メインコンテンツに移動

車載事業の顧客価値シリーズ③:ルネサス、新E/Eアーキ時代のCar Serverを牽引

画像
Adam Korbel
Senior Staff Engineer
掲載: 2020年8月28日

みなさんは、当社が新しい自動車用サーバー/コミュニケーションゲートウェイ(CoGW)市場セグメントをリードするチップ・メーカーであることをご存知ですか?今日、自動車向け環境規制と市場の変化を背景に、自動車は従来の燃焼エンジンを搭載した自動車から電動化された自立型のコネクテッドカーに向かって劇的に変化しています。同時に、新機能のアクティベーションや、サブスクリプションサービス、エンターテインメントアプリ、およびカーシェアリングサービスなどを車両の全寿命にわたって有効にするような新しいビジネスモデルも急激に伸びています。今や、自動車はそのライフ全般にわたって機能や性能を追加できる時代になっているのです。

今日、自動車メーカーは従来型の自動車よりも、車輪付きのスマートフォンのような車両を目指しているようです。このビジョンを路上で実現するための課題としては、データ帯域幅要件の急激な増加が挙げられ、これにはソフトウェアアーキテクチャの完全なる再構築・再設計が求められます。 車両機能の数とその性能は、より多くのデータを利用可能にすることで増加する可能性がありますが、機能コンテンツの増加に応じてソフトウェアサイズも増加します。増加するソフトウェアボリュームの管理とスケーリングには、サービス指向アーキテクチャ(SOA)スタイルのソフトウェア設計への変換、およびソフトウェア機能のより強力な集中型電子制御ユニット(ECU)への統合が必要です。SOAは、モバイルコンピューティングの世界でソフトウェアの急速な開発と展開を可能にしています。車両ソフトウェアの集中制御は、新しいソフトウェア開発および新しいソフトウェア・オーナーシップの形を可能にします。さらに、自動運転化がより進んで、自動車がスマートフォンのようにより我々の生活や生命に関わる存在となる中、車両とクラウドの間で無線によるデータ転送やソフトウェアのアップデートが安全に行われるためには、より進んだ機能安全やセキュリティの強化が不可欠です。

画像
communication-security-gateway

これらの傾向は、アジャイル開発とより迅速な機能展開という目標に向かって動いていますが、その進化、テクノロジーに必要な根本的な変化を市場で実現するための準備作業はここ何年も続いています。実際、自動車用サーバー/コミュニケーションゲートウェイ(CoGW)ECUプラットフォームの開発は、この革新的な新しい市場セグメントのパイオニアである市場をリードする我々の顧客において4年以上にわたって進行中です。 彼らは最高のデバイス品質、高い機能安全性能、クラス最高の消費電力あたりのコンピューティング性能、および自動車市場への高いコミットメントを備えたチップサプライヤーをパートナーに選びました。そう、驚くことなかれ、それは当社、ルネサスです。

この新しい電気/電子(E / E)アーキテクチャを使用した最初の量産は、2019年末に電気自動車(EV)ラインで始まりました。自動車メーカーは、このE / Eアーキテクチャプラットフォームの採用を今後数年間にわたって他のすべての車両ラインに拡大する計画です。 スケール感を理解して頂くために申し上げますと、その自動車メーカーだけでもフル量産で年間8桁の稼働率が見込まれています。
我々はこのBody High Performance Computer プロジェクトに貢献できたことを誇りに思います。他の自動車メーカーもこれに続き、今後数年間で同様の新しいE / Eアーキテクチャを導入することと思いますが、我々はこの市場セグメントの急速な成長を促進し続けていきます。

CoGW ECU向けのシステムソリューションは、R-Carシステムオンチップ(SoC)マイクロプロセッサーとRH850マイクロコントローラー(MCU)および電源管理集積回路(PMIC)などのさまざまなアナログチップを組み合わせることで実現できます。

画像
gateway-processor

新規プロジェクトにおいて、様々なレガシーIVI /コックピットおよびボディアプリケーションECUプラットフォームで同様のルネサスSoCおよびMCUデバイスをすでに使用しているお客様は、ソフトウェアおよびハードウェアの両面でこれまでの開発資産を再利用することができます。ソフトウェア開発は、開発コストとTime to Market(TTM)に大きな影響を与えるため、これは大きなメリットです。

新規のお客様やR&Dチームであっても、R-CarおよびRH850デバイスの強力なソフトウェアエコシステムの恩恵を享受し、迅速な試作または概念実証評価を開始できます。当社はコネクテッドゲートウェイ/コネクテッドカー向けリファレンスデザインを提供できる最初のチップメーカーであり、エコシステムパートナーであるCETITEC社の通信ソフトウェアスタックを搭載しています。この“Vehicle Computer 2”と呼ばれる評価プラットフォームは、CETITEC社と協力して開発され、Renesasチップセットをベースに自動車用サーバー/コミュニケーションゲートウェイ(CoGW)アプリケーションを最大40k DMIPSのパフォーマンスレベルまでカバーします。このボックスは、評価、迅速な試作、またはデータロギングに使用でき、CAN(FD)、LIN、MOST、FlexRay、PCIe、イーサネットなどの自動車の要件と通信規格をサポートしています。 また、さまざまなIEEE802.1 / IEEE802.3イーサネットTSNプロトコルも搭載しており高帯域幅のリアルタイム通信を実現します。ボックスとその機能の詳細については、このビデオを参照してください。

イーサネットTSNを含むすべての主要な自動車通信インターフェース向けのルネサスマルチプロトコルゲートウェイソリューションの技術的な詳細については、当社のWebサイトをご覧ください。 関連するR-Car SoCおよびRH850 MCUに関するドキュメントも掲載されております

この記事をシェアする