革新的なパワーマネジメントと高精度アナログ・ソリューションのプロバイダとして世界をリードするインターシル(本社:米国カリフォルニア州ミルピタス、NASDAQ:ISIL)は、差動アナログ/デジタル・コンバータ(ADC)ドライバを内蔵した業界初の耐放射線性36V計測アンプを発表しました。新製品の高性能ISL70617SEH差動入力レール・ツー・レール出力計測アンプは、通信衛星に重要な低レベル・センサ・テレメトリ・データのために業界最高のシグナル・プロセッシング性能を提供します。高い集積度とクラス最高の性能により、システムのサイズ、重量、電力(SWAP)コストの低減と製品開発期間の短縮を可能にします。
ISL70617SEHは競合製品に比べて、すべてのゲイン設定で高いコモンモード除去比(CMRR)と電源電圧除去比(PSRR)を提供します。設計者は2個の外部抵抗を使い、計測アンプのゲインを0.1から10,000の間で簡単にプログラムできます。競合製品では高線量率テストが行われているのに対し、ISL70617SEHは宇宙環境に極めて近い10mrad/秒の低線量率テストが実施されており、ウエハ・レベルで75krad (Si)まで性能が保証されています。インターシル独自のシリコン・オン・インシュレータ・プロセスを採用しており、重イオン環境で60MeVのシングル・イベント・ラッチアップ(SEL)耐性とシングル・イベント・バーンアウト(SEB)耐性を提供します。さらに、10µ秒未満のシングル・イベント・トランジェント(SET)性能により、追加のフィルタリングを不要にします。
ISL70617SEHとともに発表したISL70517SEHは同様の特長を備えていますが、差動入力とレール・ツー・レール・シングルエンド出力を提供します。両製品ともに個別の電源ピンを使用し、異なる電源から入出力段への給電を可能にします。また、高いコモンモード電圧上で入力信号を受け取り、低電圧デバイスへのレベルシフトを可能にします。例えば、インターシルの計測アンプはアンプのレール・ツー・レール出力とADCの低電圧電源により、後段のICを高電圧信号から保護できます。これにより、ADCの最大入力ダイナミック範囲の維持と、ADC入力のオーバードライブの防止が可能になります。
インターシルのプレシジョン・プロダクツ担当シニア・バイス・プレジデントのフィリップ・チェスレイは「ISL70617SEHは宇宙産業初の真の差動エンドADCドライバです」と述べ、さらに「この製品により、軍用/商用通信衛星のミッション達成のためのニーズを満たすインターシルの耐放射線性製品ラインナップがさらに拡充しました」と語りました。
- 30µVの低入力オフセットと0.2nAの低入力バイアス電流
- 120dB(代表値)の優れたCMRRとPSRRにより、センサ信号の減衰、ゲイニング、フィルタリングを行い、信号品質を向上
- ±4~±18Vの広い動作電圧範囲により、大多数のアナログ電源レールに対応
- クローズドループ-3dB BW:0.3MHz(AV = 1k)~5.5MHz(A = 0.1)
- 拡張動作温度範囲:-55~+125℃
- 米国国防兵站局の検査により電気的特性を保証(SMD 5962-15246)
- 75krad(Si)の高線量レベルでウエハごとに承認テスト済み
- 業界で最も低い線量率(0.01rad(Si)/s)での放射線耐性は75krad(Si)
- SEB LETTH(VS = ±18V)耐性は最大60MeV•cm2/mg
ISL70617SEHとISL70517SEHはISL71830SEH 16チャネル/ISL71831SEH 32チャネル5Vマルチプレクサ、ISL71590SEH温度センサ、ISL71090SEH25基準電圧源、ISL75052SEH1.5A LDOレギュレータ、ISL75051SEH 3A LDOレギュレータや、ISL70444SEH、ISL70244SEH、ISL70417SEH、ISL70218SEH、ISL70227SEH、ISL70419SEHなどのオペアンプとの組み合わせにより、テレメトリ・シグナルチェーンのサポートと放射線耐性の向上を可能にします。
ISL70617SEH差動入出力計測アンプとISL70517SEHシングルエンド計測アンプは24ピンのセラミック・フラット・パッケージで供給が開始されています。デバイスの機能と性能の評価を可能にする評価ボードのほか、両製品のSEE/総線量テストのレポートも提供しています。ISL70617SEHとISL70517SEHの詳細はhttp://www.intersil.com/products/isl70617seh をご覧ください。
インターシルは7月11日から15日まで米国オレゴン州ポートランドで開催されているIEEE Nuclear and Space Radiation Effects Conference (NSREC)のブース(ブース番号:37)に耐放射線ICを出展しています。
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