~衛星通信、レーダ、2地点間(Point-to-Point)通信システムのフェーズドアレイアンテナ向けに、低消費電力と高集積化を実現~

2021年11月16日

 ルネサス エレクトロニクス株式会社(代表取締役社長兼CEO: 柴田 英利、以下ルネサス)は、このたび、衛星通信(Satcom)、レーダ、2地点間(Point-to-Point)通信用のフェーズドアレイアンテナ向け、16チャネルのビームフォーミングICを3製品発売しました。新製品は、Ku帯衛星通信受信(Rx)用 ICの「F6121」、Ka帯衛星通信用のRx IC「F6122」、Ku帯レーダおよび2地点間通信用Rx ICの「F6123」です。クラス最高レベルの低消費電力、雑音指数、コンパクトなサイズを特長としており、航空機や船舶のほか、低/中地球軌道(LEO)や静止軌道(GEO)衛星と通信する地上ターミナル機器向けに、次世代の低遅延なフェーズドアレイアンテナを実現します。F6121 Rx ICは、半二重および全二重アンテナ設計をサポートし、送信(Tx)用F6521 IC およびF6921 LNAと共に、量産を開始しています。また、大手の衛星通信プロバイダにも採用されており、2022年中の量産開始が見込まれています。

 新製品のF61xxは、低消費電力で、デュアルビーム機能を備えており、KuおよびKa衛星通信の全帯域で、メイクビフォアブレイク(MBB)や複数衛星の同時運用が可能です。F61xxは、低ノイズアンプ(LNA)の選択と配置を柔軟に変更することで、雑音指数とシステムのG/T指数(性能指数)を向上させることができます。

 ルネサスのインフラストラクチャ・ミクスドシグナル事業部、RF通信担当Vice PresidentのNaveen Yanduruは次のように述べています。「お客様は、機械走査アンテナから電子走査アンテナへの移行に伴い、熱管理、小型化、コストという3つの課題に直面しています。F61xxは、次世代の低遅延な衛星通信システムに求められるコスト効率、低消費電力、コンパクトなサイズを実現しています。」

新たな衛星通信用ビームフォーミングIC 「F61xx」について

 デュアルビーム機能搭載のビームフォーミングIC F61xxは、大型の機械走査アンテナから軽量で薄型のアクティブ電子走査アレイアンテナ(AESA)に移行する際に、設計者が直面する熱や小型化、コストの課題を解決するものです。新製品は、消費電力の削減、オンチップのビームステートメモリの増加、デュアルビーム(シングルビーム動作の場合40%の消費電力削減)に加えて、RF性能も大幅に向上しています。本製品は、セルラ通信を実現するサブ6GHz帯RFIC製品群と5G ミリ波製品群を補完するものす。

 また、ルネサスは、ユーザの設計を加速させ、より早く市場に投入できるよう、ルネサス製品のポートフォリオを組み合わせたソリューション「ウィニングコンビネーション」を開発、提案しています。その一環として、衛星通信用ビームフォーマICは、ルネサスのパワーマネジメント製品やタイミング製品と組み合わせた「Ku帯衛星通信システム」ソリューション」を提供します。この他にも、250種類以上のウィニングコンビネーションをこちらからご覧いただけます。renesas.com/win

F61xxの主な特長

  • デュアル/シングルビーム、フル/ハーフデュプレックス、一重/二重偏波、1D/2Dアレイアーキテクチャに柔軟に対応し、クラス最高レベルの低消費電力とカスケード接続における雑音指数性能を実現
  • アンテナパネル面積の4%以下のコンパクトサイズ(FC-BGAパッケージ)を実現し、Ku帯でλ2アレイグリッドへの物理的な統合が容易かつRFアイソレーションを改善
  • オンチップのビームステートメモリを用いた高速かつ柔軟なデジタルインタフェースにより、100ns以下の低遅延でアンテナビームの切り替えが可能

ビームフォーミングIC、F61xxの詳細については、こちらをご覧ください。
www.renesas.com/satcom

ルネサスのRF事業について

 ルネサスは、過去10年間で3億7千万個以上のRF製品を出荷しており、通信革命の進行する現在において重要な役割を果たしています。SN比とリニアリティを向上させる独自の技術を保有し、モバイル用インフラ、衛星通信、その他の産業用アプリケーションにおいて大手企業のパートナとして信頼を築いています。

以 上

*本リリース中の製品名やサービス名は全てそれぞれの所有者に属する商標または登録商標です。


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