底するため、品質保証部門を事業本部や製造部門とは独立した組織として設置し、お客様の安全・安心を最優先に行動できる体制を構築しています。
品質ガバナンス体制概念図
ルネサスのグローバルでの不具合品調査フロー
出荷した製品で不具合が生じた場合、CEO直轄の品質保証部門のガバナンス・支援のもと、その原因追究と是正処置を実施します。また、不具合の連絡をいただいたグローバルのお客様に迅速に対応できるよう、当社の主要拠点(日本、中国、北米、欧州)に品質保証部門を設置し、最短での調査・解析を行っています。
品質保証部門では、お客様における不具合の内容を正確に把握するとともに、その影響度合いをアセスメントし、リスクのポテンシャルに応じ、マネジメント層に迅速かつ正確に事実報告を行います。既に市場へ出荷した製品に遡及処置が必要と判断される場合には、速やかにお客様へその旨を通知し、製品回収などの適切な処置を講じます。2019年から2023年までの間、当社が市場に対してリコールを行った実績はありません。
各種の測定・解析装置を用い、不具合品の故障個所および根本原因の特定を行い、これらの調査で判明した結果に基づいて設計・製造部門など関連部門が協議し、必要な是正処置を取るとともに、調査結果を随時お客様へ報告します。これらのプロセスが、適切なタイミングで実行されていることをトレースするとともにKPIとして常にモニタリングしています。また、製品・サービスの品質および安全性に関する表示とラベリングについて、関連法令・規制・制度や社内規定の遵守を徹底しています。
品質マネジメントシステム
ルネサスでは、品質方針のもとにISO 9001 並びに ISO/IATF 16949 規格に基づいた品質マネジメントシステムを構築しています。設計段階からの「品質・信頼性の作り込み」を基本とし、製品企画からアフターサービスまで、信頼性技術に裏付けされた一貫した品質保証・管理を展開しています。
設計プロセス
ルネサスは、製品のデザインルール微細化や、回路の大規模化に対応した設計・テスト手法と、評価技術の高度化を継続的に進めています。また、開発の主要工程ごとに設けたゲートレビューでは、変化点に着目したデザインレビュー手法の適用を推進しています。 当社内で規則とガイドラインを整備し、設計プロセスのグローバルレベルでの定着と品質向上技術の標準化及び、設計プロセス管理の品質向上を推進しています。
製造プロセス
安定したモノづくりの実現に向けて、4M(Man, Machine, Material, Method)管理による品質改善に取り組むと同時に、科学的な工程管理と製造現場における改善活動による品質作り込み活動をグローバルに展開しています。また、異常の早期検出と是正による不良品流出防止活動を通じ、製品品質の管理を徹底しています。
サポートプロセス
ルネサスの製品をお客様に安心してお使いいただくため、お客様によるシステム開発から物流・保守にいたるまでの全てのプロセスにおいて、製品情報の提供とソリューション支援や問い合わせ対応など、サポート品質の向上を進めています。
当社は、品質方針に基づき、年度ごとに品質目標を定めています。この目標達成に向けて、営業・開発・製造の各プロセスで、総合的な品質の継続的な改善に取り組んでいます。事業部門は、品質目標に基づき、半期ごとに品質向上に向けた重点活動を設定し、これを達成するための実行計画を策定・実行します。この実行計画は、PDCAサイクルに基づいて運用しており、6カ月単位でその達成度の確認と見直しを実施します。
サステナブルな製品を、創出し続けるには、品質マネジメントシステムのたゆまぬ改善が必要となります。たとえ優れた品質マネジメントシステムを構築しても、従業員一人ひとりの業務プロセスの品質が悪ければ、製品やサービスの品質維持や改善はできません。「次工程はお客様」の考えのもと、各人の業務プロセスの品質改善を促す、品質マインドの醸成も行っています。
品質実績
2024年1月時点で、製品の発火や規制を超える環境負荷物質の混入などの製品安全に関わる事故の発生はありません。
2015年 | 2016年 | 2017年 | 2018年 | 2019年 | 2020年 | 2021年 | 2022年 | 2023年 | |
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重大製品事故件数(件) | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
重大法令違反発生件数(件) | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
ルネサスはお客様からのフィードバックを元に、品質改善活動のパフォーマンスを評価しています。2017年以降、品質不具合は継続的に減少傾向にあり、当社の品質改善に向けた取り組みの効果が表れています。
2015年 | 2016年 | 2017年 | 2018年 | 2019年 | 2020年 | 2021年 | 2022年 | 2023年 | |
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品質不具合* | 100* | 108 | 69 | 50 | 48 | 45 | 45 | 44 | 59 |
* 2015年を100とした指数で表しています。
外部認証
ISO/IATF認証
ルネサスは、開発から製造・納入にいたる全社レベルの品質マネジメントシステムの実践により、お客様に一層ご満足いただける高品質・高信頼性の製品とサービスを提供しています。これまで多くの自動車関連メーカのお客様に製品とサービスを提供してきた実績と、自動車業界の厳格な国際規格に沿ったツールやノウハウを使用し、お客様固有のご要求への対応も含め、継続的な品質向上に取り組んでいます。
品質マネジメントシステムの国際規格である「ISO9001」の認証は当社グループ全体で、自動車業界のセクター規格である「IATF16949」は、製造拠点とその支援部門で、認証を取得しています。
ISO 9001 | 51拠点認証 |
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IATF 16949 | 15拠点認証 |