業界最高のESD保護を実現する次世代マルチプレクサ
革新的なパワーマネジメントと高精度アナログ・ソリューションのプロバイダとして世界をリードするインターシル(本社:米国カリフォルニア州ミルピタス、NASDAQ:ISIL)は、クラス最高の静電放電(ESD)保護、業界最高のシグナル・チェーン精度、タイミング性能を実現した新しい耐放射線性マルチプレクサISL71840SEHとISL71841SEHを発表しました。ISL71840SEHは30V 16チャネル・マルチプレクサで、NASAが最近実施した宇宙船「オリオン」の試験飛行を含めてこれまでほぼすべての人工衛星と宇宙探査機に搭載され、広く採用されてきたインターシルの既存製品HS9-1840ARHとピン互換で即座に代替できます。他方、ISL71841SEHはスペースに制約のあるアプリケーション向けの高性能30V 32チャネル・マルチプレクサで、2チップ構成のISL71840SEHに比べて基板スペースを41パーセント低減します。
ISL71840SEHとISL71841SEH耐放射線性マルチプレクサは、インターシル独自のシリコン・オン・インシュレータ・プロセスを採用しており、重イオン環境でのシングル・イベント・ラッチアップ(SEL)耐性を確保したことにより、最も過酷な環境で極めて高い性能を提供します。また、いずれも8kVの強化ESD保護機能を備えており、コストの高い保護ダイオードの入力ピンへの外付けを不要にします。さらに、±5V時のRON 抵抗を500Ωに、伝播遅延を800ns未満に抑え、総合的な性能と、処理と多重化後にアナログ/デジタル・コンバータ(ADC)入力部に伝送するテレメトリ信号の精度を向上します。
ISL71840SEHとISL71841SEHはテレメトリ・テストポイントの継続処理を維持するため、スイッチごとの過電圧保護機能を備えています。このため、ある入力チャネルで過電圧が発生しても、残りのチャネルがADCへのデータ伝送を継続します。さらに、「コールドスペア」冗長機能を備えていることから、コモン・データバスに2~3個の無電源状態のマルチプレクサを追加接続できます。この機能は、20年に及ぶミッション・クリティカルな宇宙飛行で特に重要な意味を持ちます。何らかの理由で必要性が生じた場合には、予備のマルチプレクサを直ちに作動できます。いずれも電源電圧範囲が分割電源動作時で±10.8V~16.5V、絶対最大値で±20Vと広く、設計者は十分なディレーティング・マージンを確保できます。
インターシルのプレシジョン・プロダクツ担当シニア・バイス・プレジデントのフィリップ・チェズレイは、「ISL71840SEHとISL71841SEHマルチプレクサは、HS9-1840ARHの性能と信頼性を引き継ぐとともに新たな機能を追加しており、データ・アクイジション・システムの最新のニーズに対応しています」と述べ、さらに「16チャネルと32チャネルの両デバイスは、次世代の人工衛星と深宇宙探査に携わる有人宇宙飛行船のミッションを確実に達成するために必要な要件を理想的に満たしています」と語りました。
ISL71840SEHとISL71841SEHマルチプレクサを、ISL71590SEH耐放射線性温度センサ、 ISL71090SEH25基準電圧源、オペアンプのISL70444SEH、ISL70244SEH、ISL70417SEH、ISL70218SEH、ISL70227SEH、ISL70419SEHなどと組み合わせて使用すると、耐放射線性能に優れた包括的なアナログ・シグナル・チェーンを構成できます。
- 8kV HBM(人体モデル)のESD保護
- 真のレール・ツー・レール動作とシャットオフ付き過電圧保護
- 8kV HBM(人体モデル)のESD保護
- 真のレール・ツー・レール動作とシャットオフ付き過電圧保護
- グラウンド±25Vからのコールドスペアとグラウンド±35Vからのアナログ過電圧範囲
- スイッチオフ時リーク電流が100nA、RON 抵抗が500Ω未満と低く、消費電力を低減するとともに、信号品質と全高調波歪み(THD)特性を向上
- 5μs未満の高速応答時間を実現する三重冗長デコーダにより、シングル・イベント・トランジェント(SET)性能を大幅に向上
- スイッチオフ時絶縁効果とクロストーク除去機能の向上により、マルチプレクサのディスエーブル時にグラウンドへの確実な出力リークを実現
- VREFピンによる可変ロジック・スレッショルド制御
- 高線量率照射(50~300rad(Si)/s)時の放射線耐性は100krad(Si)
- 低線量率照射(0.01rad(Si)/s)時の放射線耐性は50krad(Si)
- SEL/B耐性は最大86MeV.cm2/mg
SL71840SEH 16チャネル・マルチプレクサは18.8 x 14mmの小型28ピン・セラミック・フラットパック・パッケージで、ISL71841SEH 32チャネル・マルチプレクサは14mm角の48ピン・セラミック・クワッド・フラットパック・パッケージで出荷が開始されており、両製品ともダイの形で供給されます。また、デバイスの機能と性能の評価を可能にする、16チャネルのISL71840SEHEVAL1Zと32チャネルのISL71841SEHEVAL1Zの2種類の評価ボードを提供しています。
ISL71840SEHとISL71841SEHマルチプレクサと評価ボードの詳細はhttp://www.intersil.com/products/isl71840seh をご覧ください。
インターシルは米国マサチューセッツ州ボストンで7月13日から17日まで開催されるIEEE Nuclear and Space Radiation Effects Conference (NSREC)のブース(ブース番号:37)で耐放射線性ICを紹介します。
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