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48Vマイルドハイブリッドシステムの進化を支える大電流MOSFET ~車載MOSFET編~

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Masato Muragishi
Masato Muragishi
Senior Staff Engineer
掲載: 2020年7月31日

みなさん、こんにちは。ルネサスエレクトロニクスの村岸と申します。パワーデバイスを担当し、お客さまの技術サポートをしています。

現在、このルネサスブログでは、パワーデバイス製品をリレー方式で数回にわたって紹介しています。前回はサーマルMOSFET編を紹介いたしました。一般的なMOSFETと同一のパッケージと一ピン配置により、そのまま置き換えるだけで温度保護機能を付加できます。セットの破壊対策や温度保護機能の追加をご検討中のお客様におすすめの製品です。

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今回は、私の担当製品である車載用MOSFETです。

世界各国で燃費・排ガスに対する環境規制やエネルギー政策が進む中、電動車両(HEV/EV)は「環境・省エネ対応」「安全・利便性向上」を図りつつ、実用車・SUV・スポーツカーなど多様化しながら普及・拡大が続いています。

こうした次世代自動車の普及に伴い、高性能・高効率・高機能なパワーデバイスの需要がますます増加しているわけですが、ルネサスではこのようなニーズに対応するべく、自動車用途を意識した設計・開発、工程管理のもと、高い品質・信頼性を実現した製品を市場に提供してきました。

現在も更なる 「高性能・高信頼性・高機能」な製品を市場に送り出すべく、新しいプロセスと

製品の開発を進めています。

【ターゲット アプリケーション】

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automotive-power-devices

ルネサスがいま注力しているのは、低オン抵抗、低容量を特徴とする新プロセス製品の展開です。特に電動車両(HEV)に搭載される48Vシステムの中でも大電流を必要とするISGなどの用途をターゲットにした100~300Aクラスの製品展開にフォーカスしています。

【プロセスロードマップ】

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プロセスロードマップ

100V定格では『ANM2』をリリース。さらなる低オン抵抗化を図るため『ANM2,80V』の開発を構想中です。

【100Vプロセス】

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100V-プロセス

100Vプロセスである最新のスーパージャンクション構造のANM2プロセス製品は、当社のトレンチゲートタイプのMOSFET(第3世代)と比較しますと、オン抵抗の64%減を実現。スーパージャンクション構造のANM1プロセス製品との比較でも、オン抵抗の40%減を実現しています。

次世代(構想中)のANM3では、オン抵抗の更なる大幅低減を目標に開発を進めています。

これらの最新プロセスにより更なる低オン抵抗化を進め、スタータージェネレーター、アイドリングストップシステム, 電動ターボなどのモータ駆動用インバータ向けの製品を開発し、ユニットの小型化・高効率化に貢献できる製品を提案していきたいと考えています。

【新製品,100V開発品】

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新製品-100V開発品

直近では、ANM2プロセスの『RBA250N10』のリリースを予定しています。この製品は、TO-263パッケージとしては最大クラスとなる250A定格と低オン抵抗typ1.9mΩを実現した製品で、モータ駆動用インバータ回路など、負荷が大きく損失を抑えたい用途でのご使用を想定し開発いたしました。サンプル対応も可能ですのでぜひご検討ください。

今後もお客様のニーズ開発に合わせ、最適にご使用いただける製品をリリースしてまいりますので
ルネサスの車載MOSFETにぜひご期待ください。

詳しい製品ラインアップは、こちら

次回は車載IGBTをご紹介いたします。どうぞお楽しみに。

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