こんにちは、モータ制御用途に最適化されたRAファミリの最新製品であるRA6T1グループのプロダクトマーケティングを担当している御村武生です。
この投稿でRA6T1のBlogは3回目になります。
今回はエンコーダ付モータ(日本電サーボ株式会社製)をRA6T1 motor RSSKで動かしてみましたので、その手順をご紹介致します。
ステップとしては下記の3つになります。
なお、モータパラメータ抽出プログラム、エンコーダIF付モータのサンプルプログラムはRenesasから提供していますので、簡単にお手持ちのエンコーダ付モータをRA6T1 motor RSSK上で動作させることが可能です。(注1)
STEP1)Tuner機能でお手持ちのエンコーダ付きモータパラメータを抽出する。
STEP2)FSPのconfiguratorでモータ軸1回転あたりのエンコーダカウント数を設定する。
STEP3)サンプルプログラムのビルド、書込みを行う。
(注1) あらゆるモータに対して有効に機能するわけではありませんので、充分注意してご使用ください。
STEP1)
モータパラメータを抽出するための環境を整えていきます。
Renesas Motor Workbench2.0 に同梱されている下記の抽出プログラムをJ-Flash Liteを使いRA6T1に書き込みます。
続いて、モータ制御開発支援ツール “Renesas Motor Workbench”のTuner機能を起動します。
起動すると図4の左にあるWindowが起動しますので、Rated Current(定格電流)、Pole Pairs(極対数)を入力します。
今回はRated Current=1.8A、Pole Pairs=7と入力しました。
これはモータ毎にパラメータが異なりますので、使用するモータの情報を入力ください。
入力後、スタートボタンを押し、暫く待つとモータのパラメータ抽出が完了します。
次に図4の右にある“Output Header File”ボタンをクリックするとサンプルコードに反映させる下記のファイルが生成されます。
- r_mtr_control_parameter.h
- r_mtr_motor_parameter.h
そして、生成した2つのモータパラメータファイルを上書き保存します。
STEP2)
e2studioのFSP configuration機能を使い、モータ軸1回転あたりのエンコーダカウント数を設定します。設定するファイルは下記の2つになります。今回使用するモータの場合は”1200”で設定します。これはモータ毎にパラメータが異なりますので、使用するモータの情報を入力ください。
- rm_motor_sense_encoder : Cunts per Rotation = 1200
- rm_motor_position : Encoder Cunts per one rotation : 1200.0F
STEP3)
後はサンプルプロジェクトをビルドし、RA6T1に書き込んで終了です。
サンプルプログラムでは下記の制御を行うことが出来ます。
- モータを位置制御で駆動する/停止する
- モータを速度制御で駆動する/停止する
- 位置指令を変更する
- 速度指令を変更する
より詳しい情報はエンコーダ付モータAPNを準備していますので、参照ください。
如何だったでしょうか?
Blogを読んで頂き、ご興味を持った方はアプリケーションノートを参考に動かしていてください。少しでも皆様の参考になっていれば幸いです。
また、過去2回のBlogにご興味がある方はコチラも読んでみてください。
第1回:開封後すぐにモータの制御評価ができるRA6T1モータRSSKのご紹介
第2回:Renesas RA ファミリ RA6T1を使ってデュアルモータ制御してみた