市場には多数の専用評価キットがあります。しかし、これらの専用評価キットはさまざまなデバイスを評価するために新たに購入する必要があり、評価キットをすべて備えたラボで専用評価キットを見つけることが困難なため、開発サイクルが延長されるという課題の1つになります。 ルネサスは新製品(RZ/V2L、RZ/G2L、RZ/G2LC、およびRZ/G2UL)の評価キットをSMARC(「スマートモビリティアーキテクチャ」)V2.1フォーム・ファクタに統合することで、開発サイクルを簡素化することにしました。
SMARC V2.1 フォーム・ファクタ
このフォーム・ファクタはMPU、DDR-Memoryなどを搭載したモジュールボードと、USB、LANなどのさまざまな周辺機器に接続するコネクタを備えたキャリアボードに分割でき、モジュールボードを交換するだけで、さまざまな機能と性能を備えたMPUをスケーラブルに評価できます。 SMARCに加えて、各製品のモジュールボード間で回路が統合されており、ソフトウェア開発におけるスケーラビリティを考慮して設計されています。
容易なプロトタイプ
MPU、DDR-Memory、およびPMIC はキャリアボードには取り付けられていません。 したがって、キャリアボードの設計にはMPU、DDR-Memory、およびPMIC の複雑なPCB設計は必要ありません。 開発者は少ない層数のプリント基板を使用することで、カスタマイズされたインターフェースに基づいて低コストの「キャリアボード」を簡単に作成できます。
ルネサスのモジュールボードと、ユーザーがカスタマイズしたボードを組み合わせることで、複雑な設計をスキップし、ほぼ完成したプロトタイプシステムを短期間で作成できます。
Linuxパッケージ
ルネサスはこれらRZ/G2L、RZ/G2LC、RZ/G2UL、およびRZ/V2L評価キット用のLinuxソフトウェアパッケージを発売予定です。 これにはLinuxカーネルとデバイスドライバも含まれます。 また、これら4つの評価キットで安定して動作します。
纏めとして、1つのRZ評価キットプラットフォームとLinuxソフトウェアパッケージを使って、RZ/G2L、RZ/G2LC、RZ/G2ULおよびRZ/V2L MPUで迅速な評価が可能になります。 また、モジュールボードを使用してルネサスの4つの製品の機能とパフォーマンスの違いを確認できます。Linux環境を簡単に作成するためにすぐに使用できるLinuxソフトウェアパッケージを使用することで、お客様は中核能力であるアプリケーションソフトウェア開発に集中できます。評価キットとモジュールボードを使用することで、お客様は総保有コストを削減し、市場投入までの時間を迅速に短縮できます。
詳しい情報は、RZ/G2L評価キットおよびRZ/G2LC評価キットのページをご参照ください。