ルネサス エレクトロニクス株式会社(代表取締役社長兼CEO:柴田 英利、以下ルネサス)は、このたび、社内のすべてのプリント基板(PCB)設計の開発を、米カリフォルニア州サンディエゴを拠点とする世界的なソフトウェア企業であるAltium LLC(以下アルティウム)のAltium 365クラウドプラットフォームに統一したことを発表しました。
ルネサスは、これまでの買収により拡大した製品ポートフォリオを最適に組み合わせた「ウィニング・コンビネーション」ソリューションの開発に注力しています。このソリューション開発には、ほとんどの場合、PCB設計を伴います。これまでは各社が異なるソフトウェアを使用していたため、社内では複数のPCB設計ツールが使用されていましたが、今後はAltium 365に統一することとしました。このPCB設計ツールは、ウィニング・コンビネーションのPCB設計だけでなく、デバイスの評価用ボードやキット製品のPCB設計にも使用します。これにより、社内のPCB設計を合理化、簡素化し、コストを低減し、市場投入までの時間を短縮します。
ルネサスのウィニング・コンビネーションは、ルネサスのプロセッサやアナログ&パワー、コネクティビティ製品を最適に組み合わせてエンジニアが設計の検証を行ったソリューションです。これにより、ユーザの設計アイデアの具現化を強力にサポートし、製品開発サイクルを加速させるとともに、市場投入時のリスクを低減します。ルネサスは現在、様々なアプリケーションに向けた400種類以上のウィニング・コンビネーションを提供しています。
Altium 365は、クラウドベースのPCBデザインプラットフォームです。Altium 365では、ライブラリや設計データなどの設計資産はセキュリティが保たれたクラウド内の一元化された場所に保存されています。ユーザはリンクを共有することにより、バージョン履歴を管理しながらチーム全員とリアルタイムに共同で作業を行うことができます。CAD特有のインテリジェンスを利用することで、データをオンラインで保存し、アクセスすることができます。ルネサスは、すべての製品のECADライブラリを順次Altium Public Vaultに公開します。これにより、ユーザもAltium 365を使用することにより、メーカ部品検索の機能を使用してAltium libraryから直接ルネサスのデバイスを選択できるため、開発期間を短縮可能です。
ルネサスの執行役員 兼 CSMO 兼 グローバルセールス&マーケティング本部長であるChris Allexandreは次のように述べています。「ルネサスは、デジタルトランスフォーメーションによりお客様の設計プロセスを楽(ラク)にすることをお約束しています。ECADツールの移行は、そのための重要なステップであり、今後もアルティウムと継続的に協業し、連携を強化して参ります。」
ルネサスのシステム&ソリューションチームのVice PresidentであるDK Singhは次のように述べています。「この移行は、クイックコネクトIoTプラットフォームやその他の戦略的取り組みを含め、ルネサスのソリューションおよびデジタル化戦略と緊密に連携しています。開発ワークフローを整えることにより、社内のグローバルな協力が密になり、お客様はルネサスの製品やソリューションを活用しやすくなるでしょう。」
ルネサスは、今後もアルティウム以外のECAD設計プラットフォームを活用するユーザも全面的にサポートし、必要に応じて他のECADツール用のライブラリの提供も行っていく予定です。その上で、今回のECADツールの社内統一によりアルティウムとの連携を強化し、今後も当社のBroader and Deeper戦略を強化するために様々な施策に取り組んで参ります。
アルティウムのChief Commercial OfficerであるMarc Boonen氏は次のように述べています。「ルネサスは、業界で最も幅広い製品ラインアップと世界中に広がる設計拠点を持つ、半導体ビジネスにおける真のワールドリーダです。ルネサスがAltium 365をプラットフォームとして選択したことを誇りに思うとともに、高品質な統合ソリューションをこれまで以上に迅速かつ安価に提供するために協力していきたいと考えています。」
なお、本取り組みは開発の効率化により消費エネルギを低減するため、地球環境の改善に貢献します。
以 上
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