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ルネサス、ニデックと共同でEV向けのE-Axleとして世界トップクラスの機能統合を実現した「8-in-1」のPoCを開発

~ドイツのミュンヘンで11月12~15日に開催されるelectronica 2024のルネサスブースにデモを出展~

2024年11月11日

 ルネサス エレクトロニクス株式会社(以下ルネサス)は、このたび、ニデック株式会社(以下ニデック)と共同で電気自動車(EV)向けのE-Axle(イーアクスル)として世界で初めて(注1)、1個のマイコンで8機能を制御する「8-in-1」のPoC(proof of concept:概念実証)を開発しました。本PoCにはモータ、ギヤ(減速機)、インバータ、DC-DCコンバータ、オンボードバッテリチャージャ(OBC)などを搭載しており、このたびシステムレベルでの動作評価が完了しました。ルネサスは、ドイツのミュンヘンで11月12~15日に開催されるelectronica 2024のルネサスブース(ホール B4/ ブース 179)に、本PoCを出展します。

 E-Axleは、駆動モータ、ギヤ、インバータなどを統合したEV向けユニットです。多くの機能を統合することにより、小型化や軽量化に加え、EV設計の簡素化が可能になります。ルネサスは、この8-in-1システムの半導体および電子設計のリファレンスデザインを開発しました。ルネサスは、本リファレンスデザインをべ―スとして活用し、各種X-in-1システム向けにターンキー半導体ソリューションを提供していく予定です。ルネサスのリファレンスデザインを活用することにより、ユーザはすぐにX-in-1システムを導入し、評価できるため、EV開発を早期に実現可能です。

  本PoCには、ニデックのモータ、ギヤに加え、ルネサスが設計した最大効率99%以上を達成する70~100kW出力可能なインバータ、1.5kW出力DC/DCコンバータ、6.6kW充電OBC、配電ユニット(PDU)、バッテリマネジメントシステム(BMS)、PTCヒータ(熱マネジメント)制御の8つの機能が含まれます。従来、X-in-1を制御するには、機能ごとにマイコンとパワーマネジメントIC(PMIC)のペアを必要としますが、今回、8-in-1を1つのマイコンとPMICだけで制御することに成功しました。1つのマイコンで全ての機能を制御できるようシステム的に統合することにより、部品点数とコストを大幅に削減し、小型化を実現しました。

 本PoCには、ルネサスの車載制御用32ビットマイコンRH850/U2B、マイコン用PMIC、絶縁ゲートドライバRAJ2930004AGM、インバータ用IGBTモジュール、DC/DCコンバータとOBC用パワーデバイスなどのルネサス製品が含まれており、期待通りの性能を発揮することを実証しました。ルネサスは、今回のPoC開発を通じて得られた技術資産を活かすことで、X-in-1で必要とされる主要デバイスを提供するだけでなく、ソフトウェアを含めたシステム全体の提案やサポートをワンストップで顧客に提供することが可能となります。ルネサスは、今後もEVの早期開発を支援するリファレンスデザインやソフトウェアなど包括的ソリューションの提供に注力して参ります。

 ルネサスエレクトロニクスの執行役員 兼 パワー担当ジェネラルマネージャーであるクリス・アレクサンドルは次のように述べています。「ルネサスは、世界トップクラスの高集積な8-in-1 E-Axleソリューションを開発し、ニデックの協力を得て動作を検証できたことを嬉しく思います。ルネサスは、すぐに使えるシステムレベルの完全なソリューションを提供するために、当社のデジタル製品と組み合わせて使用する幅広いパワーマネジメント製品を提供することに尽力しています。これにより、ルネサスはお客様の開発と市場投入までの期間を加速させます。」

 ニデック株式会社の常務執行役員 兼 副最高技術責任者 兼 半導体ソリューションセンター所長の大村隆司氏は次のように述べています。「激変するEV分野では、更にコンパクトで低コストなE-Axleが求められています。電動パワートレインに関わる制御ユニットを一つのECUで実現すれば、部品点数削減による軽量化と低価格化が促進できます。この度、E-Axle向けにワンマイコンで8イン1システムを制御する世界初のPOC(Proof Of Concept)を開発しました。その推進にご尽力頂いたルネサスエレクトロニクスの熱意と努力に心より感謝を申し上げます。今後、ニデックは、X-in-Oneの統合化レベルを示す「X」がセグメント毎に変化することに注目し、スケーラブルな設計手法の必要性を認識しました。POC開発においては、この視点からマルチコアMCUのソフトウェア構成(機能配置)を変更することで、さまざまな組み合わせに柔軟に対応できるX-in-Oneプラットフォームの基盤を構築できると期待しています。」

以 上

(注1)ルネサス調べ

*本リリース中の製品名やサービス名は全てそれぞれの所有者に属する商標または登録商標です。


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