メインコンテンツに移動

インターシル、業界初のワンチップ50Aデジタル電源モジュール「ISL8272M」を発表

使いやすさに優れ、FPGA/プロセッサ/メモリ向けPMBus対応の先進POL電源ソリューションを提供

2015年3月16日

革新的なパワーマネジメントと高精度アナログ・ソリューションのプロバイダとして世界をリードするインターシル(本社:米国カリフォルニア州ミルピタス、NASDAQ:ISIL)は、すべての部品をワンチップに集積した業界初の50AデジタルDC/DC PMBus電源モジュールISL8272Mを発表しました。ISL8272Mは包括的な降圧電源モジュールで、業界標準の12Vまたは5V入力電源レールから最大50Aの出力電流を提供できるほか、4個のモジュールを並列に組み合わせると最大200Aの出力が可能です。スペースに制約があり、電力密度の高い通信機器やデータ通信機器搭載の先進的なFPGA、ASIC、プロセッサ、メモリ向けにPOL(ポイント・オブ・ロード)電圧変換機能を提供します。また、高性能の計測、産業、医療機器にも最適です。ISL8272Mの設計にはインターシルのPowerNavigator™グラフィカル・ユーザー・インタフェース(GUI)を使用することで、システムの電圧変換と構成の簡素化と設計時間の短縮が可能になります。

 

有線、無線、クラウド・コンピューティング・システムに使われる最新のFPGAや各種プロセッサの動作の複雑さが増し、性能が向上するとともに、電源レール数が増加しています。例えば、光通信システムの場合は、単一基板に60個もの電源が配置されるケースがあります。このように電源回路がますます複雑になる中で、99.999パーセントの稼働率確保のためには、テレメトリやシステム・モニタ機能など、高度なシステム・インテリジェンス機能と先進的なデジタル・パワーマネジメント機能が必要になっています。通信システムやルータの動作が停止すると、大きな経済的影響が発生します。例えば、伝送中にインターネット・ショップでのオンライン購入が不可能になる場合もあり、システムの稼働率は極めて重要な意味を持っています。

 

ISL8272Mはデジタル制御技術により、PMBusインタフェースを介して正確なシーケンスとシステム監視機能を提供します。採用されている革新的なChargeMode™コントロール・アーキテクチャは補償回路を不要にし、温度、変動、経年劣化などによる出力コンデンサの性能の変化があっても、デバイスの安定的動作の維持を可能にします。競合する電圧モード制御の電源モジュールでは、多くの場合、設計段階で複雑な計算、安定性解析、4~5個のディスクリート部品からなる補償ネットワークの作成が必要になります。また、ChargeModeコントロール・ループは、FPGAやDSPのデータ処理時に急激なパワー変動が起こった際、一般的に発生する電流負荷急変に対して、“シングル・クロック・サイクル”の高速過渡応答を実現します。

 

インターシルのインフラストラクチャ/インダストリアル・パワー・プロダクツ担当シニア・バイス・プレジデントのマーク・ダウニングは、「クラウド・コンピューティングの場合、効率の最大化と連続稼働の確保を図るために、システムのすべての電源レールの制御と監視はますます重要になるでしょう」と述べ、さらに、「集積度の高いISL8272Mは、電源電圧、電流、温度、故障状態を監視、制御し、システムの電力効率を状況に応じてダイナミックに最適化する、大電流のインテリジェント・デジタル電源モジュール・ソリューションをお客様に提供します」と語りました。

 

出力電流50AのISL8272Mはインターシルの実証済みの第4世代デジタル・コントローラ・ファミリをベースとしており、既存の25AのISL8270Mと33AのISL8271Mデジタル電源モジュールから、さらに大電流電源レールへの容易な移行を可能にします。インターシルのワンチップ電源モジュール・ファミリは、産業用のあらゆるピック&プレース実装機器と互換で、製造工程の完全自動化をサポートします。

 

  • 出力電流は50Aで、電流シェアリング機能を搭載。マルチフェーズ、マルチモジュールとして最大200Aの電源レールをサポート
  • すべての変換/動作パラメータに対応したフルシステム構成、テレメトリ、監視機能が可能なPMBusソリューション
  • 変換効率は最大96パーセント、出力電圧精度は1パーセント
  • シングル・クロック・サイクル過渡応答
  • ソフトスタート、ソフトストップ、シーケンシング、マージニング機能を個別にプログラム可能
  • 温度、電圧、電流保護機能を調整可能
  • 放熱特性を強化した小型の高密度アレイ(HAD)パッケージにより、熱管理、部品の配置、PCBルーティングを簡素化

 

インターシルのPowerNavigator GUIソフトウェアを使えば、すべてのデバイス・パラメータとテレメトリ機能の設定を含め、ISL8272Mの構成/設定を簡単に行うことができます。プログラムを書くことなく、デジタル電源回路の特性と機能の容易な変更が可能になります。PowerNavigator GUIのダウンロードとチュートリアル・ビデオについては、http://www.intersil.com/powernavigatorをご覧ください。

 

ISL8272Mは18 x 23 x 7.5mmの小型HDAパッケージで出荷が開始されており、1,000個一括購入時の単価は50.75米ドルです。また、製品開発期間を短縮する2種類の評価ボードを用意しています。50A出力デジタル・モジュール評価ボードの「ISL8272MEVAL1Z」を単価83米ドルで、150A出力評価ボードの「ISL8272MEVAL2Z」を単価150米ドルで提供しています。

 

ISL8272M DC/DCデジタルPMBus電源モジュールと評価ボードの詳細はhttp://www.intersil.com/products/isl8272mをご覧ください。

 

インターシルは3月16日から18日まで米国ノースカロライナ州シャーロットで開催されるApplied Power Electronics Conference and Expo(APEC)のブース(ブース番号:500)でISL8272Mのデモを行います。

 

※Intersil、IntersilロゴはIntersil Corporationの商標または登録商標です。そのほかのブランド名、製品名、マークなどは、それぞれの権利所有者が製品やサービスを表記するために使用している商標または登録商標の場合があります。


ニュースリリースに掲載されている情報(製品価格、仕様等を含む)は、発表日現在の情報です。 その後予告なしに変更されることがございますので、あらかじめご承知ください。

この記事をシェアする