出力電圧は4.1Vで、低リーク電流により オフ時のeCall用バックアップ・バッテリ寿命を延長

2014年9月23日

革新的なパワーマネジメントと高精度アナログ・ソリューションのプロバイダとして世界をリードするインターシル(本社:米国カリフォルニア州ミルピタス、NASDAQ:ISIL)は、車載緊急通報(eCall)システムのリチウムイオン・バッテリの寿命延長を実現する4.1Vシングルセル・バッテリ・チャージャISL78692を発表しました。ISL78692はリーク電流が3μAと競合製品に比べて低く、バックアップ・バッテリの使用時間延長を可能にします。充電圧が低く、バッテリ寿命を延長するほか、実装面積も小さいことから、トータル・ソリューション・サイズの低減も可能になります。

eCallは自動車事故発生時に、緊急サービス・センターに自動的に通報するシステムです。ISL78692リチウムイオン・バッテリ・チャージャは、EU全域で発生した交通事故に巻き込まれた人に対して緊急支援を行う欧州のeCallイニシアチブや、米国で安全/セキュリティ・サービスを提供するOnStar®など、世界中で新たに登場しつつある緊急通報システムをサポートするために開発されたものです。

ISL78692はバッテリ温度モニタ機能を備えているほか、出力電圧が4.1Vと低いことから、普及しているLiFeP04バッテリ寿命の延長を実現します。ISL78692は集積度が高く、充電電流のプログラムに必要な外付け部品点数はわずか5点です。サイズが3mm角の小型DFNパッケージを採用しており、スペースに制約のある基板にも最適です。また、バッテリ充電電流の自動低減により過熱を防ぐ、ユニークな充電電流サーマル・フォールドバック機能を搭載しており、堅牢性の向上と実装面積の低減を実現します。

インターシルのプレシジョン・プロダクツ担当バイス・プレジデントのフィリップ・チェズレイは、「OEM企業が望んでいるのは、長時間停車時に車両のバックアップ・バッテリが急速に放電するのを防ぐことのできる車載規格準拠バッテリ・チャージャです」と述べ、さらに「ISL78692はインターシル独自のパワーマネジメント技術を採用しており、リーク電流を業界最小レベルに抑え、車載eCallシステムに最適な機能を提供するソリューションです」と語りました。

  • シングルセル・リチウムイオン・バッテリ向けの包括的チャージャ・ソリューションを提供
  • -40℃~+85℃の温度範囲でのリーク電流は最大3μAで、入力電圧がオフ時にバックアップ・バッテリの使用時間を延長
  • 充電電流は1Aまでプログラム可能で、発熱の増加を伴う急速バッテリ充電か、あるいはバッテリ寿命の延長を重視するかの選択が可能
  • 始動直後に最小2.65Vでの動作を保証し、コールドクランク・スタート時のシャットオフを回避
  • 初期電圧精度は1パーセントで、バッテリ寿命の延長のために充電レベルの高精度制御が可能
  • パワートランジスタと電流センサを内蔵
  • 完全放電したバッテリの電圧を2.8Vの最低充電レベルまで回復させるための10パーセント・トリクル充電設定
  • NTCサーミスタ入力は温度監視によりバッテリを保護するとともに、充電中のバッテリ温度が規定の範囲を超えた際にチャージャをシャットオフ
  • AEC-Q100グレード3に準拠

ISL78692リチウムイオン・バッテリ・チャージャは3mm角の10ピンDFNパッケージで出荷が開始されており、1,000個一括購入時の単価は0.99米ドルです。評価ボード「ISL78692EVAL1Z」を単価56米ドルで提供しています。

ISL78692リチウムイオン・バッテリ・チャージャの詳細はhttp://www.intersil.com/products/isl78692をご覧ください。

 

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