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Cheng Ping Chan
Cheng Ping Chan
スタッフエンジニア
掲載: 2021年10月13日

正式にはJESD403-1 JEDECモジュール サイドバンドバスと呼ばれる新しいサイドバンドバスは、DDR5システムマネージメント規格として導入されました。 またこのDDR5標準規格はJEDECとMIPIアライアンスとの協力の上、標準化が進められています。

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MIPI I3C Basic Adopted in New JEDEC DDR5 Standard

この新しいアプリケーションに参入するためには、このアプリケーションで使用されるSPDハブ、PMIC、およびマイクロコントローラはプロトコル準拠に基づいて高度に統合されている必要があります。 従って、ルネサスはJEDEC JESD403とMIPI I3C BasicSMの要件に適合するサイドバンドバス動作を実現するために、ルネサスSPD5 Hub SPD5118 、ルネサスPMIC、温度センサ、および新しいルネサスRA RA2E2グループを組み合わせてソリューションを開発しました。 また、これらルネサスのキーデバイスはMIPI I3C BasicSMによって完全に認証されており、システムは従来のJEDEC I2C実装にも下位互換性を提供します。

DDR5 DIMMサイドバンドバスおよびホストバスのアーキテクチャー概要

ルネサスDDR5ソリューションには、上位のバスおよびパワーレイアウト用アーキテクチャに準拠したプロトタイプキットを用意しています。また、JESD403-1によって指定されたバス電圧を満たすためにRA I3Cバスの前にレベルシフト回路を採用しています。 お客様は完全に統合されたこのキットにお客様のSDRAMを組み込むことで、製品の立上げを迅速化することができます。

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DDR5 UDIMM

管理バスプロトコル

サイドバンドバスでは、DIMM上のDIMMとデバイスを識別するために、以下に簡単に示すように、特定の構造化されたアドレス方式を使用します。 したがって、I3C BASIC ベーシックのENTDAAおよびPIDベースのアドレス列挙方式は必須ではありません。 この条件に基づいて、SPDハブは2つのモードでアドレス列挙とHID割り当てを処理します。I3C基本モードで動作可能な DIMM上のデバイスではJEDEC SETHID CCCとSETAASA CCCをサポートする必要があります。

デフォルトで電源オンのJEDEC I2Cモードでは、DIMM上のデバイスがターゲットのスレーブデバイスの場合、ホストが開始条件を発行してから7ビットのスレーブアドレス、次にリードまたはライトビットを発行します。 トランザクション中、SPDハブは最初のレシーバとして、アドレス指定されたDIMMのスレーブアドレスのLSB 3ビット(HID)を置き換え、ブロードキャストアドレスの0x7E以外をローカルバスに転送します。 SPDハブは、高精度レジスタを使用することでHID/DIMM_IDを検出し、HIDの割り当てを行います。

JEDEC I3Cモードでは、JEDEC SETHID CCCが SPDハブによってサイドバンドバス上の最初のレシーバとして受信されるまで有効です。 ハブがJEDEC SEHID CCCを検出すると、ハブはHIDビット反転を実行し、着信7ビットスレーブアドレスをローカルバスに透過的に通過するために停止します。 この操作の後、 SPDハブからSETHID CCCを受信するDIMM上のすべてのI3Cデバイスは、静的アドレス割り当てを更新することで、アドレス割り当てが完了し、I3C基本操作に入るためSETAASA CCCを待機します。

次の図は2つの異なるモードについて、上記の操作の説明をまとめたものです。

JEDEC SETHID CCC受信前のI2Cモードの状態(デフォルト電源オン)

 

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JEDEC I2C mode

 

JEDEC SETHID CCCを受信時のI3Cモード状態

 

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JEDEC I3C mode

 

RA2E2グループにはMIPI I3C BasicSMによって完全に認証されたI3Cインターフェースが含まれており、従来のJEDEC I2C実装との下位互換性があります。そのため、ハードウェア設計を簡素化し、従来のI2CプラットフォームからI3Cプラットフォームへのスムーズな移行が可能です。

DDR5 ARGB LED制御の実装

RA2E2グループは、わずか4.00 x 4.00mmの24 ピンHWQFNパッケージ内に6チャネルの汎用PWMタイマを提供し、またハードウェアのサポートによりARGB LED照明を無数に制御することが可能になるため、LED照明制御に最適なソリューションです。

実証と検証

MIPIアライアンスのメンバーとして、MIPI I3C Basic SMおよびJEDEC JESD 403-1の早期採用を目標として、ルネサスはソリューションにおけるサイドバンドバスの運用とプロトコル準拠検証を進めておりました。今回、MIPI I3C Basic V1.0、V1.1仕様をサポートするProdigy I3Cプロトコルアナライザとエクササイザを通じて、本ソリューションを誕生させることができました。また、このソリューションは、LED照明制御において、インテルの現在のDDR4およびDDR5構造要件を満たすSMバスと下位互換性がありますので、ルネサス及びサードパーティーが提供するハードウェア、ファームウェア、ソフトウェアなどのターンキーソリューションにより、お客様の開発環境全体の強化に貢献します。

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Commotech

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