ルネサス エレクトロニクス株式会社(代表取締役社長:赤尾 泰、以下ルネサス)および、データ記憶装置(ストレージ)向け信号処理技術開発の先進企業であるLink_A_Media Devices Corporation(会長兼CEO:ヘマント・ターパー、所在地:米国カリフォルニア州サンタクララ市、以下LAMD)は、データ記憶装置向けシステムLSI(SoC)に関する協業を拡大することに合意しました。
両社は、2005年11月に次世代ハードディスク・ドライブ(HDD)向けSoCにおける協業に合意し、LAMDの開発したHDD向けSoCを、ルネサス(旧NECエレクトロニクス株式会社)の製造ラインで生産し、LAMDが販売してまいりました。このたびの合意により、両社は、HDD向けに加えてフラッシュメモリを用いたSSD(Solid State Drive)市場向けの次世代SoCに協業を拡大します。
近年、デジタル化された音楽や映像コンテンツの増加に伴い、IT機器に搭載されるストレージに対して急激な大容量化が求められています。IDCの調査(注1)によれば個人向けストレージおよびポータブルPCの高い成長を背景として、HDDの出荷台数は5.57億台(2009年)から8.11億台以上(2013年)に増加すると予測されています(注1)。さらに、SSD市場についても、まだ規模は小さいながら2008年から2013年にかけて年平均54%で成長し、2013年には出荷台数が8400万台に達すると見込まれています(注2)。
両社は、LAMDの先進的なLDPC(注3)誤り訂正(ECC、注4)技術とデータ復元技術、およびルネサスの先端の製造プロセスとIPコアをベースとして、大きな成長が見込まれるストレージ市場に対応したSoCを共同開発しています。こうした技術は、低消費電力化とともに、データ読み出し時の雑音耐性向上、高効率のフォーマット、ディスクドライブの良品率向上に貢献します。高密度記録のための”Shingled Write Recording(瓦記録)技術”に対応した本SoCを用いることにより、HDDメーカーは大容量化に対する強い市場要求を実現できます。
今回の協業拡大により、ルネサスとLAMDは、HDDとSSD市場の需要に応える優れた製品を提案し続けるとともに、市場要求に応える革新的なソリューションの開発を継続していきます。
以 上
Link_A_Media Devices Corporationの概要
(注1) IDC, Worldwide Hard Disk Drive 2010–2014 Forecast: Die-Hard Markets Drive Steady Growth, Doc.# 223412, June 2010.
(注2) IDC, Worldwide Solid State Drive 2009 – 2013 Forecast Update, #221415, December 2009.
(注3) LDPC:low density parity check
高速・大容量通信や高密度記録媒体向けに応用されている誤り訂正方式。複雑な演算が必要だが誤り訂正能力が高い。
(注4) ECC:error correction coding
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