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産業分野で普及が進む通信規格IO-Link対応の4チャネルマスタICとセンサシグナルコンディショナを発売

~IO-Link市場は2028年まで年間20%を超えるペースで成長する見通し~

2024年10月16日

 ルネサス エレクトロニクス株式会社(以下ルネサス)は、このたび、産業分野のエンドポイントで普及が進む通信規格IO-Linkに対応した4チャネルマスタIC 「CCE4511」と、IO-Link対応デュアルブリッジ抵抗センサシグナルコンディショナIC 「ZSSC3286」を発売、量産を開始しました。

 IO-Linkは、ファクトリオートメーション(FA)やビルディングオートメーション(BA)で広く使用されているデジタル通信プロトコルの標準規格の一つです。センサやアクチュエータといったFAのエンドポイントにあるデバイス間のシームレスな通信を実現します。IO-Linkはリアルタイムにデータや通信状態を収集でき、最小限の配線で使い勝手が良く、既存システムとの互換性も備えているため、近年ますます普及が進んでいます。データを利用することにより、リモート監視や設定にも役立ちます。市場調査会社Infogence Global Researchの推定によれば、IO-Link市場は年間20%を超えるペースで成長し、2028年には340億米ドルを超える規模となる見通しです。

4チャネルマスタIC 「CCE4511」

 本新製品は、センサやアクチュエータをPLC(プログラマブルロジックコントロール)などの制御ネットワークに接続するためのゲートウェイとして機能するIO-Linkマスタ機器用デバイスです。業界で初めて4チャネルに対応するため、4ポートのIO-Linkマスタなら1チップ、8ポートのIO-Linkマスタなら2チップで対応可能です。各チャネルに500mAの駆動電流を供給するだけでなく、2チャネル対応ICと比べて、省エネや基板サイズの縮小に役立ち、必要な外部コンポーネントの数も少なくなります。

 新製品は、高電圧に対応したインタフェースに加えて、過電圧の検出機能と過電流からの保護機能も備えています。内蔵のIO-Linkハードウェアフレームハンドラは、下位レイヤの通信タスクのほとんどを自動化することで、アプリケーションのパフォーマンスを大幅に向上させます。これによってマイコンの負荷が大幅に軽減されるため、他のタスクのパフォーマンスを向上できるだけでなく、設計者はよりリーズナブルなマイコンを使用できるようになります。新製品の最大動作温度は125℃で、過酷な産業環境にも対応可能です。また、新たに規格化されたIO-Link Safety System Extensionsに対応できるよう、IO-Linkデバイスからのレディパルス検出もサポートしています。

デュアルチャネルブリッジ抵抗センサシグナルコンディショナIC 「ZSSC3286」

 ZSSC3286は、センサ信号の高精度な増幅、デジタル化、センサ固有の補正を行うデュアルチャネルのセンサシグナルコンディショナIC(SSC)です。センサのスイッチングやデジタル測定ためにIO-Link Smart Sensor Profileを実行するIO-Link スタックを内蔵しIO-Linkの接続性をサポートしています。このデバイスは、ブリッジ構成やハーフブリッジ構成のセンサ、ならびにサーモパイルのような外部電圧ソース素子に適しています。不揮発性で再プログラム可能なメモリに格納された補正係数を用い、32ビットArm® CPUで補正アルゴリズムを実行することで、センサのオフセット、感度、温度ドリフト、非線形性のデジタル補正も行えます。プログラム可能なアナログフロントエンドを内蔵しているため、さまざまなセンサを、さまざまな用途に応じて適用できます。

 ZSSC3286は、ルネサスとしてIO-Link対応スタックを内蔵した初のセンサシグナルコンディショナです。従来はスタックを実行するために追加のマイコンが必要でしたが、ZSSC3286はマイコン内蔵のため、基板のスペースもコストも節約できます。また、最大24ビットの分解能を持つ2つの並列A/Dコンバータ、パフォーマンスを最適化する測定スケジューラ、高度なシステム診断機能も備えています。

 ルネサスのコネクティビティセンサ事業部のVice PresidentであるLeopold Beerは次のように述べています。「産業界のさまざまなお客様から、IO-Linkを活用した新しいソリューションを求める声が寄せられていました。今回発売した2つの新製品は、いずれもIO-Linkアプリケーションのために業界屈指のパフォーマンスと機能を両立しました。ルネサスは今後も、重要なIO-Link市場向けの製品を拡充していく予定です。」

ウィニング・コンビネーション

 ルネサスは、エンベデッドプロセッシング、アナログ、パワー、コネクティビティの多彩な製品をCCE4511やZSSC3286と組み合わせたIO-Linkセンサソリューションを提案しています。ウィニング・コンビネーションは、ルネサス製品を最適に組み合わせ、あらかじめエンジニアによる設計検証を行っているため、ユーザの設計リスクを低減し、市場投入までの時間を短縮します。他にも、さまざまなアプリケーション向けに400種類以上のウィニング・コンビネーションを提供しています。詳しくは、こちらからご覧ください。https://www.renesas.com/win

  4チャネルマスタIC「CCE4511」は8mm x 8mmの56ピンQFNパッケージです。CCE4511とEVAL-V1評価キットの詳細は、こちらをご覧ください。www.renesas.com/CCE4511

 デュアルチャネルブリッジ抵抗センサシグナルコンディショナIC 「ZSSC3286」は5mm x 5mmの40ピンQFNパッケージです。ルネサスからはWLCSP(Wafer-Level Chip-Scale Package)としても提供します。ZSSC3286とZSSC3286EVK評価キットの詳細は、こちらをご覧ください。www.renesas.com/ZSSC3286

以 上

*本リリース中の製品名やサービス名は全てそれぞれの所有者に属する商標または登録商標です。


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