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ルネサスエレクトロニクスのRX72M MCUが中国電子報 (China Electronics News)の "2021 Intelligent Manufacturing MCU Outstanding (Product) Solution"を受賞

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Johnson Tan
Senior Manager
掲載: 2022年4月25日

RX72Mグループマイコンは、20ch超の12ビットA/Dコンバータ、3つの独立したサンプル&ホールド回路、オペアンプ、PWMタイマ、モータ制御用24ビットΔ-Σ A/Dコンバータなどの豊富なアナログ回路を搭載しています。さらに、RX72MはEtherCATスレーブコントローラ(2ポート)を内臓しており、産業用イーサネットプロトコルに準拠した多様なアプリケーションの開発やアップグレードを簡単かつスピーディーに実現、産業用イーサネット通信とモータ制御を合わせた最適なソリューションを提供します。主要分野として、バスタイプのインクリメンタルサーボモータやステッピングモータ、PLCリモートI/Oモジュール、産業用イーサネットのバスタイプ汎用インバータや産業用小型ロボットアームなどがあります。

受賞にあたり、ルネサスエレクトロニクスMCUマーケティングシニアマネージャーのJohnson Tan は、中国電子報 2021 MCU特別号 のインタビューの中で、「チップ不足のマーケットにおける商機と課題」というテーマについて話しました。その中で彼は、皆が注目している主要なMCU産業アプリケーションにおける市場参入機会、製品開発、技術トレンドについて述べています。

まず初めに、成熟した半導体製品の一つとして、MCUはますます拡張するフィールドを見据えており、家電、自動車、医療、産業制御、照明、IoTなどの分野において、ユビキタスの実現を目指しています。MCU技術と製品の発展には、様々な市場での利用をより密接にまとめていくことが必要です。なぜならチップ構造の最適化やインタフェース機能の充実には、利用ニーズを推進力とすることが不可欠だからです。

「人工知能やインテリジェントな製造、インテリジェントな運転などをはじめとするアプリケーションのトレンドにおいて、MCU製品の性能にはどのようなものが求められているか? そしてCPUスピード、アーキテクチャ、周辺機能、処理などの観点から、MCU技術開発のトレンドはどのようなものか?」という質問に対し、Johnson Tan は 次 の よ うな見解を述べています:

インテリジェントな製造とは、インテリジェント機器とヒトとで構成される、インテリジェントなヒューマン・マシンシステムのことを指します。製造プロセスにインテリジェントな処理を加え、機械と機械との相乗効果だけでなく、ヒトと機械、ヒトとヒトとの相乗効果を通じて、従来の製造業を拡張するものです。このような広がりは企業の生産要素に本質的な変化をもたらしてきました。特に、情報化に代表される生産性の向上は、大規模な製造プロセスのシステムにおいて、演算、通信、制御技術を通じてリアルタイムセンシングや動的制御、そして情報サービスを可能にします。このようなシステムがMCUに求めるのは、強力な演算能力、強固かつ高速な通信性能、高精度リアルタイム制御です。またそれだけでなく、これらのニーズはMCU技術開発の反復活動にも光を当てました。例えば、32ビットMCUのフラッグシップモデルであるRX72Mは、ルネサス独自のRXコア第三世代を搭載、240MHzのクロックスピード(1416 CoreMarkスコア)を特色とし、EtherCATスレーブコントローラと豊富なアナログ回路を搭載した初のMCUで、モータ制御を向上させる1チップソリューションを提供します。これらの性能は、とりわけインテリジェントな製造の要求に応えるべく設計されたものです。

「MCUのような埋め込み製品に人工知能を実装するにはどうすればいいか? またどのようにエッジコンピューティングに適用するか?」という質問にはJohnson Tanは次のように説明しています:

エッジコンピューティングとは、クラウドコンピューティングをエッジにまで拡張したものです。工業生産全体のデジタルトランスフォーメーションという文脈において、エッジコンピューティングは資源とサービスをエッジにまで広げ、レイテンシの削減、ネットワーク負荷の軽減、サービスの最適化を図ります。よって、エッジコンピューティングの性能向上のために埋め込みMCUに求められるのは、強力な演算能力、セキュリティ認証/Root of Trust(RoT)保護、省エネ性能、高速通信、マルチプロトコル対応、さらには埋め込みAIアルゴリズム誘導の搭載です。

インテリジェントな工場が進化するにつれ、Industry4.0の要件を満たす通信容量と演算能力の向上が、ますます多くのデバイスに必要であることはもはや疑う余地がありません。産業ネットワーク通信とリアルタイム性が求められる中、仮想化、デジタル化されたインテリジェントな工場はこれから次々と現れることでしょう。しかし一方で、多様なEthernetプロトコルのためにシステム全体の通信は複雑で費用がかかるものになり、試作開発や製品の迅速な市場投入を困難にしています。これらの課題を解決するため、高性能・大容量の1チップMCUであるRX72Mが、時代の要請に応えて登場しました。ルネサスはRX72Mを用いた一連のソリューションも提供しており、今後もアプリケーション開発においてお客様をサポートしていきます。

RX72Mネットワークソリューションの詳細はRX72Mネットワークソリューション

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