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ノートPCの省電力化に貢献する低損失のパワー半導体(MOSFET)を発売

2012年2月16日

 ルネサス エレクトロニクス株式会社(代表取締役社長:赤尾 泰、以下ルネサス)はこのたび、ノート型パソコン(以下ノートPC)におけるリチウムイオン二次電池の充放電制御スイッチやACアダプタとの電源切り替え用のパワーマネージメントスイッチとして、低損失のパワー半導体(MOSFET(注1))「μPA2812T1L」など計5品種を製品化し、本日よりサンプル出荷を開始します。

 新製品は、(1)当社従来品に比べ約半分の低損失化(低オン抵抗(注2)化)を実現。「μPA2812T1L」では、3.3mm角の小型パッケージ(HVSON(3333))で業界最小クラスとなる4.2ミリオーム(mΩ)の低オン抵抗を実現しました。また、(2)当社従来品で同等の性能(低オン抵抗)を実現するには、約3倍大きいSOP-8パッケージ品を用いており、「μPA2812T1L」を使用することにより約2/3の実装面積を低減できます。このため、ノートPCに求められる省電力化や小型化に貢献します

 新製品は2012年4月から量産を開始し、2013年4月以降には5品種合計で月産500万個を生産予定です。

背景

 近年、ノートPCにおいては、システム全体の省電力化や電池駆動時間の長時間化、筐体の小型・薄型化が求められています。そして、リチウムイオン二次電池の充放電制御スイッチやACアダプタとのパワーマネージメントスイッチには、システム全体を動作させるための大きな電流が流れるため、スイッチに使用するパワーMOSFETには、動作している時の動作抵抗(オン抵抗)をより低減することで、システムの消費電力を低減することが要求されています。 また、筐体の小型・薄型化のためにリチウムイオン電池パックの小型・薄型の要求が強く、パワーMOSFETには従来のSOP-8パッケージよりも小型であることが求められています。

 これらの要求に対応するため、当社では、微細プロセスの採用等により従来の本用途向けパワーMOSFETプロセスに比較して同一有効面積でオン抵抗を約半分に低減できるプロセスを確立し、今回、低オン抵抗で小型パッケージを実現した「μPA2812T1L」など計5品種を製品化したものです。

特長

 新製品は、耐圧(VDSS)-30VのP型パワーMOSFETで、主な特長は以下の通りです。

(1)業界最小クラスの低オン抵抗を実現し、システムの省電力化と電池駆動時間の長時間化に貢献

新製品は、当社従来品に比べ約半分の低オン抵抗化を実現。「μPA2812T1L」では、小型3.3mm角の面実装パッケージ品では業界最小クラスのオン抵抗4.2mΩ(typ.)を実現しました。このため消費電力を低く抑えられ、システムの省電力化やリチウムイオン二次電池の駆動時間の長時間化が図れます。

また、オン抵抗を低減したことにより、例えば当社従来品「μPA2810T1L」を並列で用いた回路を新製品の「μPA2812T1L」に置き換えることも可能となるなど、システムの実装面積削減にも貢献できます。

(2)同一性能の当社従来品から約2/3の実装面積低減により、システムの小型化に貢献

当社従来品で「μPA2812T1L」と同等の低オン抵抗を実現するには、約3倍大きいSOP-8パッケージ品を用いておりましたが、「μPA2812T1L」により約2/3の実装面積を低減できます。このため、ノートPCの電源システムの小型化に貢献します。

(3)動作電流に応じた幅広いラインアップ

新製品は、「μPA2812T1L」を含めオン抵抗で4.2mΩから12mΩ(typ.)までの合計5品種を揃えており、動作電流や環境条件などの様々なニーズに、より最適な製品を提供できます。

 なお、今回採用している3.3mm角の小型パッケージ(HVSON(3333))は、高放熱タイプであり、露出させたリードフレームから実装基板にパッケージ内の熱を放熱することができます。SOP-8などの高放熱タイプではないパッケージよりも製品周辺の熱を抑えられるため、リチウムイオン電池パックなどの小型化や薄型に貢献できます。

 新製品のサンプル価格は、1個あたり50円となっております。

 今後は、さらに小型パッケージへ展開するなどの製品ラインアップ強化を予定しております。

新製品の仕様は、別紙をご参照下さい。

以 上

(注1)MOSFETはMetal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor(金属酸化膜半導体 電界効果トランジスタ)の略。MOSFETにはその構造により、P型(チャネル)とN型があり、新製品はP型の製品。

(注2)オン抵抗(Ron)はパワーMOSFETが動作している時の動作抵抗であり、数値が低いほど損失(導通損失)を低減できます。

*本リリース中の製品名やサービス名は全てそれぞれの所有者に属する商標または登録商標です。


ニュースリリースに掲載されている情報(製品価格、仕様等を含む)は、発表日現在の情報です。 その後予告なしに変更されることがございますので、あらかじめご承知ください。

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