メインコンテンツに移動

RA Family RA2L1 次世代タッチソリューションで先進的なHuman Machine Interface を

画像
Masashi Ueda
Staff Marketing Manager
掲載: 2020年12月2日

近年、静電容量式タッチインターフェースを搭載したアプリケーションが急速に増加しています。以前はスマートフォンや高機能性・デザイン性が要求されるハイエンドのデジタルコンシューマ製品を中心に採用されていましたが、ここ数年で家電、産業機器や衛生目的として医療、ヘルスケア機器用途にもタッチインターフェースが拡大しつつあります。静電容量式タッチインターフェースは、操作性、耐久性や防塵・防湿性などのメリットから今後もあらゆる機器への採用が期待されています。

我々は、長年にわたりルネサスのMCUに搭載されているタッチ検出回路の機能・性能の向上に努めてきました。そしてこのたび、Arm® Cortex®  M23 CPUと新世代のルネサス製静電容量式タッチセンシングユニット(CTSU2)を内蔵した低消費汎用MCUの新製品RA2L1グループを新たに発表しました。

CTSU2の大きな特長は、各タッチチャネル毎に複数種類の駆動周波数を用い計測することで、ノイズ耐性を飛躍的に向上させたことです。従来のルネサスのタッチセンシング方式では、タッチchannel 計測時は1種類の駆動周波数のみを利用していました。この手法では駆動周波数にノイズが同期した場合、センシング時に感度低下や誤検出の懸念がありました。CTSU2 ではchannel 毎に中心周波数を設定した後、それより高周波と低周波の駆動周波数が自動的に設定される仕組みになっています。合計3種類の駆動周波数によって同時計測されたデータから、CTSU2は最も値が遠いデータを破棄し、残りの2つのデータをタッチのON/OFF 判定用に採用します。

画像
figure-1-ja

Figure 1: 複数駆動周波数計測による同期ノイズ対策

もう一つの新機能は、厳しい使用環境下でも高S/N比を実現するシールド電極駆動機能が追加されたことです。シールド電極を使用した基板設計は、センサー周辺の寄生容量低減且つ誤検出の原因となる環境要因の低減にも役立ちます。この機能を使用すると、CTSU2は第2の導体であるシールド電極を、タッチ電極自体に駆動される電圧と同電位で駆動します。これにより、シールド電極とタッチ電極入力間に電位差が生じないので電極パッド両側からのノイズや下からのノイズ影響を遮断することができます。

画像
figure-2-ja

Figure 2: CTSU2 シールド電極駆動機能を使用した基板構成

ルネサスではこのCTSU2評価用に100ピンのRA2L1 MCUを搭載した静電容量式タッチ評価システムを開発しました。 キットには、CPUボードと共にシールド電極付きキー、ホイール、スライダー基板が含まれています。

画像
figure-3

Figure 3: RA2L1 静電容量式タッチ評価システム

また、ユーザーが最適なタッチ感度や環境対策を実現するための設定サポートツール(QE for Capacitive Touch)もルネサスから提供しており、現在Renesas webサイトから入手可能です。QE for Capacitive Touch は、GUIによるパラメータ設定を基本としている為、ユーザーは簡単に感度調整やノイズ対策を設定することができます。このツールを用いることで基準値、しきい値、ドリフト補正などのパラメータを想定使用環境に応じてchannelごとに変更、調整することができ、且つ各channelの測定値をグラフィカルモニターを通じてリアルタイムで確認することができます。

画像
figure-4

Figure 4: 開発支援ツール QE for Capacitive Touch パラメータ設定・リアルタイムモニタ画面

是非、下記の製品ページ、ソリューションページもご覧ください。
https://www.renesas.com/products/microcontrollers-microprocessors/ra/ra2/ra2l1.html
https://www.renesas.com/jp/ja/products/software-tools/boards-and-kits/starter-kits/capacitive-touch-evaluation-system-for-ra2l1.html
https://www.renesas.com/jp/ja/products/software-tools/tools/solution-toolkit/qe-qe-for-capacitive-touch.html

この記事をシェアする