概要
高度な自動運転社会の実現に向けて、画像認識ソフトウェアの開発、機能安全に対応した自動運転プラットフォームの提供に取り組んでいます。
背景
いま、クルマ・モビリティは100年に一度の大変革の時と言われており、 自動運転・電動化・コネクテッド等々、様々な機能の実現が求められています。その中でもADAS(先進運転支援システム)およびその延長線上にあるAD(自動運転)は安心安全な社会の実現のために欠かせない機能であり、自動車メーカ各社が総力を挙げて開発に取り組んでいます。クルマにおける前方監視カメラの搭載は一般的になりつつありますが、このカメラによる画像認識においてもルネサスの技術が広く採用されています。例えばイメージセンサーで取得したデータをISP(Image Signal Processor)によって画像データに変換し、IMR(Image Renderer)により歪み補正を施したのちに、IMP(Image Processor)を使用した画像認識によって、車線、標識や歩行者といった認識を行います。電動化が進むクルマにおいて、これら画像認識においては処理性能だけではなく、低消費電力で実現することが求められています。さらに自動運転においては、HW故障が生じた際に、安全に停止する、あるいは自動運転を解除し運転手に制御を戻すといった機能安全に対応したHWおよびSWが必要になります。システムの処理性能を落とすことなく、画像認識を行いながら故障を検出することは自動運転における大きな課題の一つです。
ADAS 画像認識システム構成
具体例
私達は上記のような背景を踏まえて、各種ハードウェアアクセラレータを用いた画像認識ソフトウェアの開発に加えて、ルネサスの強みである機能安全を生かした自動運転プラットフォームを提供することで、自動運転がもたらす事故の無い社会の実現に貢献したいと考えています。
- ISP/IMR/IMPなどの処理を低消費電力で実現する専用ハードウェアアクセラレータを用いた画像認識ソフトウェアの開発
- 画像認識処理のキューイングおよびパイプライン処理を行う画像認識フレームワークの開発
- 自動運転中のHW故障検出を行う機能安全ソリューションの提供
- 画像認識とRader/Liderを組み合わせたセンサーフュージョン、自己位置推定ソリューションの提供
ADAS/ADにおけるセンサーフュージョン イメージ図
まとめ
私達が開発する画像認識ソフトウェアは世界中のクルマに搭載されて日々運転手を支援しています。クルマを運転する私達自身にとって開発成果を身近なものとして感じることができること、ソフトウェアを通じて安心安全なモビリティ社会の実現に貢献できることは私達の大きなやりがいです。新たなモビリティ社会、高度な自動運転社会の実現に向けてルネサスは自動運転プラットフォームの開発・提供に取り組んでいきます。