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車載トップビューシステム等を1チップで実現する画像認識SoC「SH7766」を発売

~視点変換、輝度補正などのView(見せる)機能を強化し、わかりやすく見やすい情報表示を実現~

2011年10月13日

 ルネサス エレクトロニクス株式会社(代表取締役社長:赤尾 泰、以下ルネサス)とその子会社、ルネサス モバイル株式会社(代表取締役社長:川崎 郁也)は、このたび、車周辺のトップビュー画像表示や、レーン、標識、人、車などの情報表示を行なうシステムを1チップで実現する次世代画像認識SoC(System on Chip:システムLSI)「SH7766」を製品化し、2011年11月からサンプル出荷を開始します。

 新製品は、当社既存の画像認識SoC「SH77650」との互換性を保ちながら性能向上し、特に視点変換、ダイナミックレンジコントロール(輝度補正等)などView(見せる)機能を強化しています。このためシーン毎に異なる視点のトップビュー画像をリアルタイムに見やすく表示でき、高度運転者支援システム(Advanced Driver Assistance System、以下ADAS)で、新たに期待されている次世代トップビュー(注1)などのアプリケーションを実現できます。

 新製品のサンプル価格は5,000円/個となっており、量産は2013年9月から開始し、2014年9月には月産10万個を計画しております。

背景

 ADASのアプリケーションは レーン逸脱警告システム(注2)を中心に普及していますが、並行して、リアモニター、トップビューモニターなど自動車の周辺をモニターするViewアプリケーションも広がりを見せています。ADASは、今後、車の前方、周辺を網羅するシームレスなシステムへと進展していくなかで、その中核をなすセンシング技術のひとつである画像認識技術とともに、ドライバーが見やすい方法で、明確な表示を行うView機能の拡充が求められています。

 一方、画像認識は、アプリケーションの多様化により、レーンの認識だけでなく、標識、人、車など、複数の対象を同時に認識することが求められています。このため、複数の処理を並行して実施する画像認識エンジンの性能向上が求められると共に、人の認識などシーンによって形が変わる対象の画像認識のアルゴリズムは、多くの判断処理が実施されるため、CPUを用いた効率的なアーキテクチャが必要となっています。

 こうしたニーズに対応するため、量産中で実績ある画像認識SoC「SH77650」の性能向上に加え、View機能強化と画像認識エンジンの高性能化を図った次世代画像認識SoC「SH7766」を製品化したものです。

特長

 新製品の主な特長は以下の通りです。

(1)View機能向け、視点変換エンジン、ダイナミックレンジコントロールを搭載

新製品は、新たに視点変換エンジン、ダイナミックレンジコントールなどView機能向けのハードウエアエンジンを搭載。視点変換エンジン「IMR(Image Renderer)」はビデオ入力毎に対応し、シーン毎に異なる視点のトップビュー画像をリアルタイムに作成することができます。また、ダイナミックレンジコントロール(DRC)は、日向、日陰の輝度の大きく異なる複数の画像であっても、画像の輝度を整え、白とび、黒つぶれを同時に補正し、ドライバーがもっとも見やすく表示することができます。

また、搭載している2Dグラフィックスエンジンに加え、オプションの3Dグラフィックスエンジン(注3)を使用してカメラ画像上に高度なグラフィックスを重ね合わせることで、いままでにない高度なユーザインタフェースを作成することができます。

(2)次世代画像認識エンジン「IMP-X2」を搭載

新製品は、次世代画像認識エンジン「IMP-X2」を搭載。「IMP-X2」は従来のルネサス当社既存の認識エンジン「IMP(Image Processing Engine)」とライブラリ互換を保ちながら、約4倍以上の処理性能を実現しています。また、人、車など判断系の処理を多用する画像認識アルゴリズムに対して、インテグラルイメージの生成など新たな機能を追加し、1チップに搭載したCPUの処理判断との連携により、低消費電力ながら高度な画像認識性能を実現しています。

(3)NTSC ADCを内蔵した4チャネルを含む6チャネルの画像入力により、システムコストの低減を実現

新製品は、6チャネル(本)のビデオ入力を搭載。そのうち4チャネルはNTSCアナログデジタルコンバータ(ADC)を内蔵しており、1チップでNTSCカメラを用いたシステムを構成できます。また、6チャネルのビデオ入力を利用し、例えば走行時はデジタルの2チャネル、交差点、駐車時はNTSCの4チャネルとシーン毎に切り替えることで、複数のアプリケーションを1チップで実現可能です。

 新製品は、ルネサス統合の車載情報端末向けSoC「R-Car」シリーズと、アーキテクチャ、IP、ソフトウェアの共通化を図っており、画像認識、視点変換機能が搭載されたナビゲーション機器、車載情報端末への展開が可能です。

新製品の仕様は、別紙をご参照下さい。

以 上

(注1)次世代トップビューモニタ:車の周辺状況を、ドライバーへ見やすい方で表示し、画像認識技術を用いて見落とし防止する実現するアプリケーション

(注2)レーン逸脱警告システム:走行時のレーンをモニターし逸脱すると警告を出す代表的なADASシステム

(注3)3Dグラフィックスエンジン:英国Imagination Technologies Limitedの高度な3DグラフィックスIP「PowerVR SGX530」をオプションとして揃えています。

* PowerVR、SGXはImagination Technologies Limitedの登録商標または商標です。

その他、本リリース中の製品名やサービス名は全てそれぞれの所有者に属する商標または登録商標です


ニュースリリースに掲載されている情報(製品価格、仕様等を含む)は、発表日現在の情報です。 その後予告なしに変更されることがございますので、あらかじめご承知ください。

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