~LED駆動電圧を動作に応じ最適に制御するため、当社比で最大20%の消費電力削減を実現~
2011年5月24日

 ルネサス エレクトロニクス株式会社(代表取締役社長:赤尾 泰、以下ルネサス)はこのたび、市場成長が著しい液晶TVのLEDバックライト (注1)向けに、当社比で最大20%消費電力を削減可能なLEDドライバIC「R2A50106FT」を製品化し、本日より量産を開始いたします。

 新製品はバックライトに使用される白色LEDを駆動するドライバICで、長年電源ICで培ってきた昇圧回路技術を活かし、新規開発した独自の昇圧制御回路をドライバICに内蔵することによりバックラ イトシステムの省電力化を実現しています。また、高輝度LEDを駆動可能な定電流ドライバ8本(8チャネル)を集積化しており、外付け部品の削減が可能となるため、高輝度LEDのバックライトシステム設計を容易化できます。

 新製品のサンプル価格は1個あたり160円で、量産開始1年後となる2012年5月には月産200万個を計画しています。

 LEDバックライトを搭載した液晶TVは、従来の冷陰極蛍光ランプ(CCFL(注2))バックライトを搭載したTVと比較して(1)低消費電力、(2)筐体の薄型化、(3)環境配慮(水銀フリー)の観点で優れており、近年搭載率が急増しております。しかし、エコ社会に向けて更なる低消費電力化が望まれています。

 こうしたなか、当社ではLEDが必要とする電圧にあわせて電圧を最適化可能なLEDドライバICを製品化し、バックライトシステムの省電力化を実現したものです。また、バックライトシステムの安定動作のニーズに対応するため、LED列のショートへの対応など各種保護機能を内蔵しています。

 新製品「R2A50106FT」の主な特長は次の通りです。

(1)LEDバックライトシステムの消費電力を最大20%削減

LEDドライバICは入力された電圧をLED駆動用に昇圧しますが、新製品では、昇圧回路(DC-DCコンバータ)を制御する新開発の昇圧制御回路を内蔵 することで、LEDの電圧(順方向電圧)や出力量(直列に並べた数)に応じて最適な電圧を供給できます。このため、従来方式と比べ当社比で最大20%の消費電力削減(注3)が実現可能です。

(2)充実した保護機能内蔵により、バックライトシステムの安定動作を実現

各種保護機能を内蔵しており、LED列ごとのLEDオープン/ショート検出により、異常が起こったLED列のみ動作を停止できます。

更に、過熱保護、昇圧回路(DC-DCコンバータ)出力過電圧検出、過負荷検出などにより、異常時にドライバICの動作を停止し、システム全体を保護します。

(3)定電流ドライバ8本を内蔵し、高輝度LEDバックライトシステム設計の容易化に貢献

定電流ドライバ部にオン抵抗(動作している時の動作抵抗)が低い高耐圧NMOSトランジスタを8本内蔵しているため、新製品にパワー半導体(パワーMOSFET)を外付けすることなく1本あたり最大160mAのLED電流を駆動可能です。このため、高輝度LEDバックライトシステムの部品点数削減や設計容易化が可能です。

この他にきめ細かい調光機能を内蔵しており、PWM(Pulse Width Modulation:パルス幅変調)調光(4096階調)、アナログ調光(256階調)の2種類の輝度調整が可能です。

ルネサスでは、今後もエコ社会実現に貢献する製品やソリューションを提供していきます。

新製品の仕様は別紙をご参照下さい。

以 上

(注1)LEDバックライト:液晶自体は自発光では無いため、外部からの光源(バックライト)が必要であり、この光源にLED(発光ダイオード:Light Emitting Diode)を使用した物。

(注2)CCFL:Cold Cathode Fluorescent Lampの略。

(注3)当社測定条件(150mA/ch、Tj=50℃の場合)での数値。

*本リリース中の製品名やサービス名は全てそれぞれの所有者に属する商標または登録商標です。


ニュースリリースに掲載されている情報(製品価格、仕様等を含む)は、発表日現在の情報です。 その後予告なしに変更されることがございますので、あらかじめご承知ください。

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