~CD/DVD/BDプレーヤー向け受光ICの技術を活かし、照度センサ市場へ参入~
2011年5月16日

 ルネサス エレクトロニクス株式会社(代表取締役社長:赤尾 泰、以下ルネサス)はこのたび、業界トップシェア(注)となるCD/DVD/BDプレーヤー装置向け受光ダイオードICの開発・製品化で培ってきた技術を応用し、ディスプレイを見やすい明るさに自動調整するなどの性能向上および低消費電力化に貢献する照度センサ市場への参入を決定し、「PH5551A2NA1」の名称で、本日よりサンプル出荷を開始いたします。

 新製品は、周囲環境光の明るさを検知し、その明るさに応じた信号をマイコンなどへ出力するデジタル照度センサで、(1) 実装面積が業界最小・最薄クラスとなる1.56mm×2.55mm×0.55mm、6ピンの超小型透明樹脂SON (Small Outline Non-lead) パッケージを採用し、(2) 蛍光灯やLED照明などの各種光源による感度変動を±20%に低減しているなどの特長を有しております。

 新製品の採用により、屋内外で用いられるデジタル家電、携帯端末、FA機器、照明機器などの自動輝度調整および自動オン/オフスイッチの回路の小型化かつ高精度化が可能になります。

 新製品のサンプル価格は100円/個、量産は2011年5月より月産100万個で開始する計画です。

 照度センサは人間の感じる明るさを検知し、その明るさに応じた信号をマイコンなどに出力するデバイスです。主としてディスプレイを搭載したデジタル機器において、周囲環境光の強さに対応してバックライトの自動輝度調整や自動オン/オフを可能にします。ディスプレイを見やすい明るさに自動調整するなどの性能向上および低消費電力化に貢献できるため、今後、デジタル家電、携帯端末、FA機器、照明機器などに搭載され、2011年度から2013年度は年平均成長率20%の市場拡大が見込まれております。

 一方、従来このような用途には硫化カドミウムを使った光センサなどが広く使用されていましたが、環境負荷軽減に向けてシリコン半導体を用いた照度センサの需要が高まっています。

 このような状況のもと、ルネサスは、CD/DVD/BDプレーヤー装置向け受光ダイオードIC市場で培ってきたプロセス技術、回路技術、パッケージ技術および製造技術を応用し、照度センサ市場へ新規参入することを決定いたしました。

 新製品はデジタル機器、携帯端末、FA機器、照明機器などの自動輝度調整をはじめとする性能向上・低消費電力化・小型化に貢献するものとして開発されたものです。

 新製品の特長の詳細は、以下のとおりです。

(1)業界最小・最薄クラスの透明樹脂SONパッケージを採用

 当社が受光ダイオードICの開発・製品化において長年培ってきた透明樹脂パッケージ設計技術と製造技術を活かし、1.56mm×2.55mm×0.55mmとなる業界最小・最薄クラスの透明樹脂SONパッケージを実現。ピン間距離0.5mmの確保およびSONパッ ケージの採用により、基板内の高密度実装が容易に実現できる。

(2)各種光源に対する感度変動を±20%へ低減

 波長感度の異なる複数の受光部からの信号を内部回路で演算処理することにより、蛍光灯、LED照明、白熱灯などの様々な光源に対する感度の変動を、±20%に抑えている。これにより、照明環境によらず、人間の感じる明るさに応じた制御が可能。

(3)マイコンと組み合わせる際の使い勝手を向上

 照度センサのデジタル信号出力用途として一般的なI2C Busのスレーブアドレス(識別番号)を2つ搭載しているため、ひとつのマイコンに複数の照度センサを接続し、必要に応じて使い分けることが可能。

 また、あらかじめ設定された照度の閾値を超えた場合、マイコンなどのマスタ側へ信号を出力するインタラプト(割り込み)機能を内蔵。これにより、マイコンがセンサとの通信を常時行う必要がないため、マイコンの負荷軽減に貢献できる。

 ルネサスは、デジタル家電、携帯端末、FA機器など今後、飛躍的に市場の拡大が期待されるディスプレイ搭載機器に向けて、自動輝度調整をはじめとする性能向上・低消費電力化・小型化に貢献する照度センサの製品開発を促進し、続々と市場投入を図ってまいります。また当社は、新製品を特に小型化・輝度調整の性能向上に役立つものと位置づけ、拡販活動を推進いたします。

 新製品の主な仕様は別紙をご参照下さい。

以 上

(注)ルネサス推定:CD/DVD/BDプレーヤーの受光ダイオードIC市場の約8割シェアを有する(2010年)。

*I2C および I2S はNXP Semiconductors の登録商標です。その他、本リリース中の製品名やサービス名は全てそれぞれの所有者に属する商標または登録商標です。


ニュースリリースに掲載されている情報(製品価格、仕様等を含む)は、発表日現在の情報です。 その後予告なしに変更されることがございますので、あらかじめご承知ください。

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