~業界標準規格に対応した携帯型ヘルスケア機器の開発容易化、およびバッテリー駆動の長期化に貢献~
2011年8月9日

 ルネサス エレクトロニクス株式会社(代表取締役社長:赤尾 泰、以下ルネサス)は、このたび、パーソナル・ヘルスケア産業の発展にむけ、携帯型健康機器用システムソリューションとして、当社V850マイコンを搭載したUSB対応血糖値計用デモ機を開発し、コンティニュア・ヘルス・アライアンス (Continua Health Alliance、以下コンティニュア)(注1)の認証を取得しました。本デモ機でのサポートは、まず米国で本日より開始し、日本では2011年10月より開始予定です。

 コンティニュアは、パーソナル・ヘルスケアの質的向上のために、健康機器や医療機器のデジタル化促進と通信規格の統一を目標に設立された非営利団体です。本デモ機は、コンティニュア対応機器とのUSB接続によるデータ転送が容易となるため、例えば本デモ機に入力された血糖値の測定データ(注2)をコンティニュア規格のデータフォーマットへ変換し、USB経由でパソコンに繋ぐと、コンティニュア規格対応データベースが立ち上がり、測定時間も含めてデータ入力する等のシステム設計を容易化できます。

 加えて、低消費電力で高性能のV850マイコンにより、バッテリー駆動時間の長い血糖値計を開発可能です。

 近年、生活習慣病の増加や医療費の高額化などの課題に対し、情報通信技術(Information and Communication Technology:ICT)を活用して家庭で健康管理を行うパーソナル・ヘルスケアが重要となっています。その際、家庭の健康機器(血糖値計、血圧計等)と、医療機関やヘルスケアサービス等にある機器との相互接続を、業界標準であるコンティニュア規格に対応して行うことで、システムの容易化かつ情報の質を高めることが可能となります。

 ルネサスでは、兼ねてよりヘルスケア分野向けに省電力マイコンとそのシステムソリューションを提供すると共に、コンティニュアに参画し、新技術のコンティニュア対応健康機器向けのシステムソリューション提供を検討してまいりました。そして今回、コンティニュア規格対応の血糖値計用デモ機を開発し、認証を取得したものです。

 本USB対応の携帯型血糖値計用デモ機では、USB機能内蔵の32ビットV850マイコン「V850ES/Jx3-L」を搭載しています。「V850ES/Jx3-L」は、1MHzあたり1.9DMIPS(Dhrystone MIPS:ドライストーンミップス)(注3)、および1DMIPSあたり350uAとエネルギー効率に優れ、低消費電流ため、携帯型機器には重要な低消費電力で血糖値の測定やUSBでのデータ転送が行えます。また、高性能処理を低周波数で行えるため、電磁妨害(Electro Magnetic Interference:EMI)も抑制可能です。加えて、1Mバイトまでの大容量フラッシュメモリを内蔵しているため、今後、データ通信方法の進展に伴い、各種健康機器間の通信仕様が進化した際のソフトウェア追加の場合等でも、格納可能です。

 また、本デモ機におけるコンティニュア対応のソフトウェアは、各種コンティニュア対応システムを手がける米国Lamprey Networks Inc(注4)が開発したものです。本ソフトウェアはコンティニュア認証を得ており、ルネサスの他の様々なマイコンにも今後展開可能となっています。

 また、コンティニュアは血糖値計以外にも、血圧計などの健康機器向けの規定もしており、こうした機器向けにもLamprey Networksはソフトウェア対応を行っているため、他の機器向けに展開する際のシステム開発期間短縮が図れます。

 ルネサスでは今後も当社マイコンの優れた「低消費電力かつ高性能」の特長とシステムサポート力を活かし、最新の相互接続機能を備えた携帯型健康機器向けのシステムソリューションを提供していきます。

 なお、本デモ機は2011年10月4日(火)から千葉市、幕張メッセで開催される「CEATEC JAPAN 2011」デジタルヘルスケアプラザに展示、デモを行う予定です。

以 上

(注1)コンティニュア・ヘルス・アライアンス(Continua Health Alliance)は、パーソナル・ヘルスケアの質的向上をめざして、様々な医療機器や健康管理サービスの連携を通じて人々の健康管理を支援する NPO 法人です。参加メンバーは全世界で230社を超え、人々の健康増進や健康管理、自立した生活の実現に向け、相互運用可能なパーソナル・ヘルス・ソリューションの確立に努めています。詳細な情報は、http://www.continuaalliance.orgをご覧下さい。

(注2)本デモ機は、(血糖値の測定機能は非搭載のため)血糖値とみなした疑似データを使用します。

(注3)Dhrystone MIPS(Million Instructions Per Second)とは、コンピュータの演算性能を評価するプログラムDhrystoneによる性能測定値のこと。

(注4)Lamprey Networks Incが開発した今回のコンティニュア対応デモ機用ソフトウェアは、日本では株式会社アライヴが取り扱っています。詳細な情報は、http://www.alive-inc.jpをご覧ください。

*ContinuaはContinua Health Allianceの登録商標です。

その他、本リリース中の製品名やサービス名は全てそれぞれの所有者に属する商標または登録商標です。


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