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業界最小クラスの送受信遅延時間を実現する、産業機器向けイーサネットPHY(物理層)LSIを発売

~ネットワーク診断機能、タイマー機能も搭載し、複数機器とのリアルタイムで高品質の通信に貢献~

2011年11月24日

 ルネサス エレクトロニクス株式会社(代表取締役社長:赤尾 泰、以下ルネサス)は、このたび産業ネットワーク分野において、業界最小クラスの送受信遅延時間やケーブル診断機能などを付加した産業機器向けのイーサネットPHY(physical layer:物理層)LSI「μPD60610GA」「μPD60611GA(IEEE1588 v2サポート版)」を製品化しました。新製品は入出力が1本のタイプのシングルチャネル製品で、2012年1月よりサンプル出荷を開始します。そして量産は2012年4月に開始し、2013年4月には、月産10万個を生産予定です。

 イーサネットPHY・LSIは、イーサネット対応機器のデータ送受信部において、データを送信する際はケーブル伝送に適した符号にデータを変換し、受信する際は長距離伝送されてきた信号を最適処理して元データに復元するLSIです。

 近年、産業機器分野においてイーサネットの普及が急速に進み、工場内のオートメーションシステムで幅広く利用されています。そして市場の拡大に伴い、リアルタイム性の確保や高品質な通信に対するニーズが高まっており、こうしたニーズに対応するため、当社では既に、イーサネットPHY・LSI第一弾として複数ポートを持つ装置向けにデュアルチャネル(2本)品を製品化しております。そして今回、第二弾として単一インタフェース装置向けにシングルチャネルの「μPD60610GA」「μPD60611GA」を製品化したものです。

 新製品の主な特長は以下の通りです。

1. 業界最小クラスの送受信遅延時間を実現

送受信回路の最適化により、ホストから受信した信号を次のネットワークに向けて送信するデータ処理遅延(レイテンシ)を当社比で約35%低減し、業界最小クラスの送受信遅延時間を実現。

2. エンハンス・リンク制御機能によりリアルタイム処理に対応

産業ロボット等において求められるネットワークの迅速な接続、切断を達成するために、接続/接続処理の最適化を実施し、当社比で約1/4の時間でのリンク確立を達成。

3. 通信ケーブルのモニタリング・診断機能搭載

通信品質を常時監視するケーブルモニタリング機能、信号の反射状況を調べてケーブルに発生した問題とその箇所を特定するTDR(Time Domain Refraction)機能搭載により、通信の高品質化とメンテナンスの容易化に貢献。

4. IEEE1588v2タイマー機能による高精度同期(「μPD60611 GA」のみ)

「μPD60611 GA」はIEEE1588 v2に対応。1ナノ秒(ns)精度のタイムスタンプを付加したパケットを送受信することにより、高精度のクロック同期を実現。これによって、複数の産業機器の同期制御とリアルタイム通信が可能。

 新製品は、10BASE-T/100BASE-TX/FX のIEEE802.3に準拠しており、高品質な産業イーサネット通信を実現いたします。また、既存の産業用イーサネットであるEthernet/IP、SERCOS III、EtherCATやPROFINET等の産業通信プロトコルにも、対応しております。なお、サンプル価格は未定です。

 当社では、今回開発した産業用イーサネットPHY・LSIを産業用ネットワーク用ASSP製品として提供するだけではなく、当社のASICの IPマクロとして使用することで、より高度な産業通信システムを提案してまいります。

新製品の仕様は、別紙をご参照下さい。

 なお、当社は本年11月22日から24日にドイツ・ニュルンベルクで開催されている「SPS/IPC/DRIVES 2011」にて、新製品を展示しております。

 

以 上

*本リリース内で言及された製品名、サービス名はそれぞれの所有者の商標または登録商標です。


ニュースリリースに掲載されている情報(製品価格、仕様等を含む)は、発表日現在の情報です。 その後予告なしに変更されることがございますので、あらかじめご承知ください。

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