近年、スマート家電をはじめとしたIoT機器のHMI(Human Machine Interface)は、物理キーよりも 衛生面・デザイン性・耐性が優れているタッチキーが注目を集めており、タッチキー導入を検討している方も多くいらっしゃると思います。
しかし、タッチキーを初めて導入する場合、開発環境の立ち上げ・ソフトウェア開発・タッチキー周りのハードウェア開発などに高いハードルを感じてしまうのではないでしょうか。初めてのタッチキー開発でも簡単かつ短期間で開発を行いたいですよね。
そんな方におすすめなのが、RX671の評価キット"RX671搭載静電容量タッチ評価システム"と静電容量タッチキーソリューションです。
"RX671搭載静電容量タッチ評価システム"は、ルネサスが提供する静電容量タッチキーソリューションを容易に評価することができるキットです。キットに含まれるボードやサンプルプログラムを用いて、キット購入後すぐに評価を始めることができます。
まずは、32-bitマイコンRX671について紹介します。
RX671は、120MHz高性能CPUと大容量メモリ、豊富な周辺機能を搭載した製品です。加えて、高感度かつ高ノイズ耐性(IEC 61000 4-3/4-6 level3のノイズ試験をクリア)*を実現する静電容量タッチセンサ(CTSU)が搭載されています。CTSUが搭載されていることで、既存のRX製品では実現できなかった処理性能・リアルタイム性能が要求されるIoT機器のメインシステム制御とタッチキーの実装をワンチップで可能です。以前ブログでRX671を紹介しましたので、そちらもぜひご覧ください。
*CTSUは放射、伝導によるノイズ混入に対して静電容量計測を安定的に行うための各種ノイズイミュニテ ィ回路が内蔵されおり、高ノイズ耐性を実現しています。
RX671のCTSUを評価するのに最適な評価キットが”RX671搭載静電容量タッチ評価システム"です。
この評価キットはCPUボードと自己容量式評価ボードの2つのボードで構成されています。CPUボードには、RX671(100-pin LFQFPパッケージ,2MB フラッシュメモリ/384KB SRAM)が搭載されています。また、PMODを2ch搭載し、SPI制御 LCDやWi-Fiモジュールなどの拡張モジュールを簡単に接続可能です。タッチキー部分の評価だけではなく、アプリケーション全体の開発が可能となるため、PoC試作におすすめです。
自己容量式評価ボードはタッチキーの基本となるボタン x 3, ホイール x 1, スライダー x 1を搭載し、ユーザが好みのタッチキー形状を評価可能となっています。
また、RX671はタッチキー機能の開発をサポートするQE for Capacitive touchが使用可能です。
QE for capacitive touchは統合開発環境e2 studio上で起動する開発ツールで、GUI操作で簡単にタッチキー機能のプログラムを作成可能です。作成は以下の3ステップです。
- タッチ機能のドライバ設定
マイコンの初期設定やタッチキーを実現するための周辺機能(I/Oポート、タイマ、CTSU)の設定を行います。 - 感度の調整
ワークフローに従って設定・操作をするだけで感度のチューニングが自動で完了します。 - タッチ感度をモニタリングし、感度の微調整を行う
タッチセンサの状態をリアルタイムで確認しながら感度の調整が可能です。
このようにMCUの初期設定からタッチキーが使用できるまで簡単かつ短時間で完了します。
タッチキー開発では、ハードウェア設計も重要となりますので、リファレンスとなるドキュメント”静電容量センサマイコン静電容量タッチ電極デザインガイド”もご用意しています。
タッチキーは電極パッドの形状や配線の引き回し、グランドパターンなど様々な要因で感度やノイズ耐性が変化します。
このガイドでは、電極パッド及び配線の設計などを解説し、それらの推奨例を示しています。
このガイドを参考にすることで基板設計のトラブルを未然に防ぎ、開発期間を短縮することが可能です。
いかがでしたでしょうか。RX671搭載静電容量タッチ評価システムと静電容量タッチキーソリューションを使用することで、RX671を用いたタッチキー開発を導入・検討からソフトウェア設計・ハードウェア設計までサポートしているため、タッチキー初心者の方でも簡単に開発を進められますね。だれでも簡単にタッチキーの開発が可能になるように評価キット"RX671搭載静電容量タッチ評価システム"と静電容量タッチキーソリューションを是非活用ください。