ルネサス エレクトロニクス株式会社(以下ルネサス)は、このたび、車載ディスプレイシステムの安全性向上を実現するため、機能安全規格ASIL Bに対応可能な多機能LCDビデオプロセッサ「RAA278830」を発売しました。ドライバーにとって車両ディスプレイシステムへの依存度が高まるにつれ、鮮明で破損のない画像を表示することがますます重要になっています。新製品は、シグナルインテグリティ(転送信号)の確保に加えて、ビデオコンテンツ自体の異常を検知できます。ビデオ画像の診断機能により、入力した画像のフリーズ、色の異常、動画の中断や破損、ちらつきや点滅を検出できます。ルネサスの車載用ビデオ&ディスプレイ製品としては初めて、機能安全規格ISO 26262のASIL Bをサポートしたことにより、堅牢な車載ディスプレイシステムの開発が可能です。これらにより新製品は、ヘッドアップディスプレイ(HUD)、デジタルインストルメントクラスタ、カメラモニタリングシステム(CMSおよび電子ミラー)に最適です。
ルネサスでコンフィギュラブル・ミックスドシグナル事業部のヴァイスプレジデント兼ジェネラルマネージャであるJason Kimは次のように述べています。「業界をリードするルネサスのビデオプロセッシング技術に機能安全機能を付与してほしいと、自動車業界から常にご要望をいただいていました。新製品は、車載ディスプレイを開発するために必要な機能をもれなく提供するため、お客様はあらゆるタイプの車両に安全かつ経済的なLCDシステムを導入することができるようになります。」
RAA278830の主な特長
- デュアルLVDS(Open-LDI)入出力
- 機能安全規格 ISO 26262のASIL Bをサポート
- 巡回冗長検査(CRC)、パリティ、ビルトインセルフテスト(BIST)、およびデータパス全体に実装された冗長性セーフティメカニズム
- ビデオ画像の診断機能
- ビデオタイミング、シグナルインテグリティ、コンテンツの入出力を監視
- ちらつき、点滅、オクルージョン(遮蔽)、グレア(まぶしさ)を検出
- スペクトラム拡散により、システムレベルのEMIを低減
- イメージエンハンスメントエンジンにより、優れた画質を実現
- デュアルホストインターフェース:I2CおよびSPI(設定可能)
- SPIフラッシュベースのオンスクリーンディスプレイ(OSD)と埋め込みフォントベースのOSD
- SPIブート機能(SPIフラッシュからのブート、マイコンは不要)
- フェイルセーフなOTA(Over-The-Air)アップデートのためのマルチバンクをサポート
- スペース効率の高い10mm × 10mm(72 SCQFN)パッケージ
- AEC-Q100 グレード2認定
新製品の詳細は、こちらをご覧ください。renesas.com/RAA278830
評価ボードの情報は、こちらをご覧ください。RTK278830Dx000BU
ルネサスの車載用ビデオ&ディスプレイ製品について
ルネサスは、長年にわたり車載ディスプレイアプリケーションに向けて、車載グレードのソリューションを提供してきました。スタンダードなアナログビデオデコーダに加え、低コストのケーブルやコネクタで高解像度の画像を伝送できるオートモーティブHDリンク(AHL)製品などを取り揃えています。今回、本新製品RAA278830を発売することで、車載用ビデオ&ディスプレイ製品のポートフォリオを拡充しました。
以 上
*本リリース中の製品名やサービス名は全てそれぞれの所有者に属する商標または登録商標です。
ニュースリリースに掲載されている情報(製品価格、仕様等を含む)は、発表日現在の情報です。 その後予告なしに変更されることがございますので、あらかじめご承知ください。