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Kiyoshi Murano
Kiyoshi Murano
Principal Specialist
掲載: 2021年11月30日

電力線通信技術 (PLC) をご存知でしょうか?PLCはAC電源ラインもしくはDC電源ラインを利用してデータ通信を行う技術ですが、既設電力線のみを使い信号線を追加敷設しないことでシステムコストを容易に削減できるメリット、無線の電波が届かない場所でも利用できる補完技術として電力スマートメーターに広く使用されています。しかし、PLCの特長は電力線以外でも同軸線、ツイストペアケーブルなどで利用可能な技術であることはあまり知られていません。

ルネサスは電力線通信技術に於ける長年の経験と実績を活かし、スマート社会を形成するネットワーク技術としてPLCの新たな活用範囲を広げるため、従来品に比べ更なる高速化、性能向上を実現した製品:R9A06G061を開発しました。電力線通信モデムCPXシリーズの第四世代となる新製品は、更に直流給電システムへの用途提案拡大に向け、直接駆動時のドライブ能力向上とコンパクト設計に拘り、機器間通信などClosed Network System用途にも最適な製品としてお勧めします。

高性能・小型化を両立した製品

PLC技術検討、ソリューション導入にお困りのユーザ様も多いのではないでようか。ノイズ耐性が心配。高速なPLC通信で容易なネットワーク運用を実現したい。コンパクトな通信モジュール設計と容易な設置を実現したい。スピーディーな技術検証とテスト容易性を可能としたい。このようなお悩みをR9A06G061は以下の通り解消します。

  • PLC通信のグローバル規格に採用され、CPXシリーズで実績を重ねるOFDM変調方式の継承と技術ノウハウの融合により高いノイズ耐性とロバストな通信性能を提供します。
  • Peer to Peer通信で最大伝送速度:1Mbps、長距離通信:1km以上を実現します。特に直流給電システムに於ける直接駆動時のドライブ能力を向上し、減衰による通信劣化を抑えます。
  • 高性能なモデム機能を搭載し小型パッケージ化 (QFN-40pin)で実現したR9A06G061はアナログ回路部の最適化により周辺受動部品点数を削減し、小型通信モジュール設計を実現します。
  • PLCシステム評価を簡単に実行できる開発キット(各種ハードウェアとソフトウェアツール)をご用意し、お客様の開発、評価を支援します。
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DC Communication Module (Left), R9A06G061 Evaluation Kit (Right)
図 1: DC通信モジュール  (左側), R9A06G061評価キット (右側)

R9A06G061は加速するスマート社会形成に於いて、高まる安定したネットワークインフラの実現と運用に必要な通信手段として電力線通信の実用化を最大限に引き出す最適なPLC通信モデムです。電力線通信技術に関心をお持ちのお客様、今後の通信技術導入検討にお悩みのお客様は、R9A06G061 の詳しい情報をご覧ください。

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