近年、自動運転は自動車業界全体で盛り上がりを見せています。コネクテッド カーの開発、ディープ ラーニングをはじめとしたデータドリブン分析のブレークスルーにより、新しいプレーヤーが完全自動運転車の実現に向けて競争を繰り広げています。また、OEM は、持続可能なビジネスを構築するためのより実用的で現実的な基盤を求めています。半導体ベンダーに対する自動車業界の期待は、ADAS / NCAP から 完全自動運転(ADレベル5) までのスケーラブルで車載用に実証済みのオープン プラットフォームを提供すると同時に、すべての自動車モデルと自動化レベルにわたってソフトウェアの再利用性を確保することです。
これらのお客様のニーズに応えるため に、ルネサスは、センサーからセントラル ハイ コンピューティング プラットフォームまで、すべてのAD / ADAS アプリケーションの完全なソリューションを提供するワンストップ ショップになることを目指しています。
最初のステップとして、カメラセンサーに注力してきました。主に MCU、SOC、カメラシステム用の PMIC を提供していますが、タイミング IC とアナログ リンクも提供しています。 次のステップとして、レーダーアプリケーションへの拡張を視野に、MMIC 、セントラル ハイ コンピューティング プラットフォーム向けラインアップを新規に提供していきます。
この新しいプラットフォームの最初の製品である R-Car V3M および R-Car V3H SoC は現在、量産されており、フロント カメラ、サラウンド ビュー、ライダー アプリケーション向けに世界中で展開されています。これらは欧州で制定された最新のGSR2 (General Safety Regulation2) 市場に完全に適合しており、当社の PMIC およびタイミング IC と組み合わせて、BOM 最適化ソリューションを提供、お客様 の短期間での開発、市場へのタイムリーな展開を可能にします。
ルネサスは現在、ADAS およびレベル 3 以上の自動運転アプリケーションの厳しい要件を満たすように設計された 4x4 チャネル、76 - 81 GHz トランシーバーの導入により、自動車用レーダー市場に参入しようとしています。ルネサスは、長年にわたるグローバルな顧客とのエンゲージメントを通じて蓄積された自動車の経験を活用して、新しい RAA270205 高解像度レーダー トランシーバーを開発、レーダー、ビジョン システム、その他センサーを組み合わせた、成長を続けるセンサー フュージョン ポートフォリオに組み込んでいきます。
最新の統合化の市場トレンドを捉えるため、ルネサスは R-Car S4 や R-Car V4H などの第 4 世代の製品をリリースしました。R-Car V4H は、ハイレベルな機能統合を実現するセントラル ADAS ドメイン コントローラーに対応するために開発されました。カメラ、レーダー、ライダーからのセンサーデータ を処理し、センサー フュージョン、走行計画立案を実行し、制御ECU に指示を伝達します。また、ソフトウェア開発とディープラーニングに最新のテクノロジーを使用しており、低電力かつ、機能安全規格ISO26262に準拠した高度なAI 機能を提供します。
現在ルネサスでは、ソフトウェア・デファインド・ビークル、AD / ADAS ドメインを超えた更なる統合を実現するセントラル ハイ コンピューティング プラットフォームをサポートする次世代 SoC ソリューションの企画に取り組んでいます。乞うご期待ください。