メインコンテンツに移動

クラウド対応や家庭内配信向けに超小型「IPネットワーク対応STB」リファレンスボードを提供開始

~マルチルームやマルチスクリーンの普及に向け、容易にネットワーク接続、コンテンツ視聴を実現可能にするセットトップボックス(STB)ソリューションを提案~

2012年1月10日

 ルネサス エレクトロニクス株式会社(代表取締役社長:赤尾 泰、以下ルネサス)は、このたび、今後普及が期待されるTVのクラウド対応およびマルチルーム(家庭内配信)向けのセットトップボックス(以下STB)のソリューションとして、超小型の「IPネットワーク対応STB」リファレンスボード(評価ボード)を開発しました。本日より、ビジネス・パートナー向けに提供を開始し、コンテンツ配信サービス事業者、セットメーカーに対してビジネスを提案して行きます。

 本リファレンスボードは、従来のSTBの概念を覆す(1)6.5×2.1×1.1 cm³という超小型サイズと(2)TVに代表されるスクリーン・デバイスのMHLTM端子に直接差し込むだけで、容易にネットワーク接続、コンテンツ視聴が可能という特長をもち、IPネットワーク対応STBシステムの小型化や低消費電力化、低コスト化、およびコンテンツ配信サービスの利用拡大に貢献します。

背景

 近年、世界各国で進展するテレビジョン放送のデジタル化に伴い、今後、インターネット動画配信、Webサービスも広く普及すると期待されています。そしてクラウドに接続し、インターネット動画やコンテンツ配信サービスを視聴できる端末の台数は増加する傾向にあります。このため、ユーザーがより便利、快適にコンテンツを楽しめるよう、放送やビデオのコンテンツデータを他の部屋のTVなどに配信できるようになることが求められます。また今後、タブレットなどのモバイル端末向けのコンテンツ配信が普及すると予想します。これに伴い、マルチスクリーンが浸透し、TVとモバイル端末のさらなる連携が求められます。

 一方、マルチメディア・コンテンツデータ処理に使用されるSTB用のSoC(System on Chip:システムLSI)を当社は長年量産しており、出荷数量は2011年2月に累計1億個を達成しています。こうした実績にもとづく技術とノウハウを活かし、今回、上記のような今後のネットワーク化に対応し、さらに加速するためのSTBソリューションとして、高性能・高集積のSTB用SoCを開発すると共に、それを搭載した超小型の「IPネットワーク対応STB」リファレンスボードを開発しました。

特長

 今回提供を開始する「IPネットワーク対応STB」リファレンスボードはフルハイビジョン画質 1920×1080/30プログレッシブ(以下1080/30p)までのコンテンツに対応し、以下の特長があります。

(1)超小型サイズを実現

わずか6.5×2.1×1.1 cm³の小型サイズのため、端末を特定することなく持ち歩いて家庭内のTVに代表されるスクリーン・デバイスに接続するだけで、インターネットやサービス事業者から配信されるコンテンツや、放送を録画したコンテンツ、撮影したビデオなどの家庭内コンテンツを楽しむことができます。
また、小型化によるSTBシステムの低コスト化、低消費電力化に貢献します。

(2)MHL/HDMI®端子での接続

本リファレンスボードでは、映像・音声の出力端子がMHL対応版と、HDMI対応版の2種類を用意しています。MHL対応版は、TVなどのMHL端子に直接差し込むだけで快適にコンテンツを楽しめます。

(3)ARM®マルチコア搭載、HDコンテンツ再生、グラフィックス処理、およびセキュリティ機能といった高機能化と低消費電力化を追求したSoCを搭載

本リファレンスボードは、高集積SoCを搭載し、高性能処理を低消費電力で実現しています。本SoCは、ARM Cortex™-A9 NEON™ (メディア拡張)を有するARM Cortex-A9コアを2個搭載、そしてHDコンテンツをデコード可能なAVエンジンを搭載し、H.264、MPEG4、VC-1などのフルハイビジョン画質(1080/30p)のビデオ再生が可能です。また、ローパワー技術を駆使し、低電力で高性能処理を実現します。さらに、2D/3Dグラフィックスエンジンによる高機能ユーザインタフェースを実現可能なうえ、本SoCは、高度なコンテンツ保護機能とセキュリティ機能を提供します。

 これらにより本リファレンスボードは、当社従来のリファレンスボードに比べ、約88%の小型化と1.7倍の高性能化、25%の低消費電力化を実現しています。

 加えて、Wi-Fiに対応しており、ワイヤレスネットワーク対応機器であるタブレット等との接続を容易化できます。このように、本リファレンスボードは今後のクラウドやマルチルーム、マルチスクリーン、インターネット動画配信、およびWebサービス(EPG、コンテンツ検索・推奨、SNS連携等)に対応できるだけでなく、その利便性の向上とシステムコストの低減が可能なことから、サービスの推進、拡大に貢献できます。

 ルネサスは本リファレンスボードをもとに、アイティアクセス株式会社、株式会社アドバンスト・コミュニケーションズ、株式会社グルーバ、三信電気株式会社、日本システムウエア株式会社、株式会社リコー、Silicon Image Inc.(社名五十音順、敬称略)をはじめとするパートナー各社と連携し、本リファレンスボードを応用したIPネットワーク対応STBの製品化とビジネス拡大を推進していきます。そして、快適かつエコの提供によりスマート社会の実現に貢献していきます。

 本リファレンスボードの主な仕様は、別紙をご参照下さい。

以 上

*MHLおよびMHLのロゴは、米国および/または他の国々におけるMHL,LLCの商標、登録商標、またはサービスマークです。

HDMI、HDMI ロゴ、および High-Definition Multimedia Interface は、米国および/または他の国々におけるHDMI Licensing, LLC の商標または登録商標です。

ARM、Cortex、NEONはARM Limitedの登録商標または商標です。

その他、本リリース中の製品名やサービス名は全てそれぞれの所有者に属する商標または登録商標です。


ニュースリリースに掲載されている情報(製品価格、仕様等を含む)は、発表日現在の情報です。 その後予告なしに変更されることがございますので、あらかじめご承知ください。

この記事をシェアする