革新的なパワーマネジメントと高精度アナログ・ソリューションのプロバイダとして世界をリードするインターシル(本社:米国カリフォルニア州ミルピタス、NASDAQ:ISIL)は、QML-V規格に完全準拠しISO11898-2物理層規格にも準拠する、業界初の耐放射線性3.3Vコントローラ・エリア・ネットワーク(CAN)トランシーバを発表しました。新製品の3つのCANトランシーバISL7202xSEHファミリは、CANコントローラとCANバス間で信頼性の高いシリアルデータ伝送を最大1Mbpsの速度で実現します。さらに、1つのCANバスに最大120のISL7202xSEHトランシーバの接続が可能で、ケーブル/ハーネスのサイズ、重量、電力(SWAP)コストを低減します。重量と質量の最大18パーセントの低減により、人工衛星の機能の大幅な向上を可能にするとともに、既存のポイント・ツー・ポイント・インタフェース・ソリューションに付随する配線の追加とトレードオフの問題を解消します。
3.3V CANトランシーバISL72026SEH、ISL72027SEH、ISL72028SEHは、インターシル独自のシリコン・オン・インシュレータ・プロセスの採用により、重イオン環境でのシングル・イベント・ラッチアップ(SEL)耐性とシングル・イベント・バーンアウト(SEB)耐性を確保しており、最も要求の厳しい環境下でも極めて優れた性能を提供します。電気だけを動力とする全電気推進衛星の登場により、積載量の最大化が可能になる一方で、最終軌道到達までの時間が長くなっており、ミッション達成のためには、テストの際に総線量を高くする必要があります。インターシルのCANトランシーバは、ウエハごとに最大75kradの低線量率試験が行われており、シングル・イベント・トランジェント(SET)軽減技術を採用していることから、システムレベルのビット誤り率を低減し、予見可能な性能を実現します。また、「コールドスペア」冗長機能を備えており、無電源状態のトランシーバをCANバスに追加接続できます。このミッション・クリティカルな機能により、システム寿命の最大化が可能になります。
ISL7202xSEHファミリは多数のユニークな特長を提供します。例えばISL72026SEHは、システムのデータ伝送中のノード診断/報告の実行を可能にするループバック・テスト機能を備えています。また、バス上のデータ受信を可能にするため、レシーバをアクティブに維持しながらドライバ回路をパワーダウンさせ、データ受信後にドライバをアクティブにする聴取モード機能も備えています。ISL72027SEHはVrefピンを使用して出力基準電圧Vcc/2を供給する分割ターミネーション出力も提供します。これにより、ネットワークの電磁両立性の向上と、バス電圧の安定化が実現し、動作停止時の高コモンモード電圧へのドリフトを防止します。ISL72028SEHは消費電力低減のためにドライバとレシーバをオフにして50μA に引き下げる低電力シャットダウン・モードを備えています。
欧州宇宙機関(ESA)のオンボード・コンピュータ・エンジニアのGianluca Furano氏は「宇宙船でのフルCANバス・プロトコルの採用は、従来使用されていたインタフェース・プロトコルに比べ大きな利点を提供します」と述べ、さらに、「統合CANバス・プロトコルの採用により、衛星の質量と消費電力の大幅な低減が可能になり、メーカーは価値の高い機能を追加できます」と語りました。
インターシルのプレシジョン・プロダクツ担当シニア・バイス・プレジデントのフィリップ・チェズレイは「私たちの宇宙製品のお客様は、既存のポイント・ツー・ポイント・データ伝送ソリューションに代わって、宇宙規格準拠の耐放射線性CANトランシーバを採用することを切望しています」と述べ、さらに、「ISL7202xSEHファミリは優れた性能を提供し、衛星ペイロード・システムのミッション達成のために必要な要件を満たします」と語りました。
- 米国国防兵站局の検査により電気的特性を保証(SMD 5962-15228)。ISO11898-2規格に準拠
- すべてのピンに4kV HBM(人体モデル)ESD保護
- 3.0~3.6Vの電源電圧範囲、-7~+12Vのコモンモード入力電圧範囲、5V耐性のロジック入力、地球上で±20V、軌道上で±18Vまでのバス・ピン故障保護
- 並行動作中のアクティブ・デバイスに影響を与えないコールドスペア・パワーダウン・デバイス
- 3つの選択可能なドライバ立ち上がり/立ち下がり時間
- パワーアップ時とパワーダウン時にグリッチ・フリーのバス入出力
- 完全フェールセーフ・レシーバ:開路、短絡、終端処理/非駆動
- バス上で120のノードを可能にするハイインピーダンス入力と、最大1Mbpsのデータレート
- 7mAの低静止電源電流
- サーマル・シャットダウン
- 低線量率照射(0.01rad(Si)/s)時の放射線耐性は75krad(Si)
- SEL/B耐性は最大LET 60MeV.cm2/mg
インターシルは衛星向け耐放射線性ソリューションで業界をリードしています。ISL7202xSEH 3.3V CANトランシーバは、温度センサ ISL71590SEH、基準電圧源 ISL71090SEH、 ISL71091SEH、オペアンプ ISL70444SEH、ISL70417SEH、 ISL70218SEH、ISL70227SEH、マルチプレクサ ISL71840SEH、LDO レギュレータ ISL75051SEH、ISL75052SEHなどとの組み合わせが可能で、耐放射線性能に優れた衛星ペイロード・システム向けのテレメトリ・データ処理を実現します。
ISL72026SEH、ISL72027SEH、ISL72028SEH 3.3V CANトランシーバは8ピンのセラミック・フラットパック・パッケージで供給が開始されており、規制品目番号5A991.bに基づき、米国商務省の輸出許可を取得しています。また、全製品ともダイの形で供給されます。デバイスの機能と性能の評価を可能する評価ボードISL72026SEHEVAL1Z、ISL72027SEHEVAL1Z、ISL72028SEHEVAL1Zも提供しています。
ISL72026SEH、ISL72027SEH、ISL72028SEH 3.3V CANトランシーバと評価ボードの詳細はhttp://www.intersil.com/products/isl72026seh をご覧ください。
インターシルはドイツのブレーメンで11月17日から19日まで開催されるSpace Tech Expo Europe のブース(ブース番号:J20)で耐放射線性ICを紹介します。
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